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チュチュの過去〜第3幕(旅立ち)


 そして次は、あの水色に燃えるような赤髪メッシュのロリ。


 「リヒト!」


 今にもこと絶えてしまいそうなリヒトをしっかりと繋ぎとめるかのように、強く強く握りしめた。


 「大丈夫だ……ありがとな……」


 「リヒト、あたし……あたし……」


 「分かってる……お前がいつも私を思ってくれていたこと……」


 「愛してる、リヒト、愛してるわ!」


 突然の告白。

 だが、今しかないと思ったのだろう。

 もう、リヒトに言葉を届けることはできなくなってしまうのだから。


 リヒトが驚いたのかどうかは分からない。

 だが、リヒトはしっかりと007の告白を受け止めていた。


 「ありがとう……こんなにも………愛され……幸せだ……」


 「もっと一緒にいたい、リヒトがいない世界なんて、あの実験室と同じよ!」


 「ははっ……そんなこと……言うな……お前には……べリカの周りには……こんなにも……愛すべき…………………」


 リヒトの言葉が途切れた。


 「リヒト……?」


 瞳の光が消え、べリカが握っていたリヒトの手がグッタリとなり、重くなった。


 「嫌……リヒト、いやよ……嫌、リヒト、リヒト……嫌、イヤ、いや、いや、いやああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」


 べリカがこの世の終わりを告げる叫びのような悲鳴をあげ、火魔法を爆発させた。


 周りのロリたちは熱風に吹き飛ばれそうになる。

 大量の酸素が燃え尽き、息苦しい。


 「リヒト! いや、行かないで! だめ、いやよ、もう一度名前を呼んで! あなたがくれた私の名前を! べリカって! リヒト、リヒト!!!」


 炎はリヒトとべリカを閉じ込め、何者の侵入も許さない。


 「べリカ!」


 チュチュがべリカの名を呼んだ。

 だがその声は、べリカには届かなかった。



 その時だ。

 いかにも重そうに浮かぶ灰色の雲に稲妻が走った。


 全ての音をかき消し、耳をつんざくような雷鳥の鳴き声がひとつ。

 

 空を見上げると、あの時の、リヒトの雷鳥がその美しい姿を再び現した。


 「雷鳥サンダーバード……」


 そして、雷鳥はロリたちの遥か上空をぐるりと旋回すると、その円の中心から真直ぐ急降下してきた。


 ピシャッと音がしたか。

 私の見ている映像が真っ白になり、何も映さなくなった。

 

 べリカの叫びも、シヴァの発狂も、パナの息を呑む音も、レアの尻餅をつく音も、アネスの泣き声も、ライアのつばを飲む音も、アーティの瞬きの音も、何も聞こえなくなり、最後に聞こえたのは、


 「さようなら、リヒト」


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