チュチュの過去〜第3幕(ここまで平和な“承”)
それ以来、チュチュは夜になるとリヒトと飲む仲になった。
といっても、リヒトはお茶、チュチュはココアフロートだ。
チュチュはその分、リヒトと会話し、言葉も姉妹たちの中で一番上手になった。
まっ、こいつの目当てはココアフロートだけなんだろうけどな。
チュチュは本当に美味しそうにココアフロートを飲むのが分かる。
映像がチュチュの目線だからチュチュの表情は分からないけれど、1口ココアフロートに口をつけるたびに、
「おいしい」
だとか、
「きゅるる〜ん♪」
だとか、意味わからん音を発し喜びを表現していた。
「まじで平和だ。平和すぎて、そろそろ本家のチュチュに問いただしたいことが山ほどあるのに、ポッキーゲーム終了のための“チュチュが私をどう思っているか”になるヒントが全くもって見つからない……
どうしたものか」
このポッキーゲームってタイムリミットはあるのか?
それか、ギブアップ。
だが、あの召使いゴブリンの口調からすると、もしかして答えが出るまで私は一生ポッキーゲームの中……
「あああ! そんなの聞いてねぇよ!
そうだ! このポッキーを噛み砕いちまえば強制的にゲームを終了できるんじゃないか?
そうだそうに違いない……そうであってくれぇぇえ!」
だが、結局ポッキーに力いっぱい歯を立ててもポッキーは歯型すら付いた感じがしない。
ぐぬぬ……強情な奴め。
もっと柔軟な考えを持たないと、消費者は離れていってしまうぞ。
……柔らかいポッキー……
そ、それはそれで消費者は離れていきそうだな……
私がまた暇を持て余してクレイジーな商品開発案を提出し、却下したところで映像が動いた。
つぎはおやすみするかもしれません!!




