魔法についての長話。
「では少しだけ、魔法系統について説明させてもらいますね」
おっと、長い話が始まる予感しかしねぇ。
短い話をしますって、校長先生のスキルだよな。
効果は、短いといいつつも結局は長話になる。
ダメージ大のチートスキル。
「まずはリリスさんに適性のある、火系統についてです。火系統は対象物に対し『侵食・温度』に関したことに特化した魔法が使えます。
火を出すことはもちろん、温度操作なんかも火系統の魔法です。
次にチュチュさんに適性のある、水系統。水系統は対象物に対し『混合・解除』に関したことに特化した魔法が使えます。
水を操り、水竜や水虎を操作したり、邪気を浄化したり、魔法と魔法を混合させた合わせ技ができます」
ん?
「あの、それって普通にできることじゃないんですか?
例えば、火系統の温度操作と水を合わせて、氷を作るとかできないんですか?」
疑問に思ったことはすぐ聞いてみる。
前世では、私はクラスの大人しポジションだったので、授業中に手を上げて先生に質問!
なんてことはしなかったが、そこはせっかく転生したわけだし、キャラチェンといこう。
「混合魔法を使わずに温度操作によって冷却し、水を凍らせる事は可能です。
しかし、氷となってしまった水はもはや、ただの氷でしかなくなってしまいます。
しかし、あらかじめ混合魔法を加えておくことで、水系統の魔法使いは、この氷を氷竜としたり、アラレとしたり、意のままに操ることができるのです」
ほほー。なるほど。
それは魔法のバリエーションが広がるな。
水系統魔法、すげー!便利ー!
「次に、風系統は対象物に対し『移動・速度』することに特化した魔法が使えます。
物体や魔法を加速させたり、エアカッターを出したり。上級になってくると、絨毯無しでも飛べるようになります。
土系統は対象物に対し『動作・形成』することに特化した魔法が使えます。
振動……つまり地震を起こせたり、土を変化させて操るミニゴーレム兵とかは便利ですね。
木系統は対象物に対し『回復・変色』することに特化した魔法が使えます。
植物をあやつり、時には毒使いになる人もいます。透明化とかはみなさん便利に使っていますね」
あー、自分に関係がない系統魔法の話はアクビが出そうになる。
ここまで、火、水、風、土、木と基本的なところは抑えたな。
あ、まだ雷があったっか。
これらをまとめて五大元素とかいうんだっけか?
なんか前に読んだラノベにも似たような設定があったなぁ。
「そして次に、これまたチュチュさんに適性のある雷系統。これは、対象物に対し『感知・伝導』することに特化した魔法が使えます。
鑑定やなんかがその辺ですね。電気を出したり、神経を麻痺させたりできます」
なるほどね。
んで、あとは光と闇だ。
「光系統は対象物に対し『分裂・高める』ことに特化した魔法が使えます。
洞窟ではフラッシュが重宝されますね。あとは他の魔法力を一時的に高める、ブーストなんかがあります。
そして最期に、リリスさんに適性のある闇系統。闇系統は対象物に対し『吸収・膨張』することに特化した魔法が使えます。
闇と聞いて悪いイメージを持つ方がごく稀にいますが、そんな事はありませんのでご安心ください。
闇系統は、ドレインタッチ、エクスパンションなどの魔法が使えます」
ふむふむ、魔法系統については、なんとなくわかったぞ。
は〜、やっぱり長かった。
校長先生の朝の朝礼はやっぱり効果抜群だな。
これを魔法系統に当てはめると、何系統魔法になるんだ?
うーん。
話が膨らんで膨らんで長引くから……
……闇?って、私使えるようになるじゃん!
うれしくねぇー。