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いきなりキスされて殺されました

 

 ちょっとしたアンケートをとってみよう。

 回答者は、男子学生である俺。

 自分で自分にアンケートを取るなんてバカげているが、これで俺のことが少しわかると思うから、ちょっと付き合ってくれ。


 さて早速だが第1問、デーレン!

──「男・オカマ・オナベ・女。この中で1番嫌いなのはどれ?」


 日本中の男子学生全員にこのアンケートを取ったら、一体どんな結果が出るだろうか?

 少なくとも、「女」の回答率が一番高くなることは無いだろう。


 だがしかし、俺の答えは「女」

 迷う素振りなど一瞬たりとも見せずに即答!

 男・オカマ・オナベ・女。

 この中で、俺が1番嫌いなのは女だ!


 もしかして俺はホモォなのか?と勘違いするかもしれないが、決してそういう訳では無い。

 シンプルに、女が嫌いなだけだ。


 あんな頭のおかしな生物を俺と同じ人類として分類してほしくないね。

 男尊女卑だんそんじょひだ?

 とんでもない!

 よく考えてみろよ。

 女の方がエラソーなこと言って威張っているくせに、都合が悪くなったら急に女の子だからって逃げる。

 力仕事は男の仕事。

 女が男に触るのは良いが、男が女に触るのはセクハラ。

 デートでは男が下見して、エスコートして、お金出すのがあたりまえ。

 女尊男卑じょそんだんひも甚だしい世の中だとは思わないか!?


 俺は声を大にして言いたい。 

 女は敵!

 女は危険!

 女は嫌い!

 お願いだから全世界の女達よ、俺に近寄るなぁぁあ!!!!!


 ……ふぅ。


 これを踏まえ第2問

 ──「女子小学生・女子中学生・女子高生・女子大生・OL。この中で1番マシなのはどれ?」


 ここで重要なのは、“マシ”というワードだ。

 もし質問が、“この中で1番好きなのは?”だったなら、俺は即座にこのアンケート用紙をビリビリに破いて丸めて踏みつけて燃やす。


 今回はまぁ、“マシ”という控えめなワードを使うその謙虚さに免じて仕方無く答えてやると、答えは「女子小学生」だ。


 おっと、俺をロリコン扱いしようってなら、ちょっと顔貸せや。

 ゲームばかりやってる軟弱ニートだからってナメてくれるなよ?

 1度だけ、クラスの女子と身の毛もよだつ、絶対にある筈も無い噂をたてられた時なんざ、血の雨が降ったぜ。

 ……RPGの世界でな。

 

 話を戻そう。

 俺は決してロリコンではないが、女子小学生をマシなものに選んだ理由は、その体型だ。


 ロリコンか!

 って言った奴は流石にもういないと信じよう。

 何度も言うが、マシというだけの話だ。

 妥協もいいとこよ。


 それで、また何でロリ体型のほうがマシなのか。

 俺は女が、女らしい体型であればあるほど大嫌いだ。

 

 だから、無駄に胸元の開いたブラウスや、太ももを見せつけるためにミニスカートを着ている女は害虫以下。

 上半身につけた邪魔くっさい爆弾2つ、とっとと爆発しちまえ!


 ボカーン!!!

 ははっ、ざまーみろ!


 なぜ俺がここまで女の体型を毛嫌いするのか。

 これまた昔話だが、教室の中で、女王気取りで騒ぎ立てている女とその取り巻き軍団がいた。

 あまりにうるさかったので俺がそいつらをゴミ虫を見る目で睨みつけてやったら、あんの下等生物たちはなんて言ったと思う?

 ちょっと〜、何いやらしい目してんのよ! へんたーい!

 だとよ。

 ふっざけんな、自意識過剰にも程があるわ!

 俺だってお前ら見てたら目が腐っちまうってーの!


 そんな訳でまだロリ体型のほうがマシだ。

 だから第2問の俺の答えは、女子小学生。


 そしてさいご、第3問

 ──「3次元の女と2次元の女の子、嫁にするならどっち?」


 んなもん、決まってるだろ!

 答えは2次元嫁オンリーだ!

 3次元女と2次元の女の子を比べることすらおこがましい。

 3次元に嫁はいらねー。

 2次元嫁サイコー!


 3次元の女は何考えてるかわからない腹黒ばかりだ。

 裏表が激しいんだよな。

 その点2次元嫁は裏切らない。

 見た目も綺麗だし。

 もはや3次元に勝ち目など皆無だ!


 ま、そんな脳内アンケートはさておき、俺は今珍しく外に出ている。

 このクッソ暑い中、俺が女どもを避けながら外へ出ているのは、俺が最近ハマっている少年漫画の新刊を買うためだ。


 「ヘーイ、オニイサーン。チョット、ミチ、キキタイデスネー!」


 ん?なんだなんだ?

 ラテン系ゴリマッチョが俺に道を尋ねてきた。


 「いいぜ。どこ行きたいんだ?」


 「コーコ、コノチズノ、ココ!イキタイデースネ」


 「あぁ、ここならこの道を真っすぐ行って、突き当りを右へ……って、覚えられねえよな。俺がもっと分かりやすい地図描いてやんよ」


 「オーゥ!オニイサーン、ヤーサシーデスネー!センキューベリーマッチ!」


 「良いってことよ」


 そして俺が描いた地図を渡すと、文化だろうか、ラテン系ゴリマッチョは俺に頬キスすると、笑顔で去っていった。

 少し驚いたが、異文化交流もたまには悪くない。

俺も笑顔で彼を見送った。


 うん、良いことをした後ってのは気持ちがいいね。

 ま、困っている人がいたら助けてあげるのは当たり前だけどね♪


 「あの、ちょっと道をお尋ねしたいのですが」


 「すみません、急いでいますので。じゃ」


 困っている女は道端に置いておけば良し。

 俺はその女を見るまでもなく背を向け歩き出す。


 「えぇ!?まって!」


 ちっ、しつこいな。

 こういう時は聞こえないフリ聞こえないフリ。


 「……」


 「ちょっと待ったァァァ!」 


 うわっ、この女、俺の前に立ちふさがってきやがった。

 どんだけ必死なんだよ!

 仕方ない、テキトーに道教えてさっさと行ってもらおう。

 お願いだから俺に近寄るな。


 「えっと、何?」


 「もう!道を尋ねたいって言ってるじゃないの!」


 なんだ?この女、急に口調が雑になったな。

 白い肌に白いワンピース。

 長いプラチナブロンドの髪、青い瞳。

 はいはい、世間一般様で言うところの美少女ってやつね。

 俺には全く関係がないが。


 「んで、どこ行きたいの?」


 「その面倒臭そうな言い方やめなさい! この地図の場所に行きたいのだけど」


 「ん?あー、そこはあっちの道をダーッて行って、ガッと曲がってバッと行けばすぐだから。じゃ」


 こんなテキトーな道案内されりゃ、諦めて別の人に道を尋ねるだろう。

 もう俺は限界だ。

 充分頑張った。

 文句あるなら勝手に言ってろってんだ。


 「なんて親切なの!どうもありがとう」


 ……へ?


 次の瞬間、その女の顔が目の前に迫り、唇と唇が触れ合った。

 俺の純粋な唇がこの婬魔に奪われたショックで俺の意識は遠くなり、そして多分俺は──死んだ。


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