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Melancholy  作者: 美桜
第三章(二日目)
8/11

…重大発表です。

 久しい更新となりましたが、楽しんでいただけたら光栄です。


 今回からが二日目となるわけですが、やっと準主役の出番になりそうです。


 ((今回は彼はまだ出てきませんが、楽しみにしていてくださいね。




 

 :二日目



 ある晴れた日のことでした。


 院長から爆弾投下の様な、死刑判決を言い渡されたのは。


 「……専属看護師になって欲しい」



 「……は? はぁぁぁっぁぁぁっぁ!!??」



 ……何故こんなことに、なったのでしょう。


 私は真っ白になった頭の中で、こうなった経緯を思い出していたのでした。




 それは琉依との誤解も解け、反省文を師長に提出しに行った時のことでした。


 「壬紀、ちょっとこっち来てくれない?」


 「? えぇ、はい。なんでしょう」


 いつも笑顔で接してくれる柳先生が額に青筋を浮かべ、無理矢理笑いを作っていることに

気付き、不信を覚えていれば。


 一緒に反省文を出しに行ったときの琉依の嫌そうな表情に気付いてさえいれば。


 ……こんなことには、ならなかったのでしょうか。



 「付いて行ってやる」と言った琉依の優しさを受け取ろうとした私の手を取り、「いや、いい」とバッサリ切って捨てた柳先生は呆気にとられている私たちを気にせず私の手を引いて、重々しい雰囲気を醸し出す扉の前へと連れて行ったのです。その扉には金色のプレートが掛かっており、そこには“院長室”という文字が彫ってあったのでした。


 驚きのあまり口をパクパクとさせる私に向かって、そこまで一言も喋らなかった柳先生は、私の方を見ることもなくただ一言、「……ごめん。守りきれなかった」と言い、どういうことかと問おうとした私の言葉を遮るかの様にその扉をノックしたのでした。


 そのノックの後、短く「入れ」という返事が返され、私達は扉の先へと足を進めました。


 扉の中には黒いスーツを着たガードマンが2人と、7人程の人数が円卓に腰掛けており、その真ん中にいた人物がゆっくりと顔を上げました。


 その顔は、どこかで見たことあるような……そんな優しい雰囲気を纏っていました。


 その人物に「……桜庭 壬紀さんだね?」と聞かれたとき、私は『何となくこの声音に逆らえない』と思いました。そしてコクコクと頷く私をじっと見た後、目を閉じ、組んでいた手を円卓に付け、ゆっくりと私の人生を左右することになる言葉を吐き出したのでした。



 「……君に、ある患者の専属看護師になってもらいたい」



 私の人生、どうなるんでしょう……。






 ≪続く








 後、今更なのですが…7話目の柳師長さんのいっていた言葉は、『松嶋』ではなく『丙午』でした。


 すいません。全く気付かずに…!!


 次の話で病院全体がどういった感じか分かる…筈です。


 3.1 修正致しました。



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