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Melancholy  作者: 美桜
第二章(一日目)
7/11

再会とは…難しいものです。≪続

 お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございました。


 ご期待に添えるよう頑張りますので…!!


 


 ≪前回のあらすじ




 『……壬紀はさ、丙午と付き合っているのか? 丙午のことが……好きなのか?』


 ……は?



  * * * * *



 ……いやいやいや、私は何かとても酷い聞き間違いをしてしまったようです。そう! あの言葉は聞き間違い! それ以外は認めませんよ! もう一回正確に思い出してみましょう!


 『壬紀、丙午と付き合っているのか……?』ピッ。……もう一度。


 『丙午と付き合っているの……』ピッ。……とうとう幻聴が……頭がフラフラします。


 『付き合っている……』ピッ。いやぁぁぁぁぁぁぁ!! 分かりました! もう分かりましたから止めてください! これ以上傷を抉らないで下さいお願いします!


 分かってます! これが現実逃避ってことぐらい! でも認めたくないんです! 何言ってんですか、この人!!


 まずいフラグが私には見えます。バリ3ですよ!! もういっそ圏外でいて欲しいのに!!どうしてこういう時ばかり鋭くなるんでしょう。何で琉依の言葉を信じなかったのか後悔が物凄いです。ごめんねっ! 琉依!!


 近づいてくる柳先生。私の中の第六感が危険信号を鳴らしています! とにかくここは逃げ……


 ガシッ!! (壬紀が腕を掴まれた音)


 「……逃がさないよ」腹黒スマイル100%


 どうしたら……どうしたら、そんなブラックなスマイルが出来るんですか。その笑顔のせいで、マッ○で『スマイル下さい』なんて二度と言えなくなりましたよ! 今!!



 こうして私は捕まってしまったのでした。



 「……だから何回も言ってるじゃないですか。私は琉依とは付き合ってません!!」


 もうなん十回繰り返したんでしょう。ずっと同じことについて繰り返しているのも限界です。仕事しなくていいんですかー? 職務放棄してますよぉー? あのブラックな笑顔のまま同じ質問を繰り返す柳先生。いや、質問というより拷問に近いです。……しつこい。しつこすぎる。


 いい加減私の限界が来て文句言ってやろうと思っていたら、突然柳先生の携帯が鳴っり響きました。目にも止まらぬ速さでケータイを手に取る先生。


 ピッ 「……柳だが。見つかったのか。よし、こっちに連れて来い」


 ……いつもと声のトーンが違いすぎて怖さで何も言えなくなりました。



 数分後、丈夫そうな縄で縛られ、職員の皆さんに取り押さえられて足掻く琉依が連れて来られた。肩で息をするほど走ってたんだ……私を置いて。


 恨めしい目で琉依を見ている私をよそに、琉依は柳先生を睨みつけて怒鳴っている。


 「だから、俺たちは付き合ってなんかいないんだっつてんだろ!! さっさと解けこの縄!!」


 「……正直に言わないとずっとそのままだよ?」

 

 「正直に言ってんだろーがー!!」


 「君は信用できないな……壬紀。本当のこと、言って?」


 「いや……ほんとに付き合っていないんですけど」


 「……壬紀」


 その目は何ですか!? いやいや、これほんと!本当ですから!! …っていうか、結局信用なしですか!! そう思ったら何かキレました。


 「どうして信じてくれないんですかっ!! さっきから何度も言ってるじゃないですかっ!! 私と琉依は付き合っていません!! 本当に、ただの幼馴染です!! 何でそこまで疑うんですかっ!!」


 ありったけの声で言ったので息が切れます。……どうしてか琉依の瞳が潤んでいたのだけれど、私は見ていなかったので、いいとしましょう。


 柳先生(と、その他大勢)は驚愕の眼差しで私を見ている。そして、ゆっくりと……声を揃えて言いました。


 「「「だって入ってきたばっかなのに二人で仲良く(手を繋いで)行っちゃうし、お互いに呼び捨てだし」」」


 自分を第三者に置き換えてみる……うん。これは言い訳できな……って違う!!


 「ちち違います!! 全然付き合ってるとか、そういうのじゃないんです!! ただ琉依とは一緒に住んでいるだけって……あ」


 唖然とした顔になる一同。目は見開かれたまま柳先生はいつもより1オクターブ低い、どこか黒を含んだ声で言いました。

 

 「……どういうことか、説明してくれるよね?勿論」

 

 ……どうやら、もっとマズいフラグを踏んでしまったようです。


 


 その後、結局信じて貰えずに百夜のところに行って誤解を解いてもらいました。


 初日にしては……いささかハード過ぎます。私は何故かボロボロになった琉依に散々愚痴を言われながら帰路に着いたのでした。


 私と琉依は反省文をどっさりと書くはめに……。


 ちょっと私情も混ざってる気がしないでもない反省文は、私の倍琉依の方が枚数が多くて琉依に泣き付かれて私も手伝ったのでした。

 



 ……明日、自分が本当に精神科に呼ばれた訳など、まだ知る由もなく。



 こうして長かった一日が過ぎてゆくのでした。



 




 7話目でございます。


 『本当に長かったな…あれ?!初日じゃん!!』


 なんて作者もビックリしているところです。



 さて、ようやく次から本格始動します。


 とうとう準主役の登場…となる筈です。


 長い投稿となりますが、気長にお付き合いくださいませ。



 ※

 (柳先生を除く)スタッフの皆さんが彼女の顔を見て、『何でお前ばっかり…!!』と言って琉依を後でシメていたのは、また別の話。


 3.1 修正致しました。



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