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Melancholy  作者: 美桜
第一章(一日目)
4/11

言っている意味が…分かりません。≪続

 さぁ、遂にやってきました。


 今回こそは…!!




 ≪前回のあらすじ



 『何言ってるんだ!! うちの方がここよりもこの子を必要としている!!』


 『はぁ!? そんな訳ねぇだろが! どんな必要性だよ』


 『(目の保養と、俺の)心のセラピーだよ』


 『お前、冗談もいい加減にしろよ!! 今、何つったよ!? 結局自分の為じゃねーか!!』


 『……さっきからお前お前と煩い……年上で、目上の人間に対する口の聞き方を習わなかったのか? お前は』



 * * * * *


 

 「うっわ。超うぜー!! こんな奴ほっといて仕事しよ、壬紀ちゃん!」


 「え、あのッ!」グイと腕を引かれる。


 「駄目だぞ、壬紀。こんな馬鹿と一緒にいたら、お前まで馬鹿になっちゃうからな。行こう!」


 「ひゃう!!」今度は反対から。


 「ほら! 嫌がってるだろーが!! それに、馬鹿って言う奴が馬鹿なんだんだもんねー」


 「(蔑みの目)……お前も言っただろうが、馬鹿め」


 「んだと!?」


 二人が両側から引っ張り合う形になっていて、逃げるに逃げられない……!! ちょっ、痛い! 痛いよ!! 腕を離してー!!


 「(スゥっと息を吸い込む音)いい加減にしなさいっ!!」


 物凄い雷が落ちました……どこかで聞いたことのある声。


 「「~!!!」」


 柳先生と、西宮先生に振り下ろされる青ファイルと云うなの、凶器。柳先生が西宮先生に使っていたときも十分痛そうだったけど、今回は青ファイルの残像しか見えなかった……夏依先生、凄すぎます!!


 「何するんすか! 師長!!」


 「そうだよ! 痛いじゃないか!!」


 「……あんたらはねぇっ!!」


 ……あ、また雷が落ちそうです。

 



 頭に大きなたんこぶを作った二人は仲良く床に正座をさせられていました。


 「あんたらは、二人してギャーギャーと煩いわね!! 少しは、壬紀の気持ちも考えなさいよ!!」


 その言葉に、二人は顔を見合わせバツの悪い顔をしてこちらに向き直り、「「ごめんっ!! 壬紀(!!)」ちゃん!!」と床に頭を付けて謝る二人。


 …やれやれですよ。


  その後、話し合いの末にお昼はこっち(小児科)へ戻ってもいいということになり、夏依さんが子供達とのランチタイムを設けてくれる。と、いうことになった。……何故か、男二人が「「一緒に食べる!!」」と言っていたので、お弁当は作れるのかを聞くと、目を逸らしている。仕方がないので、私が二人の文も作ってきてあげることにした。二人とも物凄く喜んでくれたので、期待に添えるよう努力しなくっちゃ!!


 


 「元気でやってきなさいよー!!」と言って手を振ってくれている夏依さんと、まだまだ納得のいかない顔の西宮先生を後にして、ロッカールームへと足を進める。この病院は一人の患者に不自由があってはならないということで、看護師や医師の数が従来の病院に比べ物凄い数である。なので、医師や、看護師の更衣室ロッカールームが2~5階の職員は3階の更衣室を(1階は外来の人のふれあいの場。職員がいるのは、2階から。)、6~8階の職員は7階の更衣室を使うようになっている。


 柳先生の部下の方たちが持って行ってくれたようで、もう殆ど私の荷物は残っていなかったけど、ロッカーには着替えの服がある。流石に女子更衣室には入れなかったみたいで、私の荷物は朝来た時と同じようにそこにあった。それを持って柳先生が待つエレベーターへと急いだ。




 「……どうして私なんですか?」移動中のエレベーターの中で思っていた当然のことを口にする。


 「う~ん。僕が君を近くに置いてきたかったっていうのもあるんだけどね、そんなことよりも」いやいやいや、そんなことじゃないです。何言ってるんですか、この人!!


 私の汚いものを見るような目線を避けるように立ち位置をずらし、切った言葉の先を続ける。


 「……ただ単純に、見てみたかっただけかもしれないな」え、私を……ですか? そう問うと、柳先生は首を横に振り、自嘲気味に「男に媚びない子って言うやつをね」と呟いた。


 でも、そこでまたいつもの顔に戻り話し出した先生……何故か、何故かそれだけで私は柳先生のことを少し知った気がした。


 エレベーターから降りて、ようやく8階の精神科のナースステーションへとたどり着いた。緊張して慎重に扉を開くと、


 パンパンパンッ!! (クラッカーの音)


 「「ようこそ、精神科病棟へ!!」」


 鳴り響くクラッカーの音と降り注ぐ紙吹雪。驚きに前を見れば、さっきの私の荷物を運んでくれた人達がにこやかに笑っている。


 「さぁさぁ、こっちへおいで~」


 「オレンジと、アップルどっちが好き?」


 「やっば、超可愛いなぁ。食べちゃいたいくらいだよ。ねぇ、何歳?」


 「さっき見た時よりも、やっぱ生の方がいいよなー。彼氏いるの?」


 手を引かれあれよこれよという内に、いつの間にか先生たちの真ん中に座らされ、質問攻めにせれていた。


 「お前らなぁ……」柳先生が怒ってるんだか、呆れてるんだか分からない表情で「……はー」とため息をつく。それに対して、皆さんは


 「「「荷物運ばせておいて……自分はエスコートしてきたじゃないですか!!」」」と、怒りモードだ。


 「……あの、ごめんなさい。私の荷物……重かったでしょう?」そう言って視線を床に落とすと、


 「「「っっつ!!!」」」何故か皆鼻を押さえて伏せってしまった。


 歓迎してくれてるってことだよね……?と、とにかく、いい人達みたいでよかった。


 全員を見渡す。結構皆若いんだな……あっ!!


 視線の先には一人の青年。


 彼も目が合うと、気まずそうに目を逸らす。



 ……どうして、どうしてここにいるのよ!!




 はい、やっと移動完了致しました。


 長かったですね…



 新しい職場で、謎の青年との出会い…それも、主人公の知り合い?



 次の投稿をお待ちくださいませ。


 3.1 修正致しました。



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