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Melancholy  作者: 美桜
第一章(一日目)
3/11

言っている意味が…分かりません。

 すいません、次こそは病棟を移動すると思います。

 少し長くなるやもしれませんが、楽しんでいただけたら光栄です。






 あぁ、何かもうどうでも良くなってきました。



 もう好きにしてください……。


 

 諦めの微笑みを浮かべる私の目線の先には、さっきから言い合いをしている二人の姿が。


 「だから! 何でテメーはその凶器(青ファイル)を人に向けてんだ! 危ねーだろが(俺の命が)!!」

 

 「お前こそ何だその口の聞き方は。……というか、壬紀に触れたことだけでも万死に値するというのに、抱き締める……だと?! ふざけるな、今すぐ飛ばしてやる(天界とか冥界の方に)。さぁ、そこに直れ。」


 「いや、そんな顔に黒い影浮かべたまま青ファイル持ってる人んとこ行きたくないし。ってか、別の意味で逝っちゃいそうだから! 助けて!壬紀ちゃん!」


 西宮先生がサッと私の後ろに隠れる。……何気にさっき会話の中で柳先生から呼び捨てにされたような……まぁ、いっか。別に減るもんじゃないし。細かいことは気にしないのです!!

 それよりも問題はこの人。私の背に隠れる西宮先生だ。


 さっきまでの後ろハグはどう責任とってもらおうかな。先生に言ったら、「じゃあお嫁さんにしてあげる」なんて言われそうでやだなぁ。っていうか、前言われたなぁ。「絶対に嫌です」って言ったら泣いてたけど。


 先生みたいにカッコいい人だったら、選び放題だと思うんだけどな……性格はスルーしなきゃだけど。


 話ずれちゃったけど、そうだな。お昼でも奢ってもらおうかな。最近美味しいって評判のイタリアンのお店が出来たらしいから。

「西宮先生。さっきの後ろハグの件なのですが……」少しは反省してるのかな? と思い厳しい表情を作る。


 そう切り出した瞬間。西宮先生に制裁を加えている柳先生も、頭を押さえながら言い訳を繰り返す西宮先生も動きがピタッと止まり黙ってこちらを見る。よしよし、反省してるみたい。


 「さっきの件……最近この辺に出来たイタリアンで勘弁してあげます」さっきまでの厳しい顔を崩して少し笑顔を作る。


 すると柳先生は不満の表情を、西宮先生は喜びの表情を浮かべた。


 「(なんて可愛いんだ!!)そ、そんだけでいいの?……それは、許してくれるってことで、いい……のかな?」嬉しそうに顔を綻ばせる西宮先生が、「……君から許しがでなかったら、僕は僕の全てを君に捧げるつもりだったよ。」と言っているのを聞いて、自分の選択が今後の運命を握っていたことを知り、素晴らしい選択をしたと心の中で歓喜に浸りガッツポーズをしていた。


 「今回だけですよ……?」こんなことが何度もあっては堪らない。私の心臓ももたないだろうけど、何より西宮先生とキスまで体験してしまいそうだ。(キスは本当に好きな人としたいし。)西宮先生は恋人がいるだろうから私とこんなことしていると知られたとしたら怒られてしまうだろう。いや、祟られそうだ……。こうなったら、今まで以上にセクハラブロックを強化しないと!!


 と、決意を固く誓う私とにこやかなムードの西宮先生。このままいけば丸く収まったはずだったのに、不満顔のこの人が言葉を紡ぐ。


 「甘すぎるよ壬紀!! (俺だってまだまともに触れてさえいないのに!)しかも一緒にイタリアンなんて……!!」悔しそうに呟く柳先生の顔がハッと気付いたように変化して嬉しそうに微笑む。その笑顔は他の人にとっては極上スマイルだったんだろうけど、段々と柳先生の裏を知りつつある私にとってのそれは、背筋がゾクッとするような不気味な笑みだった。


 「ねぇ、壬紀……好きなのはイタリアンだけかい? 「おい、ちょっ……」壬紀は精神科に移動してくるんだから歓迎パーティーを開かなきゃね。今日は皆都合が合うかわかんないから、僕と壬紀だけで話し合おっか……今後のことについて。」


 ……先生の言った「今後」というのが「○○の今後」と前に何か付きそうな感じがして何だか凄く気になったけど、私の中の第六感が最大級の警報を鳴らしていたので、あえて聞かないことにした。っていうか、あの西宮先生でも止められない柳先生って一体……。


 私がそんなことを考えているうちに、柳先生が「じゃあ、とりあえず病棟移ろっか★」なんて年甲斐もなく……まぁ、美形だから似合うんだけど、語尾に星が付きそうな爽やかな笑顔に合わない強引さで私の手を引いていく。


 ドナドナされていくことは決定だなとは思っていたけけど、まさか本当になってしまうとは……。「え、え?」柳先生に手をしっかりと握られ逃げられない私のもう一方の手を西宮先生が掴む。


 「ちょっと待てよ!! 話は終わってねぇよ!! この子じゃなくても別の子を捜しゃいいだろうが!! この子はここに必要なんだよ!! その手を離せ!!」


 「何言ってるんだ!! うちの方がここよりもこの子を必要としている!!」


 「はぁ!? そんな訳ねぇだろが! どんな必要性だよ」


 「(目の保養と、俺の)心のセラピーだよ」


 「お前、冗談もいい加減にしろよ!! 今、何つったよ!? 結局自分の為じゃねーか!!」


 「……さっきからお前お前と煩い……年上で、目上の人間に対する口の聞き方を習わなかったのか? お前は」




 …どうやら、剣呑な雰囲気になって参りました。




 ≪続く







 はい、こんばんは。


 もう眠すぎて、作者の雰囲気が剣呑かもしれません;;


 ですが、続きはまだまだある…そんな時、耳元に悪魔が現れて「休め休め」と囁いているのであります!!


 どうやってこの誘惑を断ち切れと言うのでしょう?


 作者には出来ません!!


 と、言うわけでまた明日。


 おやすみなさい。



 ★☆彡★


 本ッ当にすいません。


 続の方で必ず移動させますので…!!


 3.1 修正致しました。




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