いきなりの、移動…ですか?
「はじめまして。」の言葉を言うべき人も、
「また来てくれてありがとう。」の言葉の人もいるかもしれません。
第二作目です。
マニアっく…というわけではなく、一般の方も何気なく見ていただける…と思いますので、肩の力を抜いてお楽しみくださいませ。
“何も変わらぬ朝だった。”
彼女は語る。
後の後悔を胸に秘めて。
「おはようございます」
と、いつものように5西の小児科病棟のナースステーションの扉を開く。
しかし、いつもなら返ってくるであろう元気な返事は今日はない。
虚ろな目をした男性職員の顔を見て、思わず「あっ」と声を上げる。
「に、西宮先生!?」がっしりとした体型に似合わない素敵な笑顔、
そこそこの美形で、女性職員からも小児からもお母さんたちからも評判もあるにも関わらず、
私に対するセクハラ発言やセクハラやセクハラやセクハラなどで最近病院で有名になりつつある残念な先生は昨日までの元気な西宮先生に何が……というほど別人の様であった。
私を視界に捉えた西宮先生(?)は、未だ曇った目、ふらつく足取りで私の前まで来ると、急に私の肩に両手を置いて「移動なんて嘘だよなぁっ!!?」と物凄い形相で尋ねた。
余りにも先生の顔が怖かったのもあるが、実際に自分の耳には入っていない情報だったので必死に首を縦に振る。
その瞬間、先生の顔が満開の笑顔(いつも×100倍だと思ってください。)となり、「よかった……」という呟きに合わせて私は先生の腕の中に……入るわけがなかった。
凄まじい音と共に、床に叩きつけられる西宮先生。
振り返って見ればそこには、いつものように呆れ顔で微笑む夏依……師長と、
見たことはないが、きっと師長クラスの人なんだなぁ。と思うような雰囲気を纏う30前後の人が額に青筋を浮かべ、通称:青ファイルと呼ばれる物を掲げていた。
その人はこちらに気が付くと、青ファイルをスッと元の位置に戻し、「怪我はない?」と微笑み、手を差し伸べてくる。
その笑顔は、さっきの青筋を浮かべている人と同一人物なのかを疑ってしまうほど爽やかで、整った顔立ちをしていた。
その笑顔にどう対応していいか、そもそもこの人は一体誰なのかに頭を悩ませていると、
夏依が助け舟を出してくれる。
「ほらっ!! 壬紀が困ってるでしょ!! 挨拶が先よ!!」
夏依に諭されて、「分かったよ」と言いながらこちらに視線を戻し、「僕は、柳 諒って言うんだ。7東の精神科病棟の師長をやってます。これからよろしくね、桜庭 壬紀さん」
言葉に添えられたにこやかな笑みに見惚れそうになりながら、何か重要なことをすっ飛ばされたことに気付き、もう一度言葉を反芻する。
「え、と……これからよろしくっていうのは……?」
「うん。君が精神科病棟に来るということだよ。だから、よろしくね?壬紀ちゃん」
う、嘘でしょ…?
登場人物
主人公:桜庭 壬紀[sakuraba miki]
・天然…というより鈍感
・ややチョコレートブラウンの髪色に栗毛色の瞳を持つ美少女
・20歳
・♀
小児科医師:西宮 陸[nishinomiya riku]
・ちょっと凄く残念な壬紀と同じ小児科病棟で勤務していた医師
・こんがりと焼けた肌に脱色して銀髪にしている
・壬紀に一目惚れ
・子供、病院関係者と親にも大人気
・イケメン
・26歳
・♂
小児科師長:桃木 夏依[momogi kayo]
・壬紀の良き理解者であり、控えめで気立てのよい壬紀のことを好ましく思っている。
・壬紀が看護師を目指すきっかけとなった人
・既婚者
・美女
・35歳
・♀
精神科師長:柳 諒[yanagi ryou]
・とてつもないイケメン。だが本性は…
・ナチュラルスイングショートで茶髪
・女受けがとてつもなくいいが、本人は壬紀意外興味なし
・病院長の孫
・師長としてはかなり若いが有能
・壬紀を無理やり精神科へ連れてってしまう
・27歳
・♂
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基本、髪の毛の色とか気にしません。
自由主義ですww
見てくれてありがとうございました。
なるべく早めに更新をば…!
3.1 修正致しました。




