15 質問をする
15 質問をする
マリアベルに対し、母親の質問が始まった。
「どこのご出身?」
答えに窮していると、母親が頷いた。
「ローラシアね。しかも首都住みなんて高得点よ。で、首都のどの辺?」
マリアベルが口をパクパクしていると、また母親が喋り出す。
「真ん中……それって、お城に住んでいたってことかしら。高得点よ」
テンションが上がる母親。そして戸惑うマリアベル。見かねた父親が話に割って入る。
「そんなことより、エルクが彼女を盗賊って言ってたほうが気になるんだが」
そう言って父親も質問側に回ってしまう。あまり客が来ない家の弊害だ。ちなみにおばさんは客の感情には入っていない。入っていないのだ。
エルクは帰りの出来事を話した。
両親はそれを聞いて呆れていた。
「エルクもお年頃なのね」
「いや、だからって盗賊はなあ」
「でも首都のお城出身なのよ」
「今盗賊ってほうが気になる」
「きっとものすごい過去があるのよ」
母親はマリアベルのほうを向いて、彼女が話すのを待った。先程の先読みは使わないみたいだ。
観念した表情を見せて、マリアベルは話し出した。
「私はローラシア国王の三女、マリアベル・ローラシア。私のスキルは人の物を盗む盗賊のスキル。なので私は城を追い出されました」
マリアベルの顔には哀しみが見てとれた。望んでいないスキルを与えられた者にしかわからないだろう悲哀だ。
「わかる、わかるよ。あいつらスキルのことイジってくんだよな。役に立たないとか言ってさ。追い出されたのはかわいそうだけど、盗賊はよくないぞ」
エルクはマリアベルに向けて言った。
彼女は驚いた表情で、エルクを見る。
「なんでそんなこと言うの? 私は盗賊としてしか生きられないんだよ」
「それは違う。俺は馬に角を生やすスキルを戦いに使うし、ユニコーンにして金を稼ぐことにも使う。誰かに決められたわけじゃない。俺が決めたことだ」
「じゃあ私が盗賊だったことは無駄だったの?」
「無駄じゃないだろ。俺たちと会ったし」
マリアベルは惚けたようにエルクを見る。
「あらあら」
母親が二人を見てニヤニヤしだした。
「そこは俺と会ったからだろ」
父親はエルクの弱腰を非難した。この二人は息子がマリアベルを口説いてくれないかと思っているのだ。
「俺は別にマ、こいつを口説こうとしているわけじゃ……」
「ちょっと、じゃあどういうつもりで連れてきたのよ」
答えに窮したエルク。絞り出した言葉がこれだ。
「ノリで」
当然怒られた。
「ノリ? 私、盗賊団捨てて、あんたの家まで来たのよ。責任取りなさいよ、責任」
エルクは頭を抱えた。




