表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニコーンを作るスキル  作者: 古山 経常


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/11

10 解決する

10 解決する



 馬を連れて帰ったら、父親に盗んだと疑われた。エルクが必死に経緯を説明していると、母親が「エルクが言うならそうなのよ」と父親を説得してくれた。母親はボケ(天然)だが頼りになる。


「今、長老と馬商人が話してる」


「そうか。覚悟しておかねばならないな」


「覚悟?」


「騒動の中心にいたんだ。何かしらのお咎めはあるかもしれん」


「でも悪いのはジョンだ」


「でもエルクがそのスキルでなければ起こらなかったことだ」


 エルクは納得しなかった。


「そんなこと、俺にどうしろって言うんだ」


「馬商人から馬をもらったのが、関係ないじゃ済まないんだ。わかるだろ? エルク」


 確かに老馬をもらったのはまずかったかもしれない。でもエルクは悪いことはしていない。エルクは悪いことをしていない。大事なことなので、二度思う。


「エルクは悪くないわ。何か言ってきたら、家族一丸で戦いましょう」


 母親がのんきに言った。それでもエルクにとってはありがたかった。どうやら一気に周りが敵になる様子を見て、ショックを受けていたらしい。一人でも味方がいるのがありがたかった。


 結局父親も折れて、エルクたちは明日から馬小屋の準備を始めることになった。


 晩御飯を食べているとおばさんが現れ、エルクのシチューを横取りして食べ始めた。一切の躊躇も、遠慮もない動作だったので、エルクは唖然として、されるがままだった。


「エルクの処遇が決まった」


 おばさんの第一声にエルクは「それよりもシチュー」と言う機会を失った。


「エルクはどうなるんですか?」


「まぁ待て。まずは馬商人のことからだ。ジョンが騙していたこともあって、馬商人の罪は不問となった。馬商人が詫び金と言っていたが、ジョンの家の資産全部を売った資金を渡すことにした」


 村全体で詫び金を出すよりもマシな判断だと思った。


「それからマリア。こっちの方が問題だな。村の男のほとんどと肉体関係を持っていたせいで、火あぶりだの八つ裂きだのと過激な意見が出た。だが、長老は温情を示された。マリアはこの村から追放だ」


 母親が安堵した。


「もう警戒しなくて済むのね。エルクのこともあなたのことも」


 あのスキルを知っていれば、警戒するのは当然だ。だが、それを知っても、なお関係を持った村の男たちって……。


「バカばっかりよね」


 まるで答えるかのように母親は言った。


 驚きで固まっているエルクに構わず父親が聞く。


「それでエルクは……どうなるんだ?」


「お咎めなしさ」


「ないの?」


 また驚いた。


「だが提案はあった。馬をいきなりもらっても世話ができないだろうから、馬商人のところで働いてみないかという提案だな。断ってもいいが」


 ここで断ったら老馬の死期が早まる。選択の余地はなかった。


「オルクのためにやらしてくれ。……ください」


 おばさんに睨まれ、言い方を変えた。


「オルク……」


「馬の名前だ。俺が考えた」


「私の名前はウルクよ」


 なぜか母親が張り合ってくる。今、子供が重要な決断をしたというのに。


「エルク、しっかりやりな。馬商人には私から言っておく。明日会うといい」


 おばさんはエルクにそう言うと、エルクのシチューを食べ切った。そしておばさんはシチューが入っていた器を掲げてさらに言った。


「おかわり!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ