表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

6.余談


…という訳で、鷲見ってオタク男子が犯人だったのさ」


 美鈴は口をあんぐり開けたまま聞いていたが、我に返り、

「警察に言わないってどゆこと?」と伯父に詰め寄った。


「もちろんパクらせてもいい。警視庁にも、東京地検にも知り合いがいる。有罪にもなるだろう。彼は社会的に制裁を受ける。当然、会社はクビだな。

 だが、あのへなちょこキャラだと執行猶予付きじゃないかと思うんだ。つまり、すぐシャバに出てくる。

 何もかも失ってね…

 それより俺が弱みを握ったまま子分として使わせてもらう、ってはどうかなーと思うんだ。

 しっかり見張るからさ」


「お情け?」


「いや。リスクと利用価値を天秤にかけての提案さ。あのIT技術は使える。情報収集のセンスもある。どうかな?」


 綺道は本気だった。尾行と同じく、監視にもセンスとイマジネーションが必要とされる。鷲見という青年にはその才がある。


 美鈴は半眼になった。

「大人ってきたなーい」


「いや。ジジイでいいよ。それに、俺が汚いだけさ。前職で染み付いちまった」


「あたしは、あの人を絶対見たくないよ。見られたくもない!」


「ああ。首に縄を付けたし、キンタを身代わりに差し出したから大丈夫」と綺道は笑った。


 二人は、黙ってケーキを食べ、コーヒーを飲んだ。


 美鈴は一息つくと、髪をかきあげ微笑んだ。


「いいよ。伯父さんが鷲見君にしっかり反省させてくれるなら…二度とあたしに関わらないなら…」


「約束する」綺道は即答した。


「それにね?あれが最後なら、あの写真は悪くなかった」


「俺もそう思うよ。なかなか素敵だった」


 綺道はさり気なく感想を述べた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ