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八十話 因波千淵透/インパチェンス

閲覧感謝です!

貴重なお時間にお邪魔します……

「まだまだぁ!!」


アシュラの豪快なラリアットを喰らってもまだまだ平気な様子で立ち続ける一人の女。


「もう、なんなんのよコイツ……」


アシュラと共に立ち向かうエンジェルの攻撃も全く歯が立たない。


人とは思えない程の屈強な肉体。

それはまるで熊?いや、怪獣といっても過言ではないかもしれない。

それだけではない。女はとにかく大きかった。パッと見る感じ2メートルは軽くありそうな巨体を軽々と使いこなしデカさの割には機敏に動く。


「エンジェル。手伝いに来てくれたのは有難いけど、それならもっと活躍してくれない?言っちゃうと全然役にたってない」

「ひっど!助けに来た人にそれはないんじゃない!?これでも私だって精一杯頑張ってるんだよ。それに役にたってないのはアシュラも一緒でしょ。あの女に歯がたってないんだからさ!」


「じゃあ役立たずは2人ともって事ね」

「そういうこと!」


「そんなテンションで言わないでよ…調子が狂う。こっちは連戦。あっちは初戦。どう考えても勝負は見えてる」

「じゃあいっそのこと逃げる?」


「正直、それもありかもね……」

「マジ?」


「普通ならその方が賢い選択だって事。だけど私達は賢くも普通でもない。そうじゃなきゃこんな必死に戦ってないでしょ?」

「だね。普通がイヤだから私達ヤンキーやってんだもん!やるなって言ったらやって、負けるっていったら勝つのが私達だもん!逆張り最高!!」


「そんなに元気ならまだやれるわよね?」

「できなーい!!」


エンジェルは笑顔で手を上げて返事をする


「なら2人揃って盛大に負けに行くわよ!!」

「よーし!負けに行くぞー!!」


息を合わせて2人は女の前へ飛び出す。

だが!


「さっきからごちゃごちゃやかましい。やる気がないのかあるのかハッキリさせたらどうだ!」

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陽子は余裕の笑みを浮かべながらアシュラ達の頭を同時に掴み攻撃を止める。

掌全体で2人の顔面を指先で握力を使って締め上げダメージを与えるブレーンクローが2人を大きく痛めつける。

2人は陽子の手を外そうと抵抗を試みるがびくともしない。


「おらぁ!」


そのまま2人を軽く持ち上げると地面に叩き落とす。


「ヤバっ……」

「これ流れとか通じない相手なんじゃ……」


2人は痛みと衝撃で動けずにいると、陽子がその巨体を使って勢いよく倒れてくる。


「ちょっ!?」

「コレ喰らったらダメなやつじゃん!」


2人はなんとかそれを回避する。逆に陽子自身が地面に叩きつけられる事となった。


「あれだけの巨体。あんなに勢いよく落ちたんだから、流石にダメージあるでしょ」

「うん。こうなったらああやって誤爆させて体力奪って、最後にいいとこ取りした方が効率いいんじゃない?」


「あんまそんなやり方は好きじゃないんだけど……」

「そんなこと言ってる場合じゃないじゃん!あの女にとっては戯れてるだけでもこっちにとってはいつのどの攻撃命取りになるか分かったもんじゃないんだから!」


「言われなくたって分かってるわよ!」

「だったら!」


「うん。今回はエンジェルの言う通り。私も同意するわよ。悔しいけど、それしか思いつかない」

「決まりだね!」


「ただし、ちゃんとダメージが入ってたらね……」

「……」


陽子は自身の巨体をゆっくりと起き上がらせ立ち上がると、笑顔でアシュラ達を睨みつける。


「……どうやら全く効いてないみたいよ。さぁ、どうする?作戦始まる前に破綻しちゃったけど」

「そんなの私に言わないでよ!こんなの無理じゃん!どうやって倒すのよ!!?やる気出すだけ無駄だったって事じゃん!」


「結局、いつも通り捨て身でやるしかないってことなんじゃない?」

「えーーー。私そういうのは好きじゃないんだけど〜」


「つべこべ言ってないでやるわよ!!」

「もうーーー!!どうとでもなれーー!」


アシュラ達は捨て身覚悟で突っ込んでいく。


「小賢しいわ!!」


陽子は両手を使った強烈なラリアットで同時に2人を吹き飛ばす。アシュラ達は衝撃で綺麗に一回転して地面に叩きつけられる。


「そんなものか!?かつて業界を震撼させた桐生遥の仲間の強さはこんなものなのか!!所詮はただのヤンキー。素人が私達に勝てる訳がない。そういうことだ!!」


「言われてるわよエンジェル……」

「煽られてるわよアシュラ……」


「ッ。もう……そんなこと言われたら立つしかないじゃん」

「じゃあ私も立とうっかな…。言われっぱなしも舐めれっぱなしもなんか癪だし」


2人は互いに助け合いながら立ち上がる。


「このくらいで終わってもらっちゃ私が困る。素人を痛ぶるプロにだけはなりたくないんでね!」


「それならちょっとはこっちの攻撃も痛がりなさいよ!」

「そうだそうだ!」


「痛くないんだからしょうがないだろ」


「なにそれ。それでもプロかって話よ。こっちはあんなにアンタの攻撃を痛がってあげたのに」

「そうだそうだ!!こっちは演技なんだぞ!」


「そういうこと。こんな事も分からないようじゃ素人の私達に負けたっておかしくないわね。エンジェルもそう思うでしょ?」

「そうだそうだ!!」

「それしか言わないわねアンタ…」


「あんまり強がり言うなよ、このトーシロが!!」


「強がり言うのがプロでしょうが!!この巨体だけのミーハーが!!」


「ミーハーだと……」


「こっちにはね常識外れのプロレスラーに憧れた痛いファンしかいないのよ!よっぽど私達の方がアンタより上手くやれるわよ!!」

「やれるぞー!!」


2人して陽子を煽っていく。


「黙れ!!私はプロだぁ!!お前らと一緒にするなぁ!!」


「悔しかったらやってみなさいよ!そうやってプロとして一方的に素人を叩きのめして楽しんでればいいわ」

「自分よがりはみっともないぞーー。そんなんじゃ彼氏も出来ないぞ〜〜」


「アンタにだけは言われたくないと思うけど…」

「なんで!?私彼氏いるもん!!」

「はいはい、わかったわかった」


「……テメェら。後悔すんなよ」


「するわけないでしょ。アンタなんかに」


「私に本気出させたことを後悔しやがれ!!」


「出すなら出すでさっさとしなさいよ!」

「そうそう。勿体ぶってるだけで時間の無駄だもん」


「…………」


恐ろしい顔つきでアシュラ達を睨みつける陽子。今にでも襲いかかって来そうだ。


「「だからさっさっとかかってきやがれ!!代わりに私たちが後悔させてあげるわよ!!」」

アシュラ達2人して中指を立て煽り立てる。

ここまで閲覧頂き誠にありがとうございます。


よろしければブックマーク、評価を頂けると、とても励みになります!



次回もお付き合い頂ければ嬉しい限りです。

勝手に祈ってお待ちしております。

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