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六十四話 丸薔之帆呂紫/マルバノホロシ

閲覧感謝です!

貴重なお時間にお邪魔します……

前回までの愛怒龍は……。


遥達を誘い出す為に囚われたレッカを救う為、バルキュリア王国の中心部、城に乗り込んだ遥達。


城へ到達後、呆気なくレッカを救う事には成功したのだが、遥達は事の根源でもあるバルキュリア国王に一言言うために城への侵略を続行する。


城の内部では、3人の騎士団団長が彼女達の行手を塞いだが、ハレジョ最強、威薔薇ノ棘の四天王達がプライドでなんとかそれを乗り越えていく。


そして目的通り、王がいると思われるフロアまで到達。


だが、そこで遥達が目撃したのは玉座に座ったまま帰らぬ人となった王の姿だった。


その事実に騒然とする遥達。


その様子をそれも偶然、城の兵士達に見られた事で遥達は王殺しの大罪人、そしてこの国の侵略者としての汚名を被り追われることとなる。


さらに、日本で死んだ筈の遥の幼馴染。葵らしき人物がこの世界にいる事も発覚。


何故彼女はこの世界にいるのか?そして彼女の目的とは一体なんなのか……。謎は全てベールに隠れたままだ。


それだけではない。


遥達に迫る正体不明12人の女の影もすぐそこまで来ているのだから。


これからどうなる愛怒龍!?



ハレルヤ女学園 園芸部 部室


部室内には威薔薇ノ棘の面々とヤヨイとレッカが過ごしている。

各々の時間を過ごしている彼女達。だが、遥とエプロンにできた僅かな溝だけはまだ埋まっていないようで。


「ねぇねぇ、アシュラ」

「何よ?」


エンジェルは小声で話しかける。


「部長とエプロンさんって何かあったの?2人ともなんか変じゃない?」

「ああ、あれ」


「何その態度。アシュラは気にならないわけ?」

「気になるわよ。めちゃくちゃ気になる」


「でしょ?」

「だけど、だからと言って聞くわけにもいかないでしょう。流石にあれは踏み込めないって……」


「あれはね……無理か」

「無理よ。無茶言わないで」


「でも2人ともどうしちゃったんだろうね?」

「どうしちゃったんでしょうね…。厄介なことにならなければいいんだけど。って、私達疑問ばっかりね」


「そうだね〜。なんでだろう?」

「なんででしょうね〜?」


そんな会話をしていると、エンジェルがもうひとつ疑問を浮かべる。


「そんな事よりさ、さっきからずっと気になってたものがあるんだけどさ〜」

「そんな事って何よ…で、何が?」

「あれよ、アレ」


エンジェルがある物を指差す。


「あんなマネキンうちの部室にあったけ?」


部室の隅っこには見慣れないマネキンが一体立っていた。


「いや、私も初めて見た」

「だよね!なんなのあれ?」


「さあ?誰かが持ってきたんじゃない?」

「だとしても誰が持ってくるのよ。意味分からないでしょ」


「それもそうよね……じゃあなんなのかしら、アレ」

「うーーん……」


エンジェルは興味本位でマネキンに近づく。

あたり次第触ってみるがなんの怪しいところもない。


「やっぱり普通のマネキンか……」

「当たり前でしょ。なんだと思ったのよ」


「それはそうなんだけど〜、いやね、なんかいかにもな感じがして怪しいじゃん。動いたりしそうだなーって思って」

「ちょっとやめてよ。そういうの私弱いんだから。そういうのは理科室だけでやってればいいのよ」


「理科室ならいいんだ…」

「よくはないけどさ、ああいうのは人体模型だから怖いんじゃないの?マネキンが動いたってそんなに……いや、それはそれで怖いか……」


「怖いよ。ってか、意外とアシュラってホラー系が苦手だったんだ。私知らなかった。教えてくれてもよかったのに」


エンジェルはマネキンを触るのをやめて側を離れる。


「なんでわざわざ弱点を教えなきゃならないのよ」

「いいじゃん!友達でしょ?」

「それはそれよ。……って、あれ?」 


アシュラの顔に少し動揺の表情が見られ始める。


「何?…どうしたの?」

「いや、さっきマネキンが動いた気がして…」

「ウソ!?」


エンジェルは慌てて振り返る。が、そんな様子は見受けられない。


「本当に動いたの?」

「いや、そう言われるとちょっと……やっぱり気のせいかも。ごめん」


「なーんだ。つまらないなぁ。別にいいけどさ…」


再びエンジェルがマネキンに背を向ける。


「え!?……ほら、後ろ!!」


アシュラの顔が一瞬で青ざめる。


「いいよ。もうそういうのは。異世界だからってそれはないよ。それに、流石に2回目は引っかからないってば!」

「いや、マジで!!動いてるんだってば!!ほら!!」

「え?」


アシュラの慌てぶりに疑問を浮かべたエンジェルが再び振り返ろうとした瞬間だった。


後ろから動かない筈のマネキンがまるで意思を持った人間のように動き出し、エンジェルの背後から襲い込み、スリーパーホールドで首を締め付ける。


「!!……」


「エンジェル!!」

ここまで閲覧頂き誠にありがとうございます。


よろしければブックマーク、評価を頂けると、とても励みになります!



次回もお付き合い頂ければ嬉しい限りです。

勝手に祈ってお待ちしております。

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