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十八話 悲裵纚華夢/ヒペリカム

閲覧感謝です!

貴重なお時間にお邪魔します……

ハレルヤ女学園 一年教室


「嘘でしょ……部長!」 


「…………っ」


「部長………」


「…これって部長が死んだってこと?」


「バカっ!!一年のくせにそんな事言ってんじゃないわよ!縁起でもない……」


「すみません…。でも、あんな炎の餌食になってしまったら、もう!…」


「……ヤヨイ!アイツら、魔法使ってる奴のこと、知ってる事全部教えなさい!」

「アシュラさん、落ち着いてください!」


「これが落ち着いてられるわけないでしょうが!!いいから早く教えなさいっ!」

「えっと、あの特徴的な赤いローブ。恐らくホムラノ騎士団の魔法部隊だと思います」


「ホムラノ騎士団。ソイツらどんな奴らなわけ?!」


捲し立てるようにヤヨイに質問を続ける。


「…ホムラノ騎士団はダイチノ騎士団同様、この国を守る七騎士団の内の1つです。七騎士団の中でも唯一の女性だけで結成されている騎士団です。女性ですから当然、所持している魔力量も豊富で様々な魔法を活用している……」

「後は!それだけ?」


「ホムラノ騎士団は普段公の場に出る事は殆どないんですよ。だから、情報も噂程度なものばかり。このように他の騎士団に手を貸す事自体滅多にないあり得ない事なんですよ。だから私も少し混乱していて…」


「もういいわ。エンジェル、アイツ。乗りこみに行くわよ」

「……うん。ぱーっと派手にやっちゃおうよ」

「ふふっ。ハハハハハハッ!……楽しみ」


「ヤヨイや一年達はここで待ってなさい」


3人が教室を出て行こうとするとヤヨイが止める。


「ちょっと待ってください!!」

「待ってられるわけないでしょ!!」


ヤヨイを無視して出て行こうとする。


「でも!まだ終わったと決めつけるのは早いかもしれませんよ!!」


「……それ、どういうこと?」


再び足を止める3人。


「遥さんが死んだとは限らないって事ですよ。希望はまだ残ってるんですから!」


広場にて


燃え盛る炎を見つめるバイラス。


遥がいた辺り一面も火の海となりもう手の施しもない状態になっている。


「……お前が悪いんだ。お前が我らにたてつくから……」


「……部長!!」


少し離れた場所にいたサシミも起こっている事態を瞬時に理解する。


「カイゼルもやれば出来るじゃないか。流石は我らの副団長と言った所だな。……お前の代表は死んだ。そろそろお前も降参したらどうなんだ?そしたら命ぐらいは助けてやるかもなぁ」

「…ダまre」


「ん、何言ってんか分かんねぇな?はっきり言いやがれ」

「ダマれeeeeee!!」


サシミの口調が普段よりも早口になったことで上手く聞き取る事が出来ない。


早くなったのは口調だけではない。


体の些細な動きまで全てがさっきよりはるかに速くなっている。


「っ!……どうなってる!!」


さっきまでは何とかサシミの姿を追う事が出来ていたバイラスであったが今は全く追いかける事が出来ない。


「ならばっ!」


バイラスがそれならばと、自らも魔法を発動して移動しようとする。


が!、


「Waaaaaaaッ!!」


既にサシミはバイラスの懐に潜り込んでいる。


「…いつの間に!!」


サシミは怒りに身を任せてバイラスの剥き出しになっている局部をとんでもない速さで思いっきり蹴り上げる。


「ギャッ……ぐぅぅ……」


遂にダメージらしいダメージをバイラスに与えた。


だがそれだけでは終わらない。


局部を蹴られ隙が生まれた瞬間、バイラスのスネを蹴り叩く。


この地味ーに嫌な痛さが今のバイラスにとって想像以上のダメージとなった。


バイラスは思わず態勢を崩して膝を完全に地面につける。


「おオワりeeeeeeeッ!!!!」


バイラスの頭上に、サシミが放った脳天を狙ったかかと落としが直撃する。


「………………ッッ!」


この一撃がクリーンヒットとなり完全にバイラスは地面に沈み勝負は決した。


それでもサシミの攻撃は終わらない、止まらない。


「おわり、オワリ、終わり、……」


サシミは構わず、バイラスにかかとを落としを続ける。目にも追えない高速で放たれるかかと落としは、まるで杭を打ちつけるかのように行われどんどんとバイラスの頭が地面に減り込んでいく。


「…そこまでにしておきなさい、サシミ」


サシミの攻撃は止まらない。


「私の声が聞こえないの?、サシミ」


遂には完全にバイラスの頭は地面に埋まってしまう。


「やめなさいっ!!葉月!!」

「……!、部長?」


サシミは思わず遥の方を見る。


遥を焼き尽くしていた燃え盛る炎が徐々に内部から鎮火されていっているのが分かる。


そして、炎は完全に鎮火され無傷の遥が堂々と仁王立ちしている。


サシミはもちろん、近くにいたディーノでさえ何が起こったか分からないようで驚いている。


「ヤヨイのお陰ね…役にたったわよ、コレ!」


遥は自らがしていた赤いネックレスを引きちぎり手に持っている。


「どういう事だ……何が起こってる?」

「さぁね、私にも仕組みはさっぱり。でも私はこうして生きてる。それだけは間違いない。まだまだ、勝負は分からないって事よ」

ここまで閲覧頂き誠にありがとうございます。


よろしければブックマーク、評価を頂けると、とても励みになります!



次回もお付き合い頂ければ嬉しい限りです。

勝手に祈ってお待ちしております。

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