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ソテリアス  作者: ふぇいる
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拙い文ですがよろしくお願いします

【第1話】 入学式


もし、願いが叶うならあなたは何を望む?

もし、望みが叶えられるなら何を望む?

もし、夢が叶うならあなたは夢を叶える?

 

これは、【望み】を【願い】を叶える少女の物語
















朝の目覚ましが鳴る。

目覚ましと言っても目覚まし時計では無い。

野生の鳥の囀りだ。

窓の外でチュンチュンと鳴いてる。

まるで、朝になったよ早く起きてと言ってるように。

少女はベットから足を下ろす。その足にまだ少し寒い空気が触れる。

少女はあくびをした口を右手で抑えると、全身を地面に垂直に起き上がらせる。

やはり、体にはまだ寒い春風が吹き付ける。

部屋の開いた窓から顔を出して少女は目を開ける。

今日は中学校の入学式だ。

先日、小学校を卒業した少女はまだ少し幼さが残る顔を鏡に写す。

起きたての頭を左右に振って頭を覚ます。

頭が起きたところで、ボサボサの髪を櫛で流す。そして、綺麗に伸ばした黒色の髪をまっすぐに伸ばすと髪の後ろで一つにくくる。

いわゆる、ポニーテールというやつだろう。

次に少女は、鏡の隣に置いてあるクローゼットからまだ一度しか着ていない中学校の制服を出す。中学校の制服は男子は黒色の学ランだ。女子はグレーの上着に同じ色のスカートだ。スカートの長さは膝上辺りまである。

それらを着て少女は鏡で自分を見る。

鏡の前で一周してよしっと言うと部屋を出て階下に降りる。

階下に降りるとすでに机のの上には朝ご飯が用意されていた。

少女はコーヒーを飲みながら新聞を読む父親と台所で朝ご飯を作るのに使った調理器具を洗っていた母親におはようと挨拶をすると2人もそれにならったようにおはようと返す。

スクランブルエッグとベーコン、シーフードサラダにご飯、そして豆腐とワカメの味噌汁を食べ始める。

食べ終わり時計を見ると時計の針は7時半を指していた。そろそろ学校に行く時間だ。

部屋に戻り鞄を持つと玄関に少女は向かう。

玄関で母親に行ってきまーす!といい家を出る。

そして、通学路を歩いていると聞き慣れた二人の声が聞こえた。


「「さっちゃーん!おはよう!」」


と朝から元気な声を出して挨拶する親友に少女は、坂岬桜(さかみさきさくら)は二人におはようと挨拶を返す。二人の内の一人多岐川美彩(たきがわみさ)は嬉しそうに笑いながら桜に抱きつき、もう一人の裕須浜沙紀(ゆすはまさき)は抱きつく美彩を苦笑しながら見る。


「いやーもう私達も中学生だよ!」

「正確には入学式の後からじゃない?」


と美彩と沙紀はそんな雑談を交わす。

それに桜も


「いや、もう今日になった時点で中学生だよ!」


と返す。

いつもと同じ平和な光景。

それは少女達が過ごす最後の日常の始まりだった。


三人は学校に着くとクラス表を見て自分達のクラスを見る。


「美彩何組だった?」

「みーちゃん何組だった?」


と桜と沙紀は美彩に問う。

その質問に美彩は左手を腰に当て右手を突き出してピースをすると、


「三組!」


と言う。

それに沙紀と桜は喜び三人は手を繋いでその場で跳ねる。

穏やかな光景だ。

美彩はロングに伸ばした黒い髪を手でさすると沙紀の雪のように白い髪に触れる。


「ねぇねぇなんではーちゃん髪くくらないの?くくったら可愛く見えるよ!」

「んーなんでだろ。なんかショートなのに無理にくくらなくてもいいかなぁって」

「さっちゃんもそう思うよね?」

「確かにくくらなくても沙紀愛いけど、ちょっとごめんね」


桜は鞄のポケットから予備の髪ゴムを取り出すと沙紀の後ろに回る。そして、沙紀のショートの髪の先を二つに分けてその部分を髪ゴムでくくる。すると、沙紀の髪型はショートではなく左右の先がツインテールに似た髪型になった。


「うわ!めっちゃ可愛いよはーちゃん!」

「そ、そう?」

「だよね?!さっちゃん!」

「うん、こっちの方が沙紀は似合うかもね。明日からもこの髪型でいいんじゃない?その、髪ゴムあげるよ」

「あ、ありがとさっちゃん。二人ともありがとね!」


そんなこんなしながら三人は三組の教室に向かう。教室に行くと既に三分の二くらいの生徒は席に着いて雑談を交わしたり、新しい知り合いに自己紹介をしていた。黒板に張り出されいた、座席表を三人は見て自分達の席を確認する。


「やった!二人とも近いよ!」

「沙紀の隣か、運がいいね私達」

「本当に運いいよ! クラスも一緒だしね!」


美彩と桜、沙紀はそう言うと座席に向かう。座席は1番後ろの窓側の横二列に窓側から桜、沙紀そして、先の前の席に美彩だった。

席に着いて荷物を置くと早速というふうに美彩は1番人の多く集まっている所に駆け込んだ。


「相変わらずコミュ力が高いねみっちゃん」


とそれを見た沙紀は苦笑しながら美彩を見る。


「まぁそれが美彩のいい所だもんな」


それに桜は返事して教室内を見渡す。

見知った顔ぶれも入れば全く知らない顔もいるし、どっかで見たかも知れないという顔ぶれもある。これがこの1年過ごすクラスかと思いながら窓の外に目を移す。


窓の外には海が見える。

一分程だろうか海を見ていると教室の扉が開かれるとそこには黒のスーツを着た女性がいた。このクラスの担任になった人だろうか。

そう桜が思っているとその人は教卓の前に立つと着席と言った。立って喋っていた生徒はその声に気付き、自分達の席に着く。


そして、全員が席に着いたことを確認するとゴホンっと咳払いをして、口を開いた。


「私が一年三組の担当することになった榊美里(さかきみり)だ。宜しく。」


桜に似た男っぽい口調でそう挨拶すると座っていた生徒達もみな、「宜しくお願いします」と挨拶をした。それを聞いて満足したのか榊先生は出席をとり始める。


そして、


「坂岬桜さん」

「はい」


「多岐川美彩さん」

「はーーい!」

「返事は「はい」だ多岐川」


その返しにクラスはドッと笑いに包まれる。

聞いてた桜も沙紀も笑いながらそれを見ていた。

次に名前を呼ばれたのは沙紀の前の名前の子だった。


矢野透子(やのとうこ)さん」


その声に返事は無かった。

みんなが変だなと思って周りを見渡すと矢野透子の席はまだ空席だった。みんなが遅刻かと騒いでると教室の扉が勢いよく開かれた。

みんなが矢野透子さんが来たと思って一斉に開かれた扉に目を向ける。

だが、来たのは中年のおじさんだった。

スーツを来ていたので学校の先生なのだろう。

その先生は急いでここに来たのか汗をかいていた


「...榊先生少しいいですか」


何か深刻そうに言う先生に榊先生は何かあったのかと問うと廊下に向かった。


「みんなは静かにしといてくれ」


そう言い残して廊下に出る


外で数分話して榊先生は戻ってきた。

その顔には何かを噛み締める思いがあるような表情を見せた。


「...入学早々こんな残念な報告は悲しいがしなければならない。 みんな心して聞いて欲しい...」


ただ事じゃないような雰囲気に教室内に静寂が訪れる。そして、榊先生は覚悟したように口を開く。その口は震えていた。


「...矢野透子さんが交通事故で亡くなったそうだ...つい先程の事だそうだ......」


今日から私たちは新しい職業につくはずだった。中学生という職業に。

そして、同じクラスでこれから一緒に学ぶはずだった仲間が死んだ。

この事実にクラスのみんなは騒然とした。

教室の前の方で「透子ちゃん...」と泣いている少女がいる。恐らく矢野透子さんと友達だったのだろう。

周りを見るとほとんどの人が泣いている。

泣いている人達は矢野透子さんの友達か知り合いだったのだろう。


桜も涙は流さないものの悲しんだ。

美彩はあったこともないけど矢野透子さんの死を悲しんで涙を流している。

沙紀も目を晴らしている。


そして、今日は入学式を急遽、簡易版に変更し、学校側は生徒達を予定より早く帰宅させた。



学校の帰り道を歩いていると美彩が口を開いた。


「ねぇ矢野さんのお葬式ってあるのかな。あるのなら、行って友達だよって言いたい。あったことも話したこともないけど私は矢野さんを友達って言いたい。」


今日ずっと考えていたんだろう。入学式の時も。


「あるなら行こうか。私は美彩のそういう部分は好きだよ。」

「だね。私も行きたいな。」


そう桜と沙紀は言うと美彩は頷いた。

そして、三人はまた無言のまま歩く。

もうすぐ三人ともバラバラの道に行く。

そんななか、無言が静寂にする。


「...私あっちだから」


と様子見をしたように沙紀が言う。


「そうだね。また明日。」


と桜は返事を返す。

それに続いたように、


「またね。」


と美彩も言う。


そして、三人の言葉が重なる。


「「「またね。」」」


桜は美彩と沙紀と別れると自分の家に続く道を歩く。


その時、住宅街の路地裏から金属と金属がぶつかる金属音が響いた。

とっさにその音に気づいた桜は少しずつ音のする方に向かう。

キンっ!キンっ!という音が明瞭に耳を打つ。近づいてる証拠だ。

そして、音の元に行くとそこには一人の少女が両手に何かを持って立っていた。

よく見るとその少女の先に何かがいる。何かが。少女が桜に気づいた様子はない。


桜は物陰に隠れて見ていると少女の先にいた何かが少女を襲う。

その何かは少女の持っていた両手の金属で切られて切断される。少女の体に何かの返り血が塗りたくられる。

何かはその場に落ちると切られた辺りから黒い霧となって消えていく。


その不可思議な現象に桜は息を飲む。

自分は見ては行けないもの見てしまったのではないか。

次は自分ではないか。


と怯える。

そんな桜に少女は気づいてたかのように言う。


「ねぇあなた」


その声が自分にかけられたものと気づくに数秒を要した。

その声に体が固まる。

表情が強ばる。


「今のことは誰にも言わないで」


そう少女振り向いて言うとどこかに消えていった。


一瞬だけ見えたその顔を桜は綺麗と思ってしまった。何故そう思ったのかは分からない。

彼女の髪色が顔にあっていたのかもしれない。少女のピンク色の髪が......











次話の投稿日は未定です

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