私のヒーロー 【ヒーローランク】企画参加
Gyo¥0-さん企画の【ヒーローランク】に参加します。
Gyo¥0-さん、誕生日おめでとうございます。
私のヒーロー第1位は断トツです。
圧倒的ヒーロー。
私の初恋なんです。
名前はジョン・シルバー。
世界中で大ヒットした名作児童文学にして、傑作冒険小説、『宝島』の登場人物です。
ただし、私が恋したのは原作のロング・ジョン・シルバーではなく、テレビアニメ『宝島』のジョン・シルバーです。
シルバーは“悪役”です。
そう⎯⎯紛れもない“悪人”です。
ずる賢く巧みに人を騙し、目的のためには手段を選ばず、自分が生き残るためならば、あっさりと仲間を裏切り冷酷に切り捨てる。
そんな男がなぜこんなにも魅力的なのか?
シルバーは宝島を目指す冒険の船に、料理長として乗り込んできます。
そして陽気な性格と巧みな話術と人間的な魅力で船に乗り合わせた人々の心をとらえていきます。
片足が膝上から無い“一本足”のシルバーは、松葉杖を巧みに操り、屈強な男たちにもけっして負けません。とっても強いんです。
でも、彼の一番の魅力は、心の強さです。
大きな困難に出会った時、誰よりも前に出て、襲い来るものがたとえ人の力ではどうにもならないようなものであったとしてもあきらめず、陽気に笑い飛ばして見せる。
それがシルバーです。
そして仲間たちは、そんなシルバーの姿に勇気づけられ、立ち上がります。
主人公のジム少年も、シルバーに魅せられ、憧れ、こんな男になりたいと願い、誰よりも信頼し⎯⎯そして裏切られるのです。
シルバーの正体は元海賊『一本足』。
海賊フリントに唯一恐れられた男でした。
ここから、反乱をおこしたシルバーたち海賊チームとジムたち冒険家チームの、島に眠る“海賊のお宝争奪戦”が始まるわけです。
お話をご存知ない方のために、これ以上のネタバレは避けますが、ここでは⎯⎯
シルバーは最後までシルバーだった。
シルバーは、ジム少年の憧れだけは最後まで守り抜いた⎯⎯とだけ述べておきましょう。
さて、ここで私の【ヒーローランク】1位から5位まで紹介します。
5位までしかありません。
10人思い浮かばなかったんです。
1位)
ジョン・シルバー
『宝島』
テレビアニメ
(監督)出崎統
2位)
マチヤ
『家なき子』
テレビアニメ
(監督)出崎統
3位)
立花登
『獄医 立花登手控え』
小説
(作者)藤沢周平
4位)
コナン
『未来少年コナン』
テレビアニメ
(監督)宮崎駿
5位)
19(ナインティーン)
『OZ』(オズ)
漫画
(作者)樹なつみ
以上です。
2位のマチヤは誰? と首をひねる人が多いかもしれません。
これまた、名作児童文学『家なき子』(テレビアニメ版)の名脇役。
レミが男の子のほうです。
主人公レミの相棒、というか相方ですね。
レミがボケならマチヤがツッコミでしょうか。
じつは監督の出崎統さんこそ、私にとってのヒーローなのですが、今回実在の人物は除くということで、マチヤ君に代理で出てきてもらったようなところもあります。
出崎統監督は、真っ正面から正々堂々、感動とはどういうものか、心が震えるというのはどんな感覚なのかを、日本中の子供たちに教えてくれたヒーローだと私は思うのです。
ちょっと癖の強いところがある人だったようですけれども。
なぜ代理がマチヤ? と思われるかもしれません。
リングの上で真っ白に燃え尽きたボクサーとか、残り少ない命をかけて新人テニス選手を育てた鬼コーチとか、他にもっといるだろうに⎯⎯なぜ?
それは、私がマチヤを好きだからです。
マチヤもとても魅力的ですよ。
口が悪くて、ずる賢くて(私が好きな人ってそういうのばかりだな)、情に厚くて、面倒見が良くて。
おまけに音楽の天才なんです。
「君こそが音楽だ!」と絶賛され、後に“バイオリンのショパン”? と呼ばれるようになるという…………。
それってすごいのかな? すごいんだよね、きっと。
さて、3位は、2位に続いて普通の人代表、立花登です。
テレビドラマで第1話を見て、すぐに書店に原作を買いに行き、何度も読み返したチャンバラ物、時代小説の主人公です。
チャンバラと言っても、登は刀は持ちません。お医者さんですからね。
獄医というのは、牢屋の中にいる罪人の怪我や病気を診る医者のことを言います。
本来は彼の師匠である伯父さんの仕事なのですが、居候の身の登はいつも、伯父さんに仕事を押し付けられてしまいます。
そして、牢屋で面倒ごとを拾ってきては危ないことに巻き込まれてしまうのです。
登は刀は持ちませんが、じつは柔術の達人。
柔術とは、殴る、蹴るも“あり”の柔道、つまり総合格闘技⎯⎯なのかな?
刀を持った敵に徒手空拳で立ち向かう主人公⎯⎯かっこいい!
原作小説は時代物に慣れていない人にも読みやすく、チャンバラ物入門としてもおすすめですよ。
『澪つくし料理帳』『鬼平犯科帳』など、面白い小説にたくさん出会えるジャンルでした。
4位もとても有名ですね。
宮崎駿監督のテレビアニメの主人公です。
宮崎駿監督の作品はどれも好きですが、ヒーローといえばコナン。
あんなに笑わせてもらったアクションは初めてでした。
あの単純明快なヒーローと、彼が明後日の方向に暴走してしまわないための導き手になるヒロインとの関係が大好きです。
さて、最後の5位なのですが、ヒーローに入れて良いのかどうか少しばかり自信が無いのです。
19(ナインティーン)は樹なつみ原作の少女漫画の登場人物です。
核戦争で生き残った人々が、ようやく未来に向かって歩きだした世界を舞台にした、近未来SF物です。
タイトルの『OZ』とは、名作児童文学『オズの魔法使い』のこと。
登場人物がそれぞれ『オズの魔法使い』の登場人物になぞらえられているのです。
19(ナインティーン)はその中の『心を欲しがったブリキの木こり』。
なかなか複雑なキャラクターです。
19はサイバノイド⎯⎯人造人間です。
“より”人間に近いアンドロイドですね。
男性型ですが、顔は製作者の母親にそっくり。
この母親が、なんとも強烈な人物なのです。
美しい容姿で男たちを毒牙にかけ、相手の心を壊し、次々に破滅させ、癌で余命宣告をされると、たくさんの男たちを道連れに爆死してしまうという⎯⎯とんでもない女です。
(※この先、かなりネタバレしちゃいます)
じつは、19が母親パメラに似ているのは顔だけではありませんでした。
パメラの息子である狂気の科学者は19の中に母親の人格を潜ませました。
そして主人公たちを罠にはめたあと、19の人格は消滅し、母親パメラの人格が現れるようにプログラムしていたのです。
つまり、19はすぐに消えてしまう予定の表層プログラムだったのです。
ところが奇跡がおこります。
19が人に恋をするのです。
恋した相手はこの物語の主人公、ムトー軍曹⎯⎯男性です。
お分かりでしょうか? 彼をヒーロー枠に入れて良いかどうか悩んだ理由が。
そう、19はアンドロイドおネエなのです。
この時点で19は女性になったのだと解釈する人がけっこう多いのか、はたまた大人の事情か、アニメになった時の19の声は女性が演じていたようです。
でも私はやはり、19は男性に演じてもらいたいですね。
聞いてみたいです。男性声優さんが演じる狂気の悪女パメラを⎯⎯。
一世一代の恋をした19は、恋する“おネエ”のパワーでパメラプログラムをねじ伏せ、主人格の座を確保します。
そして最後はムトーの命を救うため、そして彼の使命を果たさせるために、自ら核の嵐の中に飛び込んでいくのです。
愛する女性に操をたてて、たった1つのキスしかくれなかった男のために、全てを捨てるのです。
うーん、やっぱりヒロイン? ヒーロー枠に入れても良いでしょうか?
もう入れちゃいましたけど。
なお、19の正式名はもっと長いのですが、本当に長いので省略させていただきました。すみません。
以上、私の【ヒーローランク】1~5位でした。
【1位】
ジョン・シルバー『宝島』(アニメ)
【2位】
マチヤ『家なき子』(アニメ)
【3位】
立花登『獄医 立花登手控え』(小説:藤沢周平)
【4位】
コナン『未来少年コナン』(アニメ)
【5位】
19(ナインティーン)『OZ』(漫画:樹なつみ)