表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/29

第7話『可愛いひと』

良かったら感想、レビューお待ちしております!

あうぅぅ……。

なんて格好悪いんだ…。

どうして、こんなに私は締まらないんだ…。


仕事では出来る女で通ってるのに…。

戦闘モード、オフってたから?

伊織くんもそんな腹を抱えて笑わなくてもいいじゃないか‼︎


私がムスーーっとしてると、

伊織くんが話し掛けてきた。


「すみません。笑ってしまって…ふふっ」


ちくせう。

まだ笑ってるやがる。

しかしながら、伊織くんに一切の責任は無い。

やらかしてるのは私だ。


それにしても、大人しい子かと思ってたけど、

こんな風に笑ったりもするんだな…。

ちょっと可愛いかも…。目、見えないけど。


いやいや…私に歳下趣味は無い。

リセットしなければリセット。

何回、仕切り直ししてんだろ?私…。

あの美味しいご飯を食べてから調子狂うな。


いや、あのご飯に罪は無い。

きっと感情が昂ぶってしまったせいだろう。


そう言えば、涙を流したのなんて、

何年振りだろう?

18歳の時の失恋以来かな…?

む…嫌な事を思い出してしまった。




18歳の時、大学に入学したばかりの

私は浮かれていた。


田舎から出てきて、女子高育ちの私には

危機感が足りなかった。

サークルの爽やかなイケメンの先輩に声を掛けられた私は有頂天になっていた。

恋は盲目とでも言うのだろうか?

男を見る目の無い私は、

何も疑いもせずにその先輩を信じ、

付き合おうと言われて舞い上がり、





その先輩に処女を捧げた…。





これから私の青春が始まる!

なんて思ってた私は、一瞬で地獄に落とされた。


先輩を迎えにサークルの部室に向かっていた。

部屋の中から先輩達が笑い話を

している声が聞こえてきた。


オマエ、もうあの美咲って娘食ったんだって?


何だよ、情報はえーな。


オマエ、春から何人目だよ?食い過ぎじゃね?


あの田舎娘、思ったよりチョロかったなw

誘ったらホイホイ着いてきたぜ。


悪ぃヤツだなーwこのヤリチンが!


お前も誘えばイケんじゃね?

スタイルすげー良かったし。


んじゃ、後で食っちゃおっかなーw


ハハハハハハハ!




目の前が真っ暗になった。

私は馬鹿だった。

悔しくてしょうがなかった。


私はそのサークルを辞めた。

先輩とも一切連絡を取らなくなった。


それ以来、私は仮面を被った。

誰にも靡く事も無く、男を信用せず、

口調を固いものに変え、

自分を磨き、別の自分になった。


だから、私はイケメンやチャラ男が嫌いだ。






嫌な事を思い出して、口を尖らせていると…


「笑ってしまってすみませんでした。

お詫びに、明日は美咲さんの食べたい物を作りますよ。

何かリクエストはありますか?」


ピクンと反応してしまう。


「い、いいのか?」

恐る恐る聞いてみると、


「はい。僕に出来るものなら。」


悩む…何がいいだろ?


「じゃ、じゃあ…オ、オムライス。」


格好悪い!

子供っぽいって思われたかな?

だって思い付かなかったんだモン!

それに1番好きなんだモン‼︎


「ふふっ。いいですよ。じゃあ、明日はオムライスにしましょう。」


伊織くんは快諾してくれた。

私は何か嬉しくなってしまって思わず…


「ホント?ヤッターーー‼︎‼︎」


と小さなガッツポーズをしながら

ハシャいでしまった。


しまった…。またやってしまった…。

ホント、調子が狂う。


私が顔を真っ赤にしていると、


「美咲さんって、なんか可愛いひとですね。」


「ふえぇっ⁉︎」


か、可愛いって?なに?

綺麗だとか、カッコいいとか

言われたコトはあるけど、

可愛いなんて言われたコト無いんですけど⁉︎

しかも、歳下に可愛いなんて…。


「あ、プリンありますけど、食べます?

僕の手作りですよ。」


「た、食べます…。」





本当に調子が狂う…。







ブックマークお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ