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第27話『ショッピングモール 中編』

3部構成の中編です。

伊織覚醒1回目

※変身は後2回残してますよ(え?本当?


今回は美咲視点。

伊織があっという間に小雪ちゃんに連れて行かれた。大丈夫かな?幼馴染だから伊織の素顔は知っているだろうけど、モデルの事は知らないだろうし…。どうなるんだろ?


「すんませんっす。小雪のヤツ、久しぶりに伊織に会えたもんではしゃいでいるみたいで…。」


夏樹くんは申し訳無さそうにしていた。


「伊織と夏樹くん達は昔からの知り合いなの?」


「そうっすね。小学校からずっと一緒ですね。

小雪と伊織は幼稚園からっすけど。」


「へえーっ、そんな小さな頃からなんだ。」


なら、小雪ちゃんの感じも分かるなぁ。

兄妹みたいだモン。あの2人。


「伊織と小雪が近所で、兄妹みたいに育って

後から俺がって感じっすね。」


「昔の伊織。気になる。どんな子だった?」


夏樹くんは少し思い出す様に言った。


「そうっすね…。伊織は一言で言えば、

俺のヒーローですね…。」


この発言には私も小夜もビックリした。

夏樹くんは現役東大生で身長も180cmを超えるイケメンと呼ばれる部類の人種だ。リア充を絵に書いた様な男。そんな男がヒーローと呼ぶ。


「どういう事?よくわかんないんだけど?」

「詳しく聞きたい。」


夏樹くんは困った様に話し始めた。


「……そっすね。実は俺、小さい頃はいじめられっ子だったんすよ。線も細くて勉強も出来なくて暗くウジウジした子でしたね。

毎日、泣いて家に帰っていて…そん時にウチの親が精神を鍛える為って言って道場に通わせたんっすよ。その道場が藤島道場。伊織の婆ちゃんがやっていた道場ですね。伊織と小雪にはそん時に初めて会いました。」


「道場に通ったからってすぐに変わるなんてないっすよ。相変わらずいじめられて、学校にも道場にも行きたく無くなってたそんな時でした。

いつもの様にいじめっ子にやられていたら、伊織がやって来て、あっという間にいじめっ子をやっつけて追い払っちゃって…。だけど、俺もいじめられて捻くれてましたからね。素直に礼も言えなくて…。そしたら伊織のヤツ、こう言ったんすよ。


下を向くな!前を見ろ!見えないなら僕が見える様にしてやる!母さんが言ってた!いじめっ子なんて弱いヤツがやる事だ!強いヤツは我慢出来るヤツなんだって!だから君は強いよ!


俺は光が見えた気がしましたよ。

それから伊織は俺に色々教えてくれました。

勉強、格闘技、遊び方、友達を作る方法、本当に色々教えてくれました。俺はメキメキと力を付けて中学校に上がる時には背も伸びてきて、気が付いたら俺をいじめようなんてヤツはいなくなってましたよ。」


「高校の時に、小雪に告白されて付き合う様になったんすけど、それも伊織のお陰ですね。幼馴染で距離が近過ぎた俺達に色々と手を焼いて貰って。東大に入れたのも伊織が勉強見てくれたのは間違いないっすね。」


「アイツがいたから今の俺がいるって言っても過言じゃないっす。だから、俺はたとえ何があってもアイツの味方だし、親友でありたいです。今でも努力しているのはアイツの親友であり続けたいからっすね。」


そう言って夏樹くんは本当に自慢気に語った。


「そう。そんな事が…」

「素敵な話ね…。だから夏樹くんにとっては

伊織はヒーローなんだね。」


「そうっすね。だから、あんな事が無かったら今でも…あっ…いや、何でも無いっす。」


夏樹くんは口が滑ったと言わんばかりに話題を変えた。


「そういえば小雪も伊織も遅いっすね?

電話してみましょうか?」

そう言ってスマホを取り出した。


「あの…夏樹くん、それって…」


「おっ待たせしましたーーっ!!」


小雪ちゃんの声が聞こえた。


「あれ?伊織は?」


「今来ますよー。ふっふっふっ…

2人ともビックリしないで下さいね?」


振り返り、その姿を見て私達は絶句した。



ねーねー、ヤバくない?メッチャカッコいいよ?


うわー、フェロモン出まくりー!


あの人誰かなー?名前知りたいー。


ねー、声かけてみよーよ?えー?




歩いてくる伊織に周りの女性たちが反応している。

それも無理も無いかもしれない。伊織は黒字のVネックのインナーの上から麻っぽいジャケットを羽織り、グレーのパンツを合わせたスタイル。何より目を引いたのは、前髪をワックスで撫で付けて、ゆるふわなウェーブを付けて顔を見せていた事だった。服装自体は高いブランド物ではなく、ユ◯クロで買った物のようだが、そのシンプルな服装が伊織の顔立ちを一層引き立てていた。


「お待たせ…変じゃない?変だよね?」


「全然、そんな事無い!ビックリした!

カッコいいよ!伊織!」

「ん。素敵。惚れ直した。」


なんて言うか…色っぽいのだ。カッコいいんだけど、艶っぽい。特にこうして見ると眼力がスゴイ。整っている顔なのだが、その眼差しが柔らかいのに色気がある。そんな感じだ。


「そっか。なら良かった。周りから変な視線を感じるから、そんなに変なのかなって思ってさ。」


伊織くん…それは違います。

みんな見惚れてるだけです…。


「この小雪ちゃんのコーデが変な訳無いでしょ!

ちゃんといっくんはカッコいいよ!」


小雪ちゃん。グッジョブです!

あ、でも不味いかな?伊織の正体がバレたら騒ぎになるかもしんない。でも、この伊織と一緒にデートしてみたいかも…。


「ん。買い物の続き行こ?」


そう言って小夜は伊織の腕を取る。

私も負けてらんない。


「よーし!行こ行こっ!」


私も反対側の腕を取る。うわっ…近くで見ると照れる。イケメンとか興味無かったけど、伊織がイケメンだと本当に見惚れてしまう。ヤバイ。


小夜も同じの様だ。顔を赤くしながら伊織を見つめている。うわっ…小夜。そんな可愛らしい笑顔は反則だよ。女の私でも惚れちゃうわ。



そうして私達は再度、買い物に繰り出した。








『美咲姉、緊急会議を発令する。』

『緊急会議?急だね!』

『緊急会議だから当たり前。』

『そりゃそっか。んで議題は?』

『これからライバルが増える可能性がある。

私達のポジションを盤石にする。』

『むむっ!それは重要だね。』

『ん。まずは下着選び。』

『し、下着⁉︎』

『そう。セクスィーなヤツ。』

『セクスィーかぁ。具体的には?』

『ん。お互いに選んで似合う物を選定。』

『でも、いつ見せるの?』

『そこも重要。でも案はある。』

『なになに?』

『ラッキースケベ。』

『ラッキースケベ?小夜、何言ってるの?』

『偶然を装って伊織に見せる』

『なんだってー⁉︎(棒)』

『今回の水着で私の伊織センサーが

反応した。間違いなく意識されてる。』

『伊織センサーって何⁉︎』

『主に勃…ゲフンゲフン。とにかく反応した。』

『へ、へー。詳しく聞きたいけど。』

『急を要する案件。頑張ろ。』

『わ、わかったわ。』


次回『ショッピングモール 後編』

小夜視点でお送りします!

お楽しみに!




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