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第18話『合鍵』

100話前後を目標に書いてますが、

書きたい事が増えていくので収まらないかも。


のんびり書いて行くので応援お願いします!

お陰様でブックマーク2000件超えました!


ジャンル別日間2位!

ジャンル別週間3位!

ありがとうございます!

私は今、スーパーに買い物に来ている。

って言っても伊織に無理言って、

買い出しさせて貰ってるだけなんだけどね?

ちゃんとメモもあるよ?

メモも伊織が書いたんだけどね?

いいじゃん、私だって役に立ちたいんだから。


昨日は伊織のコックコート姿、

カッコ良かったなぁ…惚れた贔屓目?

ちょっと変なヤツ来たけど、

それ差し引いても行って良かった。

伊織、私のスーツ姿見て見惚れてたよね?

あの目はそうだよね?くふふー♪


ただ、ちょっと気になったのは1人だけ

もの凄い可愛い子いたよね?

あの子はちょっと危険な匂いがする…


私の伊織に色目使ってないかな…

私のだって♡ いや、時間の問題なはず。


おっとっと…、買い物しないと。

えーと。今日は豆乳鍋だっけ?

白菜、ネギ、お豆腐、豚肉、鶏挽肉…

えのき、椎茸、豆乳、人参…結構あるなぁ…。


買い物を終えて、伊織の部屋の前で待つ。

自分の部屋で待っててもいいんだけど、

こうして待ってると健気な感じするでしょ?

ちょっと荷物重いけどねー。

そろそろ帰ってくるかな?


しばらくしたら伊織が帰ってきた。


「あれ?美咲さん、何してんの?って、荷物持ってるじゃん!部屋で待ってるかと思ってた、ゴメン。」


「だいじょぶだよー。私が待ちたかっただけだしねー。でも、早く鍵開けてくれると嬉しいな。少し重い。」


「もう…自分の部屋で待ってるか、僕を呼んでくれたら良かったじゃん。悪いよ、買い物たのんじゃったし…」


「いいのー!私がしたかったんだから!

買い物も私がしたかったのー!わかったら鍵開けて、荷物持ってー!」


「ハイハイ。わかりましたー。」


伊織が鍵を開けて荷物を持ってくれる。

伊織は細いのに、こう見えて力強いんだ。

今も私が何とか持ってた荷物を、

軽々片手で持っちゃうんだモン。

意外に逞しくてちょっとキュンってする。


部屋に荷物を置いてから、

私は部屋に着替えに行く。

え?その矛盾ナニって?矛盾してないよ?

アピール大事じゃん?


着替えてから伊織の部屋に戻ると、

伊織はご飯の準備をしている。


「伊織ー、手伝うよー。何すればいいの?」

「じゃ、お皿の準備しといて。それと人参の皮剥いておいてくれる?」

「はーい。おっ皿ー♪おっ皿ー♪」


ふっふっふ…

私も伊織におんぶに抱っこだけでは無いのだ!

ピーラーを使って人参の皮ぐらい大丈夫!

更に!野菜を切るのもやらせてくれる!

私は成長してるのだ!見てお母さん‼︎


「あ、美咲さん、人参終わったら白菜切って。

猫の手だよ、猫の手。」


あ、はい…。調子に乗ってスミマセン。


と、まぁ伊織に無理矢理頼んで

少しでも料理に関わらせて貰っている。


だって嫌じゃん!何もしないで待ってるのって!

出来るまで部屋で待ってるのも嫌だし、

部屋にいてソファーで踏ん反り返っている女に好感持つ?

持つ訳無いよね?だから頑張るの!


お鍋が出来上がって、2人でお鍋をつついていると伊織が思い出した様に話してきた。


「あ、そうだ!美咲さん、コレ持ってて。」


そう言って手渡された。え?ナニコレ?鍵?


「え…?なんの…鍵?」

「この部屋の鍵だよ。合鍵。」


え?え…えええーーー‼︎‼︎

何、告白されたの私!いきなり?

付き合うの?ウソ?マジ?


「今日みたいに待ってると大変でしょ?部屋に入って荷物置いた方がいいし。これからも買い出ししたいなら持っておいた方がいいでしょ。」


デスヨネー。

伊織にそんな意識ある訳無いよねー。


「もう…駄目だよ!伊織。こういうのは身内とか信用出来る人にしか渡しちゃいけないんだよ?私が何かしたらどうするの?」


「美咲さん、何かするの?」

「いや、しないけど…」

「なら、いいじゃん。」

「だ、だからー…」


「それくらい信用してるって意味だよ。美咲さんが何かするとは思わないし、合鍵無いと不便でしょ?だから問題ないよ。」


ちくせう。殺し文句だよそれは…。

この子は時折、無防備にこういう事しやがる。

大好きだよチクショー!


「わかった。じゃあ、預かっとくね。」


私は内心叫びたいくらい嬉しかった。

ニマニマしちゃうけどバレて無いよね?


何もしないって言ったけど、

私に合鍵なんて渡したら伊織の洗濯物の

匂いくらい嗅ぐかもしんないよ?くんくん。


くふふー。確実に伊織に近づいてる。

間違いないね。今日はひざまくらかなー?


ふむ…同棲も近いかもしれん。

少しずつ私の荷物を…


「美咲さん、なんか変な事考えてない?」


「ナ、ナニガー?カンガエテナイヨー?」


「何で棒読み??」


危ない、危ない。


そんな時、伊織の携帯が鳴った。


「はい。保科です。あ、オーナーですか?」


バイト先からか。何かあったのかな?伊織は席を外してベランダで話している。通話が終わると伊織は少し神妙な顔をしていた。


「伊織、なにかあったの?」

「いや、何でもないよ。ちょっと小夜さんにトラブルがあったみたい。」

「小夜さんって、あの凄い美人の子?」

「うん。そうだよ。」

「ふ〜〜ん…。」


余り深く突っ込まない方がいいかな?

ヤキモチを妬かないって言ったら嘘になるけど、

余裕が無いのもどうかと思うし。

まだ付き合ってる訳じゃないしねー。



その日は帰ったけど、

夜中に伊織の部屋のドアが開いた音がした。

22時…、こんな時間にどうしたんだろ?





私は少しだけ胸騒ぎがした。










次回は小夜の話に戻ります。

次回『姫と番犬』

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