表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/29

第15話『桐野 小夜』

2人目のメインヒロイン、桐野小夜登場!

私の名前は桐野きりの 小夜さよ


今は21歳で、このイタリアンレストラン、

『トラットリア キャンティーナ』で

ソムリエール見習いをしている。

人付き合いが嫌いな私が、

接客業を選んだのには訳がある。

嫌いと言うか信用していない。

信用しているのは、私を拾ってくれた

オーナー夫妻と死んだ叔父だけだ。


「小夜!そろそろ休憩入れ!」


「ん。了解。」


この人は片桐かたぎり 晋也しんや

このキャンティーナのオーナーで、

5年前に高校中退の私を、アルバイトで拾ってくれた人だ。私の事情を知っている人でもあり、

ある意味で親代りみたいな人だ。

親と言うよりも兄貴に近いけど。


「小夜ちゃん、このジュース余ってるから

飲んでいいわよー。」


「ん。ありがと。」


この美人は片桐かたぎり 琴音ことね

オーナーの奥さんで、10歳の娘「なぎさ」がいる。

ランチのみ店を手伝っている。

この人は母親と言うよりも姉みたいな感じだ。


ソムリエール見習いの私も、昼はワインは出ないのでホールを手伝う。店は40席くらいで、それほど大きな店では無いが、人気店でもあるのでそこそこの賑わいを見せている。

14時から一度、閉店して17時から再開する。

その間、2時間は休憩だ。



「おい!小夜!今日終わったら飲み行こうぜ。」

「嫌。」

「なんだよ、付き合い悪りぃな。

いいじゃねーかよ。」

「しつこい。嫌な物は嫌。

あと、呼び捨てしないで。」


コイツはキッチンスタッフの矢崎。

オラオラしてる男で仕事もいい加減。女性にもだらしが無い。オーナーも人手がいないのでしょうがなく使っている。休憩の度に話して来て私を口説いてくる。ウザい。


私は母親ゆずりの美人だ。叔父が言っていた。

だけど、この生来の色気は要らない物まで呼び寄せる。嫌な思いをしたのは一度や二度では無い。

コイツもその1人だ。


私は矢崎を無視して、ワインの本を読む。

勉強はいくらしても足りない。

ソムリエだった叔父に追い付くのは、

いつになるだろう。


16時からディナーの準備に入る。

琴音さんは帰ってしまうので、ホールに2人アルバイトが来る。基本的に店はホール3人、キッチン3人で回している。


夕方になってアルバイト達が来る。


「「お早うごさいまーす!」」

「ん。お早う。早く着替えて。」


この2人は桜井くんと新見さん。

大学生のアルバイトでカップルみたいだ。

真面目にやってくれてるから問題無い。


「お早うございます。あ、小夜さん

お早うございます。」


「ん。伊織。おはよ。」


この子は保科 伊織。キッチンのアルバイトをしている調理師学校の専門学生。私の一番のお気に入り。


なぜ、お気に入りかと言うと前髪が隠れていて昔、叔父が飼っていた犬に雰囲気が似ているからだ。なんか可愛い。性格も素直だし。


叔父が飼っていた犬は、孤独だった私には唯一の癒しだった。あの子がいなかったら私は耐えられなかったかもしれない。


この子はオーナーの知り合いらしい。

正確にはオーナーの先輩からの紹介。

その先輩はこの業界にいる人間なら、

誰でも名前を知っている。あの瀧澤亮司だ。

その瀧澤亮司の紹介なのだからスゴイ。

連れて来られた時も、本人の印象よりも

瀧澤亮司のインパクトの方が強かった。


でも、今は私の可愛い後輩。バイトしている間は目を掛けている。私の癒しだ。


「ん。伊織。頭にゴミ付いてる。」


「あ、ありがとうございます。」


ん。照れてる。可愛い。撫で撫で。


「いや、あの小夜さん?ちょっと…」


「ん。取れた。問題ない。」


弟がいたらこんな感じなのかな?

とにかく、伊織は可愛い。


だけど、伊織はそれだけじゃない。

バイトを始めて1ヶ月、真面目で料理のセンスもある。オーナーも気に入ってるみたいだ。


ただ、矢崎はそれが気に入らないみたいだ。

私が可愛がっているのも気に入らないのだろう。

伊織が矢崎に何かされない様に見ていよう。


しかし、私にも困っている事がある。

最近、アパートに怪文書が届く様になった。


『イツモオマエヲミテイル』

『オマエハオレノオンナダ』

『アイシテル』


無視して気にしない様にしている。

ストーカーなのかな?

アパートの場所はオーナー夫妻くらいしか知らない。

正直、怖いがオーナーに迷惑は掛けたくない。

ここ、一月の間だ。店の客だろうか?

どちらにしろ、様子を見るしかない。






ん。まずは仕事。













15話にしてようやく2人目のヒロイン小夜が出て来ました!これからが面白くなって来ます!

次回は伊織視点『バイト先』お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ