第14話『楓、襲来(後編)』
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SIORI…2年程前にファッション雑誌『desire』で突然、センターカラーでデビューしたモデル。詳細は不明。10代としか判っていない。
ネット上で正体について騒がれていたが、判明はしていない。バックナンバーも含めて過去5回発売された雑誌は、全てプレミアが付いている…。
私は楓さんを追い掛けて、
エントランスで捕まえた。
「楓さん!」
「…ん?あら?美咲ちゃん、どうしたの?」
「すみません、聞きたい事があって…。」
「………あら?なにかしら?」
あれ?警戒させちゃったかな…
さて、なんて切り出そう…
「あ、あの!私、昔からdesireのファンで
毎月買ってます!それで、あの…」
「あら?そうなの?それで聞きたい事って?」
う…何かプレッシャーがスゴイ……
聞いちゃマズい雰囲気が…
私がマゴマゴしていると楓さんが、
「聞いたい事は伊織の事?
それとも正体不明のモデルの事かな?」
⁉︎ 勘付かれてる⁉︎
「ねぇ…伊織は貴方の前で笑ってる?」
「え…?はい、笑っています。」
「美咲ちゃん♡貴方は伊織の事が好きなの?」
「ふえぇっ⁉︎ ……ハイ…。」
「そう♪ なら教えてあげるわ。
貴方の想像の通りよ。」
つ、つまり伊織=SIORIって事⁉︎
でも、なんで?伊織は知らなそうだったし…
「貴方はたとえ、何があっても伊織の側にいてくれるかな?あの子の味方でいてくれる?」
私は言葉の意味は解らなかったが、
真剣な顔で返事をした。
「私はそのつもりです。」
「そう…ならいいわ。約束は違えないでね。
私は伊織が可愛いの。あの子が幸せなら、
私は貴方に協力してあげる。
ただ、あの子には雑誌の事は内緒にしてね?
あの子は何も知らないし、通信販売のカタログだって騙してるから(笑)」
「わ、わかりました。」
と、とんでもない秘密を知ってしまった…
でも、バレたらマズいドコじゃないよ⁉︎
大騒ぎになるのは理解出来る…
伊織が私から離れていっちゃったらどうしよう⁉︎
何も聞かなかった事にしよう…
「ふふっ♪ 美咲ちゃん、電話番号教えてくれる?
仲良くしましょ?」
そうして、楓さんと番号を交換して
伊織の部屋に戻った。
「おかえり。長かったね?
楓さんと何話してたの?」
「た、ただいま。えーとね、楓さんの雑誌のファンだって伝えただけだよ。」
伊織に嘘をついてしまった…
うぅ…罪悪感が…
でも、ホントの事言えないし。
「ふ〜ん。そうなんだ。
あ、クレープ出来てるよ?食べようよ。」
「わ、わ〜い!食べよ、食べよ!」
クレープは美味しかったけど、
伊織を違う意味で意識しちゃうよ…。
……いや!ダメだ!こんなの私じゃない!
楓さんにも約束したモン!私は伊織の味方!
「伊織!後ろからハグさせて!」
「ええっ⁉︎何でイキナリ⁉︎」
「問答無用!ぎゅーーーーっ‼︎」
思い切り背中に胸を押し付けてやる!
「み、美咲さん!ダメだってー!」
「良いではないかー、良いではないかー♡」
私は何があろうと伊織の味方だ!
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