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ロアとリンダがトレーラーからいなくなった数分後のソフィア

今回は趣向を変えて視点を変えてみました。


※変態要素が少しあるので変態ではない人には辛いかもしれません。

※変態の方はそのまま読んでください。


ソフィアは窓の外を見てはトレーラー内を落ち着きなく歩くという事を繰り返していた。

その時のソフィアは決して激しい運動をしているわけではないのに鼓動は速く息も荒かった。その理由はテーブルの上にある一つの缶ジュースである。

この缶ジュースは今しがたロア・グッドールという美少年が直接口を付けたものでこの世界では大変貴重な品である。

もしこれを売りに出せば驚くほどの利益が出せる代物でもし少年が口を付けたという証明ができるのであれば原価の1000倍や10000倍の価値のある物へと変貌できる野菜ジュースだ。

だがこのソフィアという女はこの缶ジュースの金銭的価値よりも己の性的欲求を満たす事を考えているようだ。


「ただ捨てるのは勿体ないよね……」


己の中で大義名分を作り上げようとしている。そしてこの時の「勿体ない」という理由は二つの意味を持っていた。

『飲み物や食べ物を粗末に捨てる事』と『美少年が口を付けたジュースを飲めるこの状況』真っ当な人間ならば前者を理由としてすぐに缶ジュースを飲み干せばいい事だがこのソフィアという女は無類の少年好きでありロア・グッドールという少年に密かに劣情を抱いた。だがそれと同時に真っ当な人間でいたいという感情も持ち合わせている。


彼女の中で疑問が生まれ始める。『このまま飲み干せば今度ロア君に会った時罪悪感に苛まれるのではないか?』『目と目を合わせて会話が出来るだろうか?』『そもそもこんなに悩むぐらいならばいっその事中身を捨ててしまえばいいのではないか?』いくつもの疑問が生まれてはその都度『ならばこの千載一遇のチャンスを棒に振るのか?』という別の疑問が今までの事を一蹴していく。


ソフィアは立ち上がり意を決したように缶ジュースを手に取る。

彼女の目は缶ジュースの飲み口を見つめている。その穴は暗く中は見えない。どれほどの液体が残っているのか目で確認はできない。

だが、この中には確実に少年の唾液が混じっている。その量は雀の涙ほどもありはしないがそれでもこのソフィアという女を狂わせるには十分な量だ。

味というにはあまりにもか細く今までに味わったことのない少年の唾液。それでも味わってみたいという衝動を抑えることはこの世界の女には難しい事である。


この世に一体どれほどの女たちが少年の唾液を味わったのだろう。その味を知る者は時の権力者か神の加護のある者か、いずれにしても『少年の唾液』を味わうなど奇跡そのものでありその奇跡を味わう事ができるこのソフィアという女は紛れもなく強運の持ち主であった。

だが、奇跡であると同時に禁忌でもある。この事がもし本人や世間に知れ渡れば社会的な死が彼女を待ち受けるがその背徳的な魅力が彼女を離さなかった。

そして別の問題としてその奇跡を体験するには『味わった事がない味』を見つけ出すという常人離れした芸当をやってのけなくてはその味を楽しむことができない。果たしてそんな事が出来るのだろうか?味覚に絶対の自信があるわけではないがそれでも彼女の心には根拠のない自信に満ち溢れていた。


「味わって見せる!」


近づく缶ジュースの飲み口だけを見つめる彼女は集中力を高め味覚を研ぎ澄ます。今の彼女の舌はさながら食品検査の成分分析機である。

まずは缶ジュースの淵を舌で念入りに舐めとり少年の唇が触れたであろう部分を確かめる。するとソフィアの舌がほのかに甘さを感じ取る。この甘みを『少年の唾液の味』と結論付け脳に読み込む。

中の液体をゆっくりと口の中に注いでいく。いつも好んで味わう濃厚な野菜ジュースの味が今は最大の障壁となって彼女の味覚を阻害する。ソフィアは今まで以上に味覚に集中しいつも味わうジュースの味を脳内で仕分けしていく。

先ほど缶ジュースの淵を舐めとった時に感じ取ったほのかな甘みを探しだす。


すると一瞬だけあの甘みに出会う事ができた。その時彼女は得も言われぬ幸福感に包まれていく、その幸福感に浸りながら彼女はジュースを飲み込む。

時間にすればほんの数分の出来事であり、そのほのかな甘みは彼女の錯覚かもしれない。だが彼女は満足そうにソファに座る。

しばらく余韻に浸っていると少しずつ罪悪感が心に広がっていった。彼女はテーブルの上に置いた空き缶を見つめている。


「飲んでしまった……」


こうなる事はある程度予想は出来た筈なのにそれでも自分を止められなかった。飲んでいる時は夢中でその事以外考えられなかったが今思えば自分のやった事は気味の悪い行為だったと反省するばかりである。

そして、自分が普段見せている表の顔とはあまりに違う裏の顔に恐怖すら覚えている己がいた。


『変態をのぞく時、変態もまたこちらをのぞいている』


ふとソフィアの頭にそんな言葉が浮かび上がり内なる変態を抑え込むため、ソフィアはいつもより厳しいトレーニングを自分に課すことにした。


キャラクターのスケベタイプ


ソフィア…むっつりスケベタイプ。内なる闇は深い。


シンディ…オープンスケベタイプ。好機と見るや押しが強くなる。

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