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超短編

僕と彼、終わりと始まり

作者: daishin
掲載日:2017/01/03

 今日もまた変わらない日々を過ごした。

 色んなことから意識を逸したくて、僕は窓の外を眺める。

 ああ、なんていい天気だろう。なんて透き通っているのだろう。綺麗なのだろう。

 掴みたくて手を伸ばしてもきっと届かないだろう。

 そんな思いもまた永遠に広がる青に吸い込まれていく。

 それでも僕は彼女を離せなかった。僕の中から離れてはくれなかった。

 時計に目をやる。

 今日の最後の授業がもう少しで終わる。

 横を見る。

 隣には彼女がいる。

 さらにその奥にいる彼も目に入る。

 彼も彼女を見ている。

 そして僕も見ている。

 僕と彼は間違いなく親友だ。

 だからこそ、この関係を壊したくないと僕達はきっと考えていた。

 だからこそ、僕達は前に進めななかった。

 それでも、僕達は止まらない。止まれなかった。

 いつの日か彼女の傍らで笑っていた彼を憎む。

 いつの日か彼女の傍らで笑っている僕を願う。

 この均衡が崩れるとき、僕はどう思って空を眺めているのだろう。

 僕はただ思う。

 なんて彼女が愛おしいのだろう。なんて恋しいのだろう。美しいのだろう。

 手を伸ばしても届かないかもしれない。

 そしたら、この思いは覚めて消えていくのだろうか。

 手を伸ばして届くのだろうか。

 己に目を向け、声を聞く。

 心は叫んでいる。はっきりと聞こえている。

 答えなんて最初から見えている。

 彼は僕を見ている気がした。

 目が合う。

 その目はもうかつての関係を否定していた。

 彼はようやく決めたのだろう。彼にしては遅いと思った。

 僕はいつも彼より遅い。僕はいつも後ろにいる。

 だから、いつものように彼に遅れて決めた。

 古い鎖を壊そう。

 鎖は音もなく壊れる。

 そして新しい糸を結ぼう。

 終わりを告げるチャイムは鳴った。

 同時にこれは開戦を告げる鐘でもあった。

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― 新着の感想 ―
[一言]  大事なものは二つは取れない、社会はそういうふうになっているかもしれません。
2017/01/03 18:51 退会済み
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