僕と彼、終わりと始まり
今日もまた変わらない日々を過ごした。
色んなことから意識を逸したくて、僕は窓の外を眺める。
ああ、なんていい天気だろう。なんて透き通っているのだろう。綺麗なのだろう。
掴みたくて手を伸ばしてもきっと届かないだろう。
そんな思いもまた永遠に広がる青に吸い込まれていく。
それでも僕は彼女を離せなかった。僕の中から離れてはくれなかった。
時計に目をやる。
今日の最後の授業がもう少しで終わる。
横を見る。
隣には彼女がいる。
さらにその奥にいる彼も目に入る。
彼も彼女を見ている。
そして僕も見ている。
僕と彼は間違いなく親友だ。
だからこそ、この関係を壊したくないと僕達はきっと考えていた。
だからこそ、僕達は前に進めななかった。
それでも、僕達は止まらない。止まれなかった。
いつの日か彼女の傍らで笑っていた彼を憎む。
いつの日か彼女の傍らで笑っている僕を願う。
この均衡が崩れるとき、僕はどう思って空を眺めているのだろう。
僕はただ思う。
なんて彼女が愛おしいのだろう。なんて恋しいのだろう。美しいのだろう。
手を伸ばしても届かないかもしれない。
そしたら、この思いは覚めて消えていくのだろうか。
手を伸ばして届くのだろうか。
己に目を向け、声を聞く。
心は叫んでいる。はっきりと聞こえている。
答えなんて最初から見えている。
彼は僕を見ている気がした。
目が合う。
その目はもうかつての関係を否定していた。
彼はようやく決めたのだろう。彼にしては遅いと思った。
僕はいつも彼より遅い。僕はいつも後ろにいる。
だから、いつものように彼に遅れて決めた。
古い鎖を壊そう。
鎖は音もなく壊れる。
そして新しい糸を結ぼう。
終わりを告げるチャイムは鳴った。
同時にこれは開戦を告げる鐘でもあった。




