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化け物に歯が立たないようです

「おい、さっさと逃げるぞ!」


 俺はシルフィーの腕を掴むと、化け物とは逆方向の出入り口に向かって駆け出した。しかし、彼女は俺の腕を振りほどいて言った。


「あんた、それでも討伐隊の一員!?戦わないでどうするのよ」

「でも、今の俺たちじゃ勝てないだろ」

「それでも、私は」

「それでももくそもねえ!」


 彼女の体が固まる。握りしめた彼女の両手がわなわなと震えている。徐々に化け物は俺達の方へ近づいてきてくる。


「……もういい。私が一人でやる」

「まって、シルフィーちゃん!」

「おい!勝手に行動するなよ」


 俺と

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