6ポイント目「異世界的就職活動」
蜘蛛を倒したあと死骸をアイテムボックスに収納して洞窟から岩塩をナイフを使い採掘し生活魔法の”乾燥”を使いつつカケット石を使い削っていった。ガボの実の皮をナイフで剥き”乾燥”を使い乾燥したところでカケット石を使いパウダー状にしていった。
ガボの実は調味料として使用されることが多く乾燥させて使われるのが一般的である。乾燥させると水分が抜け胡椒と山椒を足して2で割ったような味がする。
岩塩を砕いて作ったパウダー状の塩とガボのパウダーを混ぜ合わせ特製スパイスを作りガラスの小瓶に詰めた。
この日はボス狼の群れのとこまで戻り川魚を振舞ってやった。子狼がじゃれついてきたので撫でたりして遊んだ・・・癒される・・・結局子狼と一緒に狼たちのねぐらである岩塩の洞窟とは別の洞窟で寝た。
かくしてここ1週間”ボス狼”こと”ロボ”の”一族の長”交代の為に森で生活していた。
”ロボ”の名前をつけた理由は簡単だ。シートン動物記に出てくる"賢狼王”の名前がピッタリだからだ。
「 さてみんなに別れはすませたかい? 」
「 はい、行きましょうかマスター 」
こうしてひとまず旅に出ることになったが装備や物資関係購入のために近くの町へと向かうことになった。
ロボからゆっくり行って3日かかると言われロボに先導してもらいつつ1日でつくよう全速力で走っていった。
昼頃から走り山を降り街道を7時間ほど走り少し仮眠を取った後、5時間ほど走ったところで壁に囲まれた建物が並ぶ街並みが見えてきた。
自分達が歩いて行き街の入口で談笑しながら突っ立っていた門番がこちらに気づき話をやめ槍を持ち解放されている門の左の方に立っている男と腰に剣を帯剣している男がこちらに視線を投げかけている。
「 ようこそ交易都市”グレンブル”へ!!身分証を掲示お願いできますか? 」
案の定予想していたことだが考えていたことがスラスラと口から出た。
「 どうも幼少の頃から今まで祖父と山奥で暮らしていたのですが、つい5日前に亡くなりまして・・・祖父が亡くなる前に一度街に行ってこのまま山奥で生活するか街で生活するかを考えてもいいだろうと言ったので街まで来た次第です 」
「 そうでしたか・・・おじいさんについてはセイカキーレ様のもとへ帰られたことでしょう。身分証がないようだったらどこかのギルドに所属されるまでは簡易の仮カードを発行させてもらいます。仮のカード発行手数料の大銅貨2枚は3日以内に払ってもらえればいいですから。えーっと・・・はいこれが仮のカードになります、良い一日を!! 」
「 すいませんありがとうございます・・・それとギルドの場所を教えてもらってもいいですか? 」
喧騒溢れる街の中教えてもらった建物へと足速に向かっていく、途中でバザーを横切ったが色々と品物が置いてありお金さえできれば後で買いに行こうと思った。
ロボの事を見てくる人がいるが荷物を乗せた角が三本ある牛やサイのような動物、鞍のついた2足歩行の恐竜などが闊歩しているから狼くらいじゃ気にならないようだ。
建物の前についた入口にデカイ看板に何か字が書いてあるが読めない・・・まぁ気にせず入ろうとして進もうとした瞬間、扉が開き人が飛んできた・・・うわぁぁぁぁぁ超物騒だなぁ・・・
飛ばされた人・・・盗賊っぽい格好をした男は目を回しつつ気絶しているようだ。
「 クソ野郎が!!だから万年D級止まりなんだよ!!おろ? 」
ギルドの中から飛ばしたであろう人がシーフ(仮)を罵っていたがこちらに気づき罵倒するのをやめたようだ・・・
「 おう、少年!!探険者志願か? 」
「 は・・はいそうです 」
”よしよし”といった感じでにこやかに笑うとその人が俺の肩に手を回し冒険者ギルドの中へとシーフ(仮)を置いたまま入っていく。ロボもテクテクとついていく。
探険者ギルドの中は木製のでかいテーブルが5つとそれぞれそのテーブル一つにつき木製の椅子が6脚ずつ置いてある。
カウンターが3つありそれぞれが離れている、カウンターとカウンターの間に巨大な木製の掲示板があり沢山の依頼が貼り出されている。
「 おう、ケイン!!ボドルはどうした?その少年は? 」
「 おう、あいつは伸びてるが・・・この少年が探険者志願らしくてな案内してるとこだ!! 」
他にも色々と声をかけてきたがその都度ケインさん?が答えていた・・・アグレッシブなひとだ・・そうこうしつつ一番奥のカウンターに行くとケインさんが
「 おう少年あとは色々と職員に聞きな・・・ってわけでリュミ!!よろしく頼んだぜ!! 」
”じゃあな”といった感じで片手を振りつつワイワイガヤガヤと賑わっているテーブルの一つへと入っていった。
「 まったくケインさんは・・・っとおはようございます、探険者ギルドグレンブル支店へようこそ!! 」
「 おはようございます、探険者登録をお願いしたいのですが・・・ 」
「 はい、わかりましたしばらくお待ちください 」
そう言うとギルド職員のリュミさん?はガサガサとカウンターの後ろの棚から丸い水晶とメタリックに輝く四角いカードを取り出した。
「 まず、こちらの水晶に手を置いてください。その後、カードを手に取って下さい。自動でカードに魔法印字されますので安心してください。犯罪歴等もあればそちらも印字されますのでお気をつけください。もし犯罪歴がある場合そのまま騎士団へと引き渡され牢屋送りになりますので悪しからず。でわどうぞ!! 」
そう言われ笑顔で語りかけていたリュミさんの座っているカウンター前にチョコンと置かれている水晶に手を置く。
小さめのステータスウィンドウが空中に浮かび上がって次々に情報が映し出されていく。
空中に浮かんでいたステータスウィンドウが消えるとともにメタリックのカードをこちらに差し出してくる。
メタリックカードへと情報が次々に印字されていく。
「 はい、オッケーですね!!細かい説明に移りますがよろしいですか? 」
「 はい、お願いします 」
細かい説明はこうだった
・探検者はランクFから始まりAが最高。ランクが上がるたびに受けれるクエスト数が増えていく。
・クエストに失敗した場合はランクが下がることもある。違約金を払わないといけない場合も出てくる。
・クエストを3ヶ月以上受けない場合探検者ギルドから登録を抹消される。再登録は可能だがランクはもちろんFから始まる。
「 ありがとうございました 」
礼を告げると早速、クエストカウンターに向かった。床におすわりしていたロボもついてくる。
「 いらっしゃいませ、カードの掲示をお願いします。・・・はい、大丈夫ですね。今回が初依頼ということですがこちらからおすすめクエストをまわしましょうか? 」
「 はい、お願いします 」
クエストに出ていこうかと外に向かっている最中に賑やかなテーブルからケインさんがこちらに気づくと”頑張れ”といった感じに親指を立てて合図してくれた。
行ってきますと俺も返事を返すように親指を立てた。
そう言って初めて受けたクエストは
「薬草採取」だった。
感想いただけると泣いて喜びますので感想ください。(切実)