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5ポイント目「いきなりエンカウント」

 洞窟を進む1人と1頭。

紅く世界を染め日が暮れてきていた外の様子に比例するように洞窟に入った時から感じる寒気・・・気温の寒さではなく肌が感じる周りからの寒気。

そんな寒気を感じながら進むと見えてきた・・・黒いモヤのような物がそこにデンと居座っていた。

 

 

 「 巨大な黒いモヤ? 」


 「 いえ時期に形をとりますよ・・・人の子よ、ほら!! 」



徐々に形をとっていく黒いモヤ・・・だんだんとよく知る昆虫の形になるが大きさが規格外だ。



 「 蜘蛛!! 」


 「 人の子よ、ほうけていてはいけませんよ!! 」



黒い蜘蛛が軽自動車のサイズで形を成すとともにすぐさま槍のような前脚がこちらに向かって矢のような速さで飛んでくる。

すかさず避けると”1番”と念じて右手にナイフを掴む!!そして、まだ伸びきっている足を思いっきりナイフで斬り上げた!!

ボトッと音を立て斬り上げた前脚が洞窟の湿った地面に落ちる。



 「 ギィギャァァァァァァァァァァア!! 」



黒い蜘蛛が壮絶な悲鳴を上げる、ミストル銀のナイフの効果は抜群だ!!

やはり、こいつは”不死系”の魔物なのかも知れない・・・

切り取った場所から黒いモヤが上がり膨らんだ後に収縮し前脚が元の通りに再生されていく。

その繰り返しを10回以上続けてからうんざりしたようにシンジがつぶやく。



 「 いたちごっこだな・・・なにか手はないのか? 」


 「 私の攻撃は全て効果が薄く深刻なダメージを与えることができないのです・・・ 」



自分のMPを確認する、50/50・・・食事したあとで睡眠を取れたことによりMPが全開していたようだ。

よし、奇策を使うか・・・

ナイフを構えたまま変わらず攻撃してくる蜘蛛の赤い複眼に視線を向けて注意をかけながら狼に声をかける。


 

 「 今から全速力でここを出ますよ!! 」


 「 何か策があるのか人の子よ? 」


 「 ばっちりね、任せといてくれ!!先に出てもらえるか? 」



先程から続く蜘蛛からの攻撃と先に洞窟から出る狼に気を遣いながら機会をうかがっている。

狼が洞窟から出きってからアイテムボックスの中で食事前に作っていた”モレ鉄の編み糸”と圧力を加え形を笹の葉上に形成した”コモレの木材”を組み合わせ弓を創りだす。ナンバー2。

そして作っていた10本以上の棒状の木材にさらに圧力を加え矢尻にスリットを入れ矢を作っていく、残っていた”ミストル銀”を矢の先端に塗布していく。ナンバー3。

赤い眼を輝かせながら走ってくる蜘蛛に注意しつつ洞窟内を走りながらそれらをこなしていくシンジ。



 「 狼の長よ!!足止めだけお願いできるか? 」



洞窟をできって俺を追いかけてきている蜘蛛に目線を向けつつボス狼に足止めをお願いする。

その間に洞窟の入口の上にある高い位置を目指す。

ボス狼は上手く攻撃を誘発させ凄い身体能力でことごとく攻撃を回避していく。

移動が完了して蜘蛛とボス狼が戦っている場所よりも高い位置にスタンバイができたところでナンバー2、ナンバー3と思い浮かべ右手に矢、左手に弓を携える。



 「 日本の古来より伝わる妖怪退治につながるものをここに再現!!なんてな・・・ 」



すかさずステータスを開き、スキル”弓術”にポイントを振り”弓術”レベルを5まであげた。

ミストル銀の塗布された矢を弓につがえ、つるを引き絞る・・・



 「 魑魅魍魎ちみもうりょうを撃ち貫け!!破魔矢よ!! 」



ピュォーと音を鳴らしながら破魔矢(ミストル銀の矢)が脚先をボス狼に必死に刺そうとしている蜘蛛の赤く輝く眼に向けて飛んでいく。

”トンッ”という静かな音とともに吸い込まれたように赤い複眼の一つに矢が刺さる。



 「 グギャァァァァァァァァァ!! 」



右往左往しながら暴れまくる蜘蛛めがけてすかさず矢をつがえ弱点であろう複眼へと矢継ぎ早に打ち込んでいく。

8本目が刺さったところで蜘蛛の脚の動きが止まりバフッという音を立て蜘蛛の胴体が地面へと落ちていった。

しばらく様子を見て動きがない事を確認したあとでボス狼の近くまで降りていく。


 

 「 殺った・・・かな? 」


 「 まさか本当に倒してしまうとは・・・追い払ってもらう程度のことしか考えてなかったんですが 」


 「 それじゃ、片付けてしまいますね 」



そういって蜘蛛に手をかけたが”アイテムボックス”へと収納ができなかった・・・と疑問が頭をよぎった瞬間



 「 危ない!! 」



という声を聞いたあとボス狼が俺に向かって体当たりをしてきた。

体当りされて飛ばされる俺の居た場所にきたボス狼に蜘蛛の槍のような脚が突き刺さった。


 

 「 この野郎ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!! 」



すかさずナイフを手に取りボス狼に突き刺さっている脚を斬り上げ矢の大量に刺さっている複眼へ向けてナイフを深く突き刺した。

流石に絶命したようででかい蜘蛛が逆さまにナリ足をピクピクさせその脚の動きも止まった。

近くで腹部からドクドクと血を流しているボス狼に近寄り状態を確認した後すぐさまボス狼の頭に手を置き”手懐テェイムけ”を実行する。



スキル”手懐テェイムけ”・・・対象を従属化するスキル。対象を従属化した際主人よりもLVが高くならないようにLVが主人よりも低くなる。成功時はすべての状態がリセットされる。



腹部を確認すると穴も流れ出していた血も消え成功したようだが疑問がひとつ・・・白くなっている。


  

 「 マスター・・・これからよろしくお願いします 」



白くなったボス狼の挨拶を聞きその後、頭を撫でつつ星空の見えてきた夜空に流れる一筋の光を見ながら”無事成功して良かった”と思うシンジだった。


感想いただけると泣いて喜びますので感想ください。(切実)

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