表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/46

4ポイント目「異世界はじゃがバターの味とともに」

 

 一触即発の森の中、子狼を抱き胡座の姿勢で後ろを振り返っている俺と見つめ合う親狼・・・

非常ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉにマズイ・・・やられる、と思って目線を外せない俺がじっと見ていると奥から一際ひときわ大きい狼がこちらにのそのそと足を運んできた。

子狼を静かに地面へ降ろし目線を大きい狼に向けたまま立ち上がった、子狼は嬉しそうに狼の集団の中にいる親狼のもとへ駆けていった。



 「 じゃあ・・・俺はこれで・・・ 」



立ち去ろうとした瞬間先頭にいた3頭が襲いかかってきた。

それを見て全速力で逃げ出す俺。

流石に子狼を助けた手前、狼達を殺生したくない・・・

森を駆け、段差を何回か飛び降り全速力で走り出してから50分ぐらいしたところ後ろを振り返ってもついてきている気配がない。

とりあえずは狼達をまけたようだ。

狼たちを気にしつつも近くにあった岩をアイテムボックスに収納していく。



 「 まさかこんなとこに金属を含む鉱石がこんなにあるなんておもわなかったな・・・ 」



命からがら飛び降りてむき出しの断層の近くに偶然あった”天の恵み”に感謝しつつ近くから聞こえる水の音のする方へ歩いて行った。

近くにあった倒れた”コモレの木”を”アイテムボックス”に”収納”してさらに”解体”にかけた。

解体済みの”コモレの木材”を”生活魔法”で圧縮をかけ10個以上を棒状に変化させていく。


”生活魔法”・・・一般生活で使われる。攻撃としては使えない魔法。段階的にLV1で照明。LV2で着火。LV3で洗浄。LV4で乾燥。LV5で圧縮を使えるようになる。

一般的にはLV5が最終段階と考えられている。

魔法使い見習いが一番先に資質があるか確認するために覚える魔法である。


先程手に入れた鉱石に”錬金術”を使い鉱石を”モル鉄”と石とに分離していく、分離した”モル鉄”を糸状に細く錬成する。

更に糸状にした”モル鉄”をよじりロープ状の編込みをしていくさらにそれを細くしていく。

そこまできて意識がフラッと来た。よく確認するとMP10/50となっていた5分の1でこれか・・・MP切れは避けたほうが良さそうだな。

近くの地面を手で掘り起こし”スネークワーム”を確認すると捕まえて”アイテムボックス”の中に収納するそれと同時に解体をしてサラサラと流れている川の近くまで行き川の上にミンチ状にした”スネークワーム”をぶちまけた。

するとミンチに寄ってきた魚の影を確認すると川の中にある岩に向かって結構高い高さからアイテムボックスの中の金属を分離させた岩を取り出しぶつけた。

今は日本では禁止されているガッチン漁法だ・・・岩と岩との衝突で衝撃波を生み出し魚が気絶している間に魚を捕まえていく漁法であるが利点は無差別に生き物を取れるところだが欠点はこの漁法を続けていくと生態系を著しく狂わせてしまうところだ。

Gパンと靴下と靴を脱ぎ川の中に入る、気絶してプカーと水面に浮いている魚を”アイテムボックス”にポンポン収納していく。

近場から木の枝と枯葉を集める、大きいサイズの石を円形に配置していき円の中に木の枝を起きその上に集めた枯葉をすべて被せるそして制服のポケットに入っていた財布からコンビニのレシートを取り出し生活魔法で火をつけそれを枯葉に投げ入れた。

ボーボーと枯葉が燃えていき木の枝も順調に燃えパチパチと気持ちいい音が鳴っている。

MPは7/50になりますます頭がくらくらしてきた。

先ほど捕まえた魚を”アイテムボックス”から取り出した後、川できれいに洗った鉄串にさし焚き火にかけていく。

焼き上がりまでの間にGパン等先ほど脱いだものをきちんと履いていく。

サラサラと流れる川の音とザワザワとこすれる森の音そして近くで聞こえるパチパチという音を聞きつつ魚を裏返す、しっかりと逆の面に綺麗な焦げ目がついている。

先ほど木の枝と枯葉を集めていた時に見つけた木の実等を確認していく。



 「 キリデミントの葉・レモンベリー・ガボの実・ポッキメロ茸、随分近く探しただけで見つかった・・・ 」



レモンベリーとポッキメロ茸を残し他をアイテムボックスに収納しなおす。

焼きあがった魚を片手に持ち赤い色のミニトマトサイズのレモンベリーを絞り果汁をかける。

一口食べるとレモンベリーの程よい酸っぱさで味のしまったホクホクの川魚の身が美味い。



 「 うん・・・美味い。こういうのがいいんだよな外で食べるものは 」



ペロリと食べてしまうと鉄串にポッキメロ茸を刺して焚き火にかけ焼いていく。

しばらくまち焼きあがったポッキメロ茸を湯気の立つそのまま食べる。


 

 「 これは最高だ!!焼いただけなのにじゃがバターの味がする・・・ 」



異世界で初めての食事に舌づつみを打ちつつ木の枝を焚き火に大量にくべて眠気に誘われるまま寝てしまった。



ん?なんだろう顔にザラザラしつつヌメヌメしたものがヒルか!!と思い目を覚ますとペロペロと俺の顔を舐め回す子狼がいた。

そしてまたしても子狼の親戚一同ずらりと俺を囲むようにこちらを見ている、とりわけ中でも一番大きい狼がノソノソと自分によってきた。

 


「 人の子よ、我が眷属を助けてくれて感謝している。早とちりした者が追い掛け回したようだがそれについては済まないと詫びておこう 」


 「 それはどうもご丁寧にあの子もだいぶ良くなったみたいでよかったですね 」


 「おや、人の子なのに私が喋っても驚かないのだな。よく見ると利発そうな人の子だ。」



なんか知らんが流石異世界とだけ言っておこう、人の言葉をしゃべるボス狼に気に入られてしまったようだ。

よくみるとこの狼だけ大きいという以外に顕著な違いが見受けられる眼の色が紅色だった。 

他の狼の眼の色はセルリアンブルーなのにボスだけワインレッドに近い紅なのわなぜだろう?

そう考えていると。



 「 すまない人の子よ、聞いて欲しい願いがあるのだが・・・よいか? 」


 「 頼まれ事の内容次第だな・・・無理そうだったら断るぞ? 」


 「 我々の昔からの塩分補給の地から邪魔者を追い払ってくれぬか? 」



今、山の中腹にある洞窟に向かってボス狼とえっちらほっちらと歩いている。

どうやらその中腹の洞窟の中に岩塩の鉱脈が有り今まで狼や草食の”山跳びヤギ”等の動物の塩分補給源となっていたようだ、それが最近になり洞窟内に狼達では倒せない魔物が居座るようになってしまったらしい。

つまりその狼達では手に負えない魔物の討伐が今の目的である、正直断りたかった・・・。

しばらくして緑が少なくなってきたゴツゴツとした岩肌の多い山道を歩いていると洞窟が見えてきた。



 「 人の子よ、そろそろ気を引き締めていてもらえるか・・・ 」


 「 わかった 」



そう答えると暗く口をポッカリと開けている洞窟に足を運んでいった。

感想頂けるとむせび泣きます。ぜひ感想ください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ