32ポイント目「夜を呼ぶ風」
少しガタラさんと賑やかな土俵から離れ2人で畑の近くまで来ていた。
「 わんつかあさぐか・・・(少し歩くか・・・) 」
そう言われて目的の場所まで行くために農道を歩いている。
鼻も畑用の肥料の臭いに慣れたがそのような事も気にもならないほど2人して話しながら歩いていた。
「 それさしてもなじょして気づいたんだ(それにしてもどうして気づいたんだ)? 」
「 そうですね眼・・・ですかね 」
「 まなぐか(眼か) 」
「 なんていうか戦いの眼じゃなくてワクワクでもなくて温かい眼差しでしたから 」
「 バレてたかw 」
そういう会話をワイワイしながら畑の水を引く用水路の源流である川までやってきた。
近くの河原に腰かけ少しの間言葉も交わさずに背の高い草をさわさわと優しく吹き抜ける風に吹かれながら黄昏ていると
「 俺達は村から出る事もなく畑を毎日世話をして一生を終えていくんだと考えるとそれが当たり前だと考えるけどそれ以外の道はないのかと考える事もあるんだよ・・・ 」
「 そうですか・・・ガタラさんは村から出ようと思わないんですか? 」
少し寂しそうな顔をしながら
「 まぁ・・・出たいとは思うが正直外に出たとしてうまくやっていく自信がないからな・・・ 」
他にもいろいろと話していると時間が早く過ぎすっかり陽が傾いてしまったがガタラさんと話していてすごく落ち着いた。
「 また、ゆったどど話がしたいの(また、ゆっくりと話がしたいな) 」
「 ええ、また・・・遅くなるのもあれですし。帰りましょうか 」
水面を吹き抜ける少し肌寒くなった風を感じながら俺達は静かに立ち上がり村への帰路についた。
「 飲めぇーーー 」
「 歌えーーーー 」
「 騒げーーーー 」
どんちゃん騒ぎに包まれた村をあげての宴会。
そこに出された料理はシンプルながら美味しそうな物ばかりだった。
「 ”本菜と鳥肉の炒め”も”大玉葱とモルク豆とワコパンプキンのシチュー”も”ネル芋の甘煮”も美味いな・・・酒に合うしいいじゃねぇか 」
果実酒を片手に料理をべた褒めしてるケインさんはオニオさん達と一緒に酒盛りをしている。
俺も同じ席に着き宴会を楽しんだ。
歌を歌う人もいれば土俵に上がって踊り出す人もいた賑やかな騒ぎの中夜は楽しく過ぎていった。
そして翌朝・・・
「 がへでの、またこながぐれし(元気でな、また来てくれよ) 」
オニオさん達にお願いして野菜の種を数種類ほど物々交換してもらい別れを告げ下の階を目指す。
ガタラさんはいい友になってくれそうな人だ
下の階への階段は村の中に出ていたので下りるのは今回は簡単だった。
「 この階は何があるんですか? 」
「 気にしなくても大した事ないから身構えなくてもいいぞ、ただな・・・ 」
異界迷宮に入ってから5日目が過ぎて7階まで下りてきた。
畑と自然に囲まれた6階とはうってかわって汚物路のような人口構造物の中に出てきたようだ。
すぐに目の前を何かが走ったが早くてよく見えなかった
ケインさんが
「 武気・ゼロカウント 」
見えない速度で剣を早く抜刀したと思うとすぐに鞘に納めたカチンという音だけが聞こえ、目の前で絶叫をあげボロイ服を着たネズミの魔物が血しぶきをあげ倒れた。
「 ”こいつら”だけには気を付けろ 」
息絶えた魔物をよく見てみる。
”魔物知識”でヒットした魔物は”盗賊鼠”という魔物だ。
特徴は動きが素早いうえに手癖が悪く盗みをする。それと・・・
「 団体さんのお出ましだ!! 」
最低でも3匹以上の集団行動をとる事。
動きが早くて見えないとしても対処方法はある。
「 ケインさん離れないでくださいね!! 」
そう言うと”時空間魔法”の”結界”を広範囲で張り巡らせ閉鎖空間を作り出した。
”結界”の外の盗賊鼠は結界に頭を勢いよくぶつけて倒れてしまい中の奴らの対処を始めた。
「 ケインさん動きは見れてるんですか? 」
「 ああ、”結界”張ったならありがとなっ!! 」
ケインが答えると同時に周りに斬りかかり3体の盗賊鼠が血を吹き出し倒れた。
結界を解除して外に倒れている盗賊鼠に矢を撃ち込んでいく。
倒れた盗賊鼠の体に矢を生やしたところでこのあたりの魔物は一掃できたようだ。
「 ふう、戦いやすかったぜシンジ 」
「 いえ、ほとんどケインさん頼りでしたけど 」
こうして盗賊鼠の死体を”箱”に収納した後で薄暗い回廊の中を進んでいった。
感想お待ちしております。
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仕事の都合で1月ほど出張があります。
投稿が厳しそうですので出張より帰り次第また投稿開始させていただきます。
ご迷惑かけて申し訳ありません。




