31ポイント目「戦闘農民族 ファム人」
農作業を手伝い昼がだいぶ過ぎてからの事
「 っと!!急所ばっかり狙ってくるんじゃねぇよ!! 」
「 急所狙うのはあだりめだべ(急所狙うのは当たり前だろう)? 」
ケインさんがオニオさんの持つ木刀を捌きながら攻撃をしようと思っているようだが中々攻撃をできそうにない。
それもそのはずオニオさんは木刀を”両手”に1本ずつ持っていた。
それをまるでうなる鞭のようにしならせ、すさまじい速さで次々に振り下ろしていく。
縦に横に斜めに両手とも別の動きをしているのに絡む事もなくしかも流れるような動きだ・・・しかしながらその動作を汗をかくこともなくかれこれ10分以上試合を続けているオニオさんのスタミナには驚かされる。
次第に動きに違いが出てきた。
捌きが最小限の動きになり段々とオニオの動きが遅くなってきているようだ。
そこをすかさずケインさんが攻める、オニオさんのつま先をブーツで踏みケインさんの事を払いのけようとオニオさんが剣を振るうのを見越し思いっきり右手の方に体当たりを仕掛け左手で右手を掴みオニオさんの首筋に右手で持っていた木刀をあて
「 王手だ、オニオ!! 」
と言うとオニオさんはにっこり笑い
「 やっぱりケインは強いの(やっぱりケインは強いな) 」
とぽつりと言うとケインと肩を組み周りで見ていたみんなもドッと沸いた。
二人は村の中にある土俵のような場所で戦っていたのだ。
娯楽が少ない村でのイベント事というのはやはり人気があるようで村のみんなが集まっている。
まぁ、集まっているといっても100人程度であるが。
こちらに帰ってきたケインさんが村の女の人から貰った果実水を飲みながらこちらにやってきた。
「 次は間違いなくお前だ、シンジ気を引き締めてかかれよ、あいつらそこら辺の探検者より強いからな? 」
「 はい!! 」
二人で話していると一息ついたオニオさんが
「 シンジ君お手こ合わせばお願いしたい奴がいらんだが受けてもきやえらかの(シンジ君お手合わせをお願いしたい奴がいるんだが受けてもらえるかな)? 」
「 はい、いいですよ 」
すると朝オニオさんと畑に出ていたガタラさんがこちらに来た。
「 お手こ合わせばたのむっっきゃ(お手合わせをお願いします) 」
「 はい、こちらこそお願いします 」
そうして5分後軽く運動して体をほぐした後で試合を開始することになるのだった。
十分準備運動した後で土俵に向かう途中オニオさんが司会者のように紹介を始める。
「 次の試合はガタラどケインの連れのシンジだ!!みんの分け隔てのぐ応援頼むぞ!!(次の試合はガタラとケインの連れのシンジだ!!みんな分け隔てなく応援頼むぞ!!) 」
「「「「「 おおっーーーーー!! 」」」」」
土俵の周りで沸き上がる村の人々を掻き分けガタラさんが土俵に上がる。
それを確認した後で顔を両手で叩き喝を入れ俺も土俵に上がった。
お互いに相手の顔を見つめる。
「 得物は何さすら(得物は何にする)? 」
土俵の外から投げられた木の棒を受け取った後で棍を腕だけで回転させ上に投げてから右手で掴み地面に打ち付けると
「 わは棍ば使う(俺は棍を使う) 」
軽いパフォーマンスの後でドッと会場が沸いた。
「 じゃあ、俺は短剣サイズで 」
ガタラさんと同じように場外から投げられた短剣サイズの棒を受け取ると右手に握り左足を引き右半身を前に出し半身の構えをとった。
「 準備はいがの?せば初め!!(準備はいいかな?それでは初め!!) 」
開始の掛け声と共に右手で持っていた棍の地面についている部分を思いっきり蹴り上げガタラさんがこちらに飛ばすような速さで下から打ち上げた。
すかさず避けて攻撃しようと思ったがとっさに体が反応して右手に持っていた短剣(木製)を頭上に上げ力を入れて構える。
「 ハッ!! 」
そこへ吸い込まれるように打ち下ろされる棍を何とか受け止め流す。
「 くっ!! 」
それにしても流すのだけで精一杯なほどの重い一撃だった。
流してすかさず半身の構えのまま後ろに下がりあえて間を取ってガタラさんの動きをみる。
ビンゴだった、流されたと理解したガタラさんは振り下ろし切る前にあえて回転して遠心力を伴なった横なぎの一撃を放ってきた。
棍が当たる寸前に籠手で受け衝撃を殺したがそれでも重い。
「 痛ってぇ!! 」
反動で返った棍をその威力を消さず斜めに持ち上げさらに振り下ろし追撃にかかる。
それを紙一重で右へ避け距離をとるとそのままの動きでまた身をよじり回転し遠心力を作ろうとしている。
そこを狙いすましたかのようにガタラさんの軸足に向かって足払いを仕掛ける。
倒れはしなかったものの軸がぶれ斜め上空に横なぎはかすめていった。
体勢を立て直そうとしているガタラさんが動くより早く右手に持っていた短剣をガタラさんの左背面に放り投げあっけにとられているガタラさんの襟を左手で握りしめ締めの体勢になるように背後に回り込み放り投げた短剣を右手で掴み
「 王手 」
と首筋に短剣を当てながら言った。
「 勝者・・シンジ!! 」
ワッとまた土俵周りが沸いた。
試合終了後のお互いの健闘を称える握手を交わしているのだが・・・
何とか対応して勝てたもののこの一連の動きが1分以内でおこなわれたと言うと大変さがわかるだろう。
それに・・・
「 ガタラさん手加減してくれてありがとうございます 」
と言うとガタラさんがニコッと笑ってくれた。
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(/・ω・)/




