29ポイント目「不死魔物の街」
赤く染まる街の中歩き続ける不死魔物の群衆を前に俺は弓を左手に持った。
ケインさんはすでに剣を抜き不死魔物の群衆を睨みつつ腰から取り出した子袋の中身を水袋の中に溶かしたようだ。
それを剣に垂らしすぐさま斬りかかる。
「 くたばれ死体ども!! 」
所々が欠損しているゾンビの群れの中に飛び込みスパンスパンと次々に首を刎ねていった。
何体かの首を刎ねる時だけ少し躊躇うような間があったがそれでも次々に首を飛ばしていく。
どう見ても人間としての姿を保ったままのゾンビを見て動けずにいると
「 シンジ戸惑うな!!こいつらはどんなことにしても人間には戻らねぇ!!クソ偉ぶった神官みたいに”慈悲深い終わりを”とは言わねえが魔物として他の探検者を襲わせるより一思いに止めをさせ!! 」
と、そう言いながらもケインさんはどんどん首を刎ねていく。
心の中の葛藤を少しの間深く息を吐き覚悟を決めて消し、その後ろから奥の方のゾンビめがけ山の中で蜘蛛に使ったミストル銀をコーティングした矢を放っていった。
矢が突き刺さるとともにその部分が吹き飛んでいく、まさに効果は抜群だ!!
「 シンジ俺お前いい武器持ってんじゃねぇか!! 」
「 ケインさんたまたまですよ・・・それに少しブルってますし・・・ 」
ズドンズドンと体に穴をあけゾンビがはじけ飛ぶ中でケインさんの返答に答えた。
ミストル銀の矢の在庫が切れたところで弓を”箱”に戻し、ミストルブレードナイフを右手で逆手に持ちケインさんの邪魔にならないように突貫する。
ケインさんの剣の届かない範囲の敵をナイフ片手に旋風となって蹂躙していく。
斬り付けたところから焼け爛れていくゾンビを死臭に鼻を曲げながらなぎ倒していく。
しばらくして周りが静かになり”動かない死体”の山が築かれていた。
あたりには夜の帳がおり静寂と独特の怪しさを漂わせている。
ゾンビは対処しやすい魔物だと正直思った。
実際動きは遅いし特殊なスキルを使うわけではない・・・ただし痛みで動きを止めるわけでもなく集団で特に効く武器を持っていない状態なら厳しいだろう。
そう言えばケインさんのあの水・・・
「 とりあえずこの辺の死体どもは終わったな・・・ 」
「 はい、ケインさん・・・そういえばさっき剣に垂らしていたのはもしかして”聖水”ですか? 」
「 ああ、”聖塩”を買っていたろ?聖水は値段の割に日持ちしないが聖塩は日持ちはするがこれで作った聖水は効果は数時間程度だが綺麗な水さえあればいつでも”聖水”ができるからなこの階層まで潜るなら大抵の奴は買ってるもんさ。シンジのその武器みたいのがあればこんなの買わなくてもいいんだろうけどな 」
「 ケインさん少し剣を貸してもらっていいですか? 」
「 ん?ああ、いいが 」
そう言って剣を受け取るとしゃがみ込み”錬金術”を使い剣の刃先の片方にミストル銀をコーティングしていく。
これでミストル銀の在庫はなくなったがこれでケインさんも不死魔物と戦いやすくなっただろう。
「 すみませんケインさん勝手に剣に”ミストル銀”を塗装させてもらいましたよ・・・こちら側だけですが・・・ 」
「 シンジ・・・お前多才だな・・・ありがとよ 」
”動かない死体”の山の中からミストル銀の矢を回収しゾンビをどうするか決めていたが
「 すまん、シンジ・・・この皮鎧と長髪とローブの死体を”箱”に首と胴体をセットで収納してもらえないか? 」
「 ケインさんいいですけど・・・もしかして・・・探検者ですか? 」
「 話しておくべきだったか・・・実は異界迷宮に入る前にクエストを受けてきてたんだ・・・そのうちの一つが”行方不明者の捜索”ってことだ・・・こいつらも下手こきやがって・・・ 」
と言われ全てを回収するのはやめておいた。
この死体は探検者のなれの果てか・・・あれ・・・そう言えば・・・
「 ケインさん、スコットさん達は大丈夫なんですか? 」
「 ああ・・・それも説明してなかったか・・・実はな・・・ 」
説明を受けると簡単な事だった
◇異界迷宮は最深部が1フロアのみでその上の階層から二乗でフロアの部屋数が増えていく。
◇同じ階層の別な部屋に移動する手段はない。
◇送り込まれる部屋はランダムで決まる。
つまり最深部から逆ピラミッドの形で異界迷宮は広がり同じ階層にいても別な部屋には行けない。
なるほどと今までの引っかかっていた部分が解消できた。
「 順当通りにいってれば奴らもこの階層まで降りてきてるだろ同じクエスト受けてたみたいだしな・・・とりあえず次の階段探すか 」
「 はい、行きましょう 」
暗くなった死臭漂う街の中を二人で静かに歩いていく。
建物の中を捜索している途中何体かゾンビに遭遇したが集団ではなかったのでそのたびになぎ倒していった。
「 いいなこれ!!凄く斬りやすいぞ 」
ケインさんはコーティングを施した剣を振りながらそう言ってくれた。
そうして建物の中を探索して2時間ほどたった時、数ある建物の中の一つで無事階段を見つける事ができた。
「 次の階で安全な場所を探して休息しようじゃねぇか・・・お前も疲れただろ・・・ 」
「 色々とすみません・・・ありがとうございます 」
こうして不死魔物の街を後にして俺達は夜の中を階下を目指し進んでいった。
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