27ポイント目「実りの樹」
「 ドゥンケル、そこまででいいでしょう。セイカキーレお前から話をなさい 」
紅い”核”を撫でていたドゥンケルさんを微笑みながら見つめていたセイカキーレ様がヴォルドー様の声を受けこちらを向きポツポツと話し始めた。
「 シンジ君・・・あのね今地上であまりよろしくないことが起きてるみたいなのよ・・・ 」
「 はぁ、具体的にどのような? 」
「 シンジ君、少しお話が長くなるから・・・ノイケちゃん私にも椅子とお茶よろしいかしら? 」
「 はい、少々お待ちくださいませ 」
そう言うと用意された椅子に座りセイカキーレ様が詳しく話をされた。
ってかいつの間にかドゥンケル様が用意された椅子に腰掛け”核”を撫でながらお茶をすすっていた。
「 っていう感じなの~シンジ君理解できた~? 」
相変わらずのほほんとした感じのセイカキーレ様の話を要約すると
◇最近自分に上がってくる願いに”助けて欲しい”と言うものが極端に多くなってきた。
◇信心深かかった者の”祈り”が少なくなってきた。
◇地上で国家間や民族間の戦争や流行り病等もないのにも関わらず上記の事が起きている。
う~ん確かに話を聞くと違和感ビンビンな事象が起きているみたいだ・・・
いろいろ考えているとセイカキーレ様が話してる最中ボリボリとクッキーのような焼き菓子を貪っていたヴォルドー様が
「 こういう場合一番の疑問だと思うから答えておくよ、我々は直接地上に手を出すことはしない・・・というか出してもいいけど出したら大変な事態になる可能性もあるからね 」
「 天災とかそういうことですか? 」
「 そうだね、例えるなら魚を焼くのに太陽を使うようなものだからね・・・ 」
結構力加減というのが難しいのだろう。
助けようと思って天災おこして被害出すなんて眼も当てられないもんな・・・
「 シンジ君~どうか地上をお願いしますね~ 」
「 えっ!? ちょっと待ってください。 」
こちらの疑問もお構いなしにセイカキーレ様が言葉を続ける。
「 2つほどあなたへの助言を・・・ 」
「 は、はい・・・ 」
「 一つ~、異界迷宮を出たら”オーガの森”へ向かいなさい~。場所は貴方の探検者の先輩に聞けばわかるはずです~。そこで素晴らしい一族と会う事になるでしょう~。 二つ~、貴方の前にもうしばらくしてから困っている”人であるが人でない者”が現れます~。その者をお助けなさい~。あなたの・・・いえ、地上世界の救世主になりましょう~ 」
「 セイカキーレそこまででいいよ・・・シンジ、こちらへ来なさい。」
そう言われヴォルドー様のもとまで歩いた、するとふいに頭を軽く撫でられた。
ヴォルドー様・・・なのか・・・いやヴォルドー様だ。
目の前にいるのは黒い紬を羽織った長身の凛とした顔立ちの青い長髪をポニーテールに束ねている糸目のとんでもないプレッシャだが暖かいオーラを持つ神だった。
けれども間違いなくヴォルドー様だ。
手に苗木を持ちこちらへ向けてきた
「 シンジ・・・これを 」
「 これは? 」
「 これは”実りの樹”・・・”世界樹”の亜種と言ったほうが早いかもしれないな。 」
世界樹といえば・・・世界を支える大樹つまりは世界が家ならば大黒柱のような物だ。
それを俺にいただけるというのはどういうことなのだろう?
「 ここに創世神”☆☆☆”の名において命じる。”実りの樹・ラウニ”よ汝が所有者を我の眷属である”森崎慎司”に任命する。」
そう言うとこの何もない空間の地面と思える部分へ”実りの樹”をおろした。
すると何もない空間が一瞬で草原のような場所へ変わり”実りの樹・ラウニ”が根を張り瞬く間に急成長を遂げ大樹へと変わった。
「 私達からのプレゼントはこの箱庭世界だ。お前の好きなように使って構わない。もしもこの箱庭世界を変容させたいのであれば”ラウニ”に触れてお願いしてみなさい、答えてくれるから 」
「 ヴォルドー様・・・一体どういうことですか? 」
「 今は仮でいい・・・元の世界に帰りたいのであればそれでもいい・・・もしこの世界を冒険してシンジがいいと思うなら”私達の家族”となってほしい・・・そのため箱庭世界だ 」
「 俺にそんな資格があるのですか? 」
「 正直に言おうシンジ・・・君の魂は元々この世界にあったものだ・・・そして私の愚かで可愛い子供であった者の魂だ・・・正確にはその欠片だがね 」
その後細かい話を聞き色々と理解した。
自分の事・・・この世界の事・・・
今の自分で何ができるかわからないが少しでも自分の目でこの世界を見てみたいと思った。
そして戻る戻らないの結論を出そうと思った。
今はただ前へ進むための足を踏み出す事をやめないようにしようと思う。
「 さて、我々はここらでお暇させてもらうよ・・・あっ、そうそうこれもサービスだ 」
「 でわ~可愛いシンジ君に私も少しだけ~ 」
「 ふん、甘やかしすぎではないか?父上もセイカキーレも・・・ 」
そこまで言うと勝手に俺のステータスが開き
”時空間魔法LV10””入手ポイント倍率UP”を手に入れました。
と表示された。
「 ここでの時間は外とは違う、地上では一秒も進んでいない・・・地上に戻ってからも頑張るんだよ。戻り方は理解できるね? 」
「 はい、大丈夫です。何から何までありがとうございます 」
「 そうそう、シンジその子はここに置いて行った方がいいよ。まだ戦えるだけの力があるように見えないからね・・・それでわ 」
そう言うとヴォルドー様達は霞のように消え去った。
そしてさわやかな風が吹きラウニと草原を揺らし心地いい葉擦れと草擦れを立てた。
揺れるラウニを見上げる。
ヴォルドー様の言った事を考え胸元から話の間ずっと静かにしてくれていた”ハク”を出しラウニの近くにおろした。
「 いい子でお留守番してもらえるかな? 」
「 ピッ♪ 」
大丈夫!!といった感じの答えを聞き俺は”ハク”に微笑みながら
「 行ってくるね 」
というとすぐさま”時空間魔法”を発動させ
「 空間転移」
俺は異界迷宮の中へと戻った。
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感想があると3倍の速さで執筆ができる気がします(震え声)
投稿について活動報告に書いておりますのでできればお読みください。
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