特別ポイント3「美貌(わかさ)」
特別ポイント3つ目です。
特別ポイントは後から意味が出てきます。
気づいてる人は気づいているかもW
カーミラ・ティベリは絶世の美人だった。
その美貌を一番生かせる職業「娼婦」として輝いていた。
一般の娼婦館と違い「高級娼婦館」・・・貴族や豪商しか通えないほどの高額な娼婦館で一番の「高嶺の花」として栄華を誇っていた。
「だった」というのはそれはすでに40年以上前のことだからである。
「 おばあちゃんこれも洗っといてね~ 」
投げてよこされたドレスやショーツ・ブラなどが床に散らばった・・・
それを拾うカーミラの手は皺だらけで腰も曲がっていた。
「 おばあちゃんか・・・ 」
かつて栄華を誇っていた美貌は見る影もなく、金のような輝きをしていた髪は白髪だらけになり男を手玉にとっていた芸術のような透き通った手は皺だらけに・・・
よる年波には勝てずに色々と失っていった・・・
今カーミラは場末の娼婦館で小間使いとして働いていた。
娼婦館の裏手にある従業員宿でカーミラは毎日故障してガタが来た体に鞭を打ち関節痛などの痛みに耐え家事をこなしていた。
「 あの頃に戻りたい・・・ 」
かつてカーミラには身請けをしてくれると言っていた貴族が何人もいた。
あるものは竜血石の首飾りをまたあるものは金毛狐のコートを・・・
そうしてプレゼントされた物を着飾る彼女はまさに”夜の蝶”のように優雅で妖艶でそして綺麗だった。
しかし問題があったのだ娼婦館の主人”ダン・フェティシア”と性悪の貴族”ルーク・ビレ・ランドール”がいたことだ・・・
ある時からカーミラへの客が徐々に減っていった。
理由は至極簡単だカーミラの華代が急に2倍になったからだ。
おかげで一般のお客様が極端に減りよほどの豪商か力ある貴族しか遊ぶことはできなくなってしまった。
それからしばらくして身請けをしてもいいという力ある貴族が現れた。
ルーク・ビレ・ランドール辺境伯だ・・・
カーミラの住む歓楽地”プラネッテウム”のある地方領主である。
カーミラも娼婦としてのぎりぎりの年齢になっていたこともあり娼婦館の主人・ダンもそしてカーミラ自身も二つ返事で了承した。
身請けされたカーミラは婚姻もされず買い殺され妾としてその間「籠の中の鳥」のように本宅とは別の場所で軟禁状態で可愛がられた。
しかしルークは女癖が悪く他にも気に入った娼婦を見つけてはカーミラと同じ別宅でいつからか生活をさせるように・・・。
そしてカーミラが50をすぎたある日の事突然出ていくように言われ抗議をする間もなくわずかの支度金だけ渡され別宅から追い出されることに。
それから色々と職を転々としたが娼婦館で育ったカーミラに務まる仕事もなく支度金も底を尽き住む場所にも困り果てるようになった。
そこで古巣であるダンの経営する「高級娼婦館」へと何とかならないかと頭を下げ下働きとして働く事になった。
それから10年ほど過ぎ「高級娼婦館」もダンの息子・アニトムが受け継ぎルークも息子であるシグムントに辺境伯の地位を受け継がせていた。
「 せめて子供でもいれば今頃違ったのかしらねぇ・・・若い子が恨めしいわね・・・ 」
「 おや・・・ご婦人、貴女”若さ”を欲していらっしゃるな・・・ 」
声がする方へ目を向けると薄汚いローブに身を包んだ老人が立っていた。
こんな夜にいきなり音もなくあらわれた老人に不信感しかわかなかったが不思議と声に惹かれてしまった。
「 乞食は見つかったら大変な事になるわよ。悪いことは言わないから娼婦館の人間に見つからないうちにどっかいきなよ 」
「 おやおや、やさしいお言葉ですが・・・これを貴女に差し上げたく来た次第ですよ・・・ 」
そう言うと老人のしわしわの手には不思議な輝きを見せる赤い宝玉が握られていた。
「 こんな高級そうなもんもらうわけにはいかないよ。どっかに売りにでも行ったらどうだい? 」
すると赤い目を輝かせ不思議な魅力の声でカーミラに囁きかけた・・・
「 今の現状に満足ですかな?これを受け取れば貴女はあの”輝かしい時”を取り戻す事ができるのですよ・・・ 」
老人の申し出にカーミラは自分でも気づかないうちに手を伸ばし赤い宝石を受け取った。
「 ふふふふふふ、でわ私はこれにて失礼しますよ・・・ 」
不思議な老人が立ち去った後には赤い宝石を持つカーミラがうずくまり小刻みに震えていた。
そして「高級娼婦館」の裏手から悲鳴が上がったが歓楽街の喧騒へと消え去ってしまった。
「 聞いたか絶世の美女が”流し”で夜、あの通りに出るって話 」
「 聞いた聞いたこの後でも行ってみるか? 」
歓楽街のとある酒場で飲んでいた探検者が噂を確かめようと噂が立っている通りにやってきた。
噂の通りは歓楽街の中だというのにあまり人通りが多くなく歩いているのもこの2人の探検者だけだった・・・
「 おい、見ろ!!あの角にいる女・・・ 」
「 凄ぇ上玉じゃねぇか!! 」
男達が潰れた酒場の角の薄暗い路地の方に目をかけるととてつもない妖艶な絶世の美女が手招きをしている。
ただし上半身だけこちらに出している状態ですぐに路地へと消えて行った。
男達は顔を見合わせ静かにうなずくと路地へと足を進めていった。
すると物陰に先ほどの美女がいた・・・そしてこちらを見つつ
「 私は綺麗かしら? 」
「 はい、とてつもなくお綺麗ですよ!! 」
「 そうそう、大金貨2枚でお願いしたいくらいの!! 」
美女はうれしそうに微笑むと切れ長の目を細めて
「 では、”私の美”の犠牲になってちょうだい!! 」
美女の口から先が分かれた長い舌がチロチロと出ている。
そして歓楽街の夜に男達の声が響いたが喧騒に消えていった・・・
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