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特別ポイント2「「才能(ちから)」

3万PV達成できました。これからもご愛読していただけますようよろしくお願いします。

スパーダはいつも思っていた。



「 なぜ自分は他の兄弟と違い特技もなく貧弱で低身長なのか・・・ 」



スパーダ・リ・マルクス


マルクス男爵家の長男だが他の3人の兄弟とは違い貧弱で低身長特にひぃでた特技もなく

父親であるドボル・リ・マルクスからはすでに見きられ二男のミレントが家督を継ぐのも決定している。



マルクス男爵領は領内の4割を占める大森林のおかげでそれほど豊かでもないが自然の恵みには事欠かず

男爵自ら農業に領民と精を出し領民からの不満も出ず問題なく領地を治めていた。



「 ミレント!! 」


「 どうしました父上!! 」


「 スパーダはどうした? 」


「 兄上ですか?キルト知ってるか? 」


「 スパーダ兄ならさっきバレスト兄と森に夜の獲物の狩りに行きましたよ? 」


「 スパーダだけなら心配だがバレストが一緒なら問題ないな・・・今日の歓迎の準備はこの後我々だけでするか!! 」


「 宰相閣下がまさかこんな僻地まで来られるとはありがたいですな父上。 」


「 ああ、しかもお前の男爵位継承と領地権利引き継ぎの為わざわざ来てくださるのだからな。 」



こうしてマルクス男爵と次男坊ミレントと四男坊キルトは日課である畑仕事に精を出していた。




「 兄さん、なんであんなところで音なんてたてるんですか!! 」



「 バレストごめん・・・ 」



とても珍しい「モモレッタ」という王国首都の城下町では高級料理店でしか扱っていないような高級食材として有名な鳥をスパーダの不注意で逃がしてしまったのだ。



「 今日だけじゃないですよ毎回に近いじゃないですか!!家に帰っててください僕一人で十分ですから!! 」



そういってバレストは一人足早に森の奥へと駆けていった。



「 僕にも才能ちからがあれば・・・ 」



一人ポツンと置いてけぼりにされたスパーダが呟いた。

スパーダが昔から欲して望んでいたもの・・・それは”才能”だった。

次男のミレントは剣術と棒術の腕前がよく三男のバレストは弓の腕前が四男のキルトは知力にたけていた。

しかし長男であるはずのスパーダはこれといった特技もなく知力も平均で身長にいたっては兄弟の中で一番低いし筋力もない。

そう”才能”への尽きる事のない欲求は”餓え”といっても差支さしつかえのないモノにまでなっていた。



「 帰るか・・・ 」



そう思って森を出ようと後ろを振り向いた瞬間”異形”がそこにいた。

ただしくは黒いボロボロのローブに身を包んだ老人だったが。



「 貴方様は”才能ちから”を欲していなさるな・・・ 」



スパーダはドキッとした目の前の老人から自分の心の中を見透かされているような言葉を投げかけられたからだ・・・



「 おじいさん僕は家に帰らなければいけないので失礼しますよ。 」



スパーダは貴族として当たり障りのない挨拶をして怪しい老人にはかかわってられないと足早に去ろうとした



「 わしなら貴方様の望むものを授ける事もできますがね・・・ 」



老人を通り過ぎてそそくさと帰路に着こうとしていた背中から信じられない言葉が投げかけられた。



「 僕をたばかるつもりなのでは無いのですか!! 」


「 謀るなど致しませんよ・・・なにぃ・・・迷えるものを導くのが長く生きている老人の務めと思っていますからの貴方様は悩んでおられるそれを感じたから貴方様の目の前に姿を現したまでのこと・・・ 」



スパーダは記憶の底の知識を掘り起こした。

物語で読んだ悪い魔法使いの常套文句とまるで似たような甘言だった。

しかし同時に”もしも才能を手にすることが出来るなら”とも考えてしまった。



「 もし、おじいさんが僕の望むものを持っているとしてもそれは僕自身で手に入れなければいけないものなのでいらぬ心配です。 」


「 ほほう、そうおっしゃるが貴方の中の”飢え”はいつ癒されるのですかな? 」



スパーダは息が詰まってしまった。自分の”飢え”才能ちからへの渇望かつぼう・・・実際自分の才能のつけ方・開花のさせ方など少しもわかっていないのが実際である。

追い討ちをかけるように



「 私なら貴方様の御力おちからになれると思いますがの・・・ 」



駄々(だだ)をこねそうな子供をさとすようにゆっくりとした口調で老人が言い放った。



「 どうすれば僕の求める”モノ”が手に入るというんです・・・ 」



その言葉を聴いた途端老人の目が”赤く・鈍く”輝いたように思えた。



「 どうぞこちらをお飲みください・・・飲めばたちまち貴方様の求められし”モノ”が手に入るでしょうぞ。 」



老人の手からスパーダのてのひらに磨かれたように赤く輝く玉石が落とされた。

最初断ろうと思っていたスパーダの心の中に最早もはや断ろうと思う気持ちは微塵みじんもなくむしろ渡された瞬間から掌の中にある赤く輝く玉石に魅入られていた・・・

数分後森の中にスパーダの絶叫が木霊こだました。




それから5日後・・・



「 スパーダはまだ見つからんのか? 」


「 はい、父上。いま猟師数名とバレストが探索に当たっています。後数日見つからないようなら探検者ギルドにクエストを出そうかと思っております。 」


「 ミレント兄、今は少しでも問題事や散財を気にしなければいけない時期なので出来るだけ穏便に事を運ばなければ・・・ 」


「 しかし、いくら不出来の兄とは言え早く見つけたいと思わないのかキルトよ? 」


「 ミレントよ、継承式の為に来ていた宰相閣下が気にされていただろうから早く見つけないといけないぞ。ちょっとした事で宰相閣下から不快感を買うかもしれんのだぞ!! 」



力ある貴族の顔色を伺わないといけないとは弱小男爵家の悲しいところである・・・




「 猟師の方は南方面を・・・私と農民の方々は北方面に向かいますので私についてきてください 」



他の兄弟はなぜ来ない・・・確かに私は猟になれ何よりこの森に慣れているとは言えせめてキルトくらいは搜索にきてもいいだろう!!

そのような憤りを持ちながら元探検者の農民を5人引き連れ愚兄の捜索に3時間ほど当たっていた。



「 バレスト様・・・あれは・・・ 」


「 蜘蛛の・・・糸・・・いや蜘蛛の領域テリトリー・・・ 」



少し疲れが出てきたところで見えてきた遠くの光景に目を奪われた。

あたり一面を白い物が染めてあたかも”かりそめの銀世界”を作っている。



「 各自警戒しろ!!近くに魔物がいるかもしれない!!注意を怠るな!!愚兄が捕らえられている可能性がある。もし亡骸だとしても私には帰り届ける義務がある諸君協力してくれないか・・・ 」



私の声を聞き5人がそれぞれ自分の得物を持ちこちらを見ると深くうなずいてくれた。

”かりそめの銀世界”へ警戒しつつ足を進めていく。



「 おい、エルマーはどこへ行った? 」



列を組んで進んでいたが一人消えた・・・

周りを見渡すとしばらくして剣が降ってきて地面に転がる。

見上げると糸でグルグル巻きにされたエルマーと呼ばれた元冒険者が宙吊りされていた。

さらにその上に白い糸でできた天蓋てんがいが空を覆っているそこに逆さになり”ソレ”はいた。

赤い眼でこちらを見ている人外の異形の者。



「 何だ奴は!! 」



その声を上げたあとで森の中に喧騒が起こり、そしてしばらくのあとで静寂が森を包んだ。

そして数日後探検者ギルドに領主直々のクエストが貼られることになった。


感想お待ちしております。

感想いただけると執筆加速できそうな気がします。(震え声)

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