表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
涙の帝国Ⅱ 〜狂乱の宴〜  作者: 下松紅子
第一章 殺人事件
6/7

殺人事件-5

金髪を一つに結い、赤い燕尾服(えんびふく)を身に(まと)っている。

世間ではこれをイケメン女子と言う。


「リドリーさん、文を出したのは本当ですか?」

「はい。瞬間移動(シフト)で送っておきました」

「ナイスです。てことは嫌でも行くことになったなーーー……って逃げたな、あいつ」


シャルが消えたこと気づいた瞬間、王城の外で悲鳴が響いた。

しかもリドリーさんまでいなかった。

………捕まったな、あれ。




。。。


その夜、リドリーさんに瞬間移動(シフト)で私、駿、紫、ラティ、シャルを碧の帝国(あおのくに)に送り届けてもらった。

やっぱり馬車で行くべきだったな。駿以外、全員酔った。

シャルなんか隣でグロッキーだよ。


「わざわざ、長旅ご苦労様でございますわ。殿方と涙女王陛下」

「あんたが(りん)女王か」

「言葉を慎みなさい。異者(リビリア)風情(ふぜい)で」


深い海のような髪に蒼い目。美形の顔は黒いベールに隠されており、蒼い目が黒いベールからチラチラと覗く。

青と黒の鮮やかなドレスが国を象徴してるようにも見える。


「それにしてもよくご無事で。シャルロット王子」

「あ…はい…おかげさまで…」


自分を殺そうとした女王の前でシャルは蒼白している。

まあ、当たり前の反応か。


「それで御用とは何でしょうか?」

「えーと率直に言うといつも側にいるナイトさんを出してほしいんだけど?」


勘付いたのか、女王は顔をしかめた。

そしてまた嘲笑う顔を浮かべ、


「ナイト、こちらへ」


と言った。

すると王座の向こうから兜に騎士の鎧。記憶を見た時と同様顔は見えないまま。


「女王。この者達は?」

「あなたにお客様よ。おもてなしてあげなさい。(わたくし)は部屋に戻りますわ」

「御意」


と女王は王座の向こうへと行った。

ナイトは下げた頭を上げ、私達に向き直る。


「で、何用だ?」

「正直にオブラートに包まずに言うと自分の罪を吐けって言いたいのですよ、ナイトいったぁぁっ!! 何すんだよ! 紫!!」


後ろから紫のチョップ。

いや確かにオブラートに包まずに言ったけども、てか宣言しちゃったけども!

あ、ヤバイ。すごい怒ってる感じだ。


「罪とは何のことだ?」

「あれだよ……げふん、あれですよ、貴族グロテスク連続殺人事件。あれの犯人あんたでしょ…あなたですよね?」

「リビリア特有の能力か」


目が隠れているから表情はわからないが、気に障ったのはなんとなく分かる。

証拠隠滅したのにバレた。とか思ってるだろうね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ