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暗殺物語~第19章~

しばらくあいてすみません・・・

言いたいことがある・・・。

そう言った至宝はしばらくの間沈黙を保った。


この沈黙がどういう意味なのかはレンにも此方にもわからないであろうが。






沈黙からしばらく。至宝が顔を上げると急にレンの胸ぐらをつかんで出口の方角へ投げた。



「・・・・ッ」


「ちょっと・・・至宝さん? 何してるの・・?」

此方もビックリした様子で至宝から1歩後ずさる・・・。


「なにすんだ・・・てめぇ!」


レンもなんだかわからずただ怒りを表した。

そうすると至宝はだんだんレンに近づいていき蹴ってレンを部屋の外へ追いやった。


レンが追い出されたあと至宝はその部屋のカギを閉めた。


ガチャ。


「おいっ! 至宝! 何してんだっ!」


レンが外からドアを叩きながら叫ぶ。

しかし至宝はその叫びに答えることはなかった。


「・・・くそっ!」

レンはそういうとどこかへ走り出した。







「・・・至宝さんどうしたの?」


此方は恐怖でなのか顔が少し歪んでいた。

至宝は此方にだんだん近寄っていく。


スタスタ・・・・


1歩至宝が進むたび此方が1歩下がる。

しかしこの動作を遮った壁が此方を恐怖のどん底へと追いやる・・・・


至宝と此方の距離が0距離に近いところまで来て至宝は歩みをとめた。

「・・・至宝さん・・・もしかしてあなた・・・」













~一方~

「はぁ~出口ねぇ~! でもあきらめないぞ!!」

「んだよ。こんな大変な時までウゼェのかてめぇは・・・」

「あぁ?うざくなんかないもん!!」

「うぜぇよ!十分すぎるほどに!!」

「まぁまぁ・・・」

神域とポチが今までとさほど変わりのない喧嘩を始める手前で北斗がわって入る。


「あ、どうしよう北斗。 私今すごいポチがヨーグルトに見えた」

「え~・・・マジで? おいしそう?」

「う~ん。 微妙。 でもどっちかっていうと・・・不味そう」

「そりゃ残念!」

「てめぇら・・・いい加減にしろよ!!! 北斗ものっかんなよ!」

「うるさいよ・・・」

「・・・チッ」



と、話をしている3人の目の前には人影らしいものがユラユラと近寄ってくるのが見えた。


「なんだありゃ・・・」

北斗が目を細めながら言う。

「人?」

神域はポチに向けて言った。

「・・・におい的には人・・・だが、いやなにおいがする・・・」

「敵か・・・」

神域が言うとその場の3人は目を合わせてニタァと笑った。



そういうと3人は自らその人影に突っ込んでいった。















~個室~


此方のセリフから少しの沈黙の後・・・

続きを言った。

「・・・ウイルスに・・・かかって・・・!」

此方は丸い目で至宝を見る。


「しっかりして!! まだ、間に合うわよっ! 至宝さんっ!」

至宝は此方を見下したまま視線をそらさない。


「・・・と言いっても、もう届いてないかもしれませんね・・・・」

「・・・・・」

此方はポケットにある小型ナイフを取り出した。



サッ!

グシャぁ!!


血の飛び散った音が個室に広がる。





「!?」




心の臓を貫かれて崩れ落ちた。




「・・・・何故?」

苦しそうに問いかける・・・・・此方。


そう。 射したのは至宝の方だった。




「何故かって?・・・・そりゃぁてめぇがウイルスに感染してるからだよ」

「何故・・・わかった・・・・?」

「俺はあんときのあんたの言葉を聞き逃さなかった。ただそれだけだ」

「・・・?」

「わかんねぇのか? あんときだよ」



【まぁ・・・それができればいいんだけどーたぶん無理じゃないかなぁ・・・】



「あの時のあんたの言葉が弱気だったんでな。それが穴だったな」

至宝は此方に視線を向けると、鼻で笑ったあと

「つってももう届いてねぇか」

と言い残した。









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