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一章・プロローグ

はじめまして、あらんどろんです。

初投稿になります。

何とか完結目指してかんばっていきます!









ある日、ある朝。

大きな大きなお屋敷のある一室、そこに一人の少女が眠っていた。

肩ぐらいまである薄い紫色をした髪、整った顔は綺麗というより可愛いといえ、静かに寝息を立てて一人で眠るには大きすぎるベッドに横になっている。


そんな少女が眠る部屋に一人の女性が入って来た。もちろんノックは忘れずにだ。


「お嬢様。起きていらっしゃいますか?」


感情があまり感じられない平坦な声、しかしその透き通った声はとても耳に優しい音色をしている。

染めることでは表現できない長い金髪のブロンドに、特徴のあるつり目、メイド服を着込んだおそらく年は二十歳前後だろう。


その女性は今だ眠る少女に僅かに表情を崩した後、近づく。

それから優しく肩をゆすり口を少女の耳元に近づけ呟く―


「今何時だと思ってやがる?今すぐ起きないと体中犯しまくって私なしじゃ生きられない体にするぞ?」


とんでもなく物騒な言葉だった。

というか初対面の人はまずこの女性がこんな言葉を言うとは想像できないだろう。


そして、その物騒な言葉は深い眠りから目覚めようとしていた少女を完全に叩き起こした。


「ひぃぃっ!?な、なななななななナユラ!!あ、ああああああああんた朝っぱらから何てことを言うのよ!?」


「おはようございます。ユーリィお嬢様」


ユーリィと呼ばれた少女が飛び起き、若干ナユラと呼ばれたメイドから距離を取り文句を言うが、ナユラは気にしたふうもなくマイペースに起きたユーリィに挨拶をした。


「あ、おはよう。…じゃなくて!目覚めが悪いからそういう起こし方止めてって前から言ってるじゃない!!」


「こうでもしないとお嬢様はお目覚めにならないではないですか」


「そうね…って違うわよ!そんな設定勝手に作らないでよね!?」


「ちっ」


「舌打ち!?」


けったいな態度なメイドにいつもの事だと頭を押さえつつユーリィはとりあえず大きなベッドから降りる。


「……お父様は?」


「旦那様は今日も朝から会議がございますので、もう既に出かけられております」


「そう、お父様も大変ね。毎日毎日、ちゃんと休んでるのかしら」


「その言葉を旦那様に申してあげてください。喜んでくれますよ?」


「やぁよ。恥ずかしいじゃない」


そう言って少し頬を赤らめる少女にナユラは今度こそ優しげに微笑んだ。


「な、何でそんな生暖かい目でみてるのよ!」


「いいえ、いいえ。お気になさらず」


「~~~~~!はぁ…もういいわ。着替えるから手伝って」


「ユーリィお嬢様は16歳にもなられて一人でお着替えも出来ないのでちゅか~?」


「なっ!し、仕方ないでしょ!!制服なんて初めて着るんだもの!!」


ナユラの言葉に一気に羞恥に顔を真っ赤にさせながら、ユーリィは言い訳の言葉を吐く。

まぁあながち言い訳でもないのかもしれない、彼女は確かに制服を着たことはないのだから。


「いよいよ今日からですね」


「……そうね」


「楽しみですか?」


「ゼロとは言わないわ。学校いくのも初めてなんだから」


そんなことを言いながらもナユラには目の前の少女が昨日楽しみであまり眠れていないのを知っている。

本当にこの子は可愛い。そう改めてナユラは思った。


その後、ナユラからの多少のからかいもあったが、無事に着替えも終わりユーリィとナユラは屋敷の外に出て、黒いリムジンが止めてある玄関まで来る。


「お似合いです。お嬢様」


「ありがとう。キール」


ブラウン色の可愛らしいデザインの制服に身を包んだユーリィに初老の男が嬉しそうに感想を言う。

彼の名はキール。このリムジンの運転を任されている男だ。

と、そこに今度は使用人としての顔をしたナユラがユーリィに声をかける。


「お嬢様、今日は先方へ挨拶だけとなっておりますがラーハスト家の令嬢として行動に恥のないようお願いします」


「分かってるわよ。ただの留学じゃないことぐらい私にも分かってるわ」


「出すぎたことを申し訳ございません。ですが、貴方はこのエデンの姫として―」


ナユラは言葉を続けながら空へと視線を移す。


「地球へ行くのですから」


そこには青い空、白い雲。

そして、青い空に同化したように浮かぶ青い星が浮かんでいた。










1998年、突如地球…それも日本の関東周辺に巨大な地球と良く似た青い星が出現した。

だが、それは実物ではなくホログラムのように映るだけ。

日本だけでなく各国から調査団が送られてくるも結局その星が何なのかは解明されなかった。

だが数ヵ月後、その星の使者だと名乗る数人の者達が日本に訪れたことにより、話は加速的に進むことになる。


その星の名はエデン。

科学が進んだ地球とは違い。地球で言う「魔法」が発展している星であった。


その後、二つの星で幾度となく対話を繰り返し、地球の人々も魔法を使えることが分かったことにより和平を結ぶ。

地球は科学を、エデンは魔法を対価にお互いの星の発展へと勤めた。


それから十数年たった2009年。

地球、日本のある街にある一軒家。

そこに眠る一人の少年を中心にこの物語は始まる。










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