表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/11

No.08:『遠距離恋愛にも満たない』

テーマ:[恋心]


恋愛に億劫になっているのか。

僕には、気になっている人がいる。

女性だ。


僕はその人と一緒にいると、自然と口角が上がってしまう。

普段口下手なくせに、思ったことをポロポロと溢してしまう。

この前も、その人の髪を触る時の手グセが面白くって、ツッコんでしまった。

するとその人は、ニコニコと笑った。


僕はその人と、話してみたいと思っている。

また話したいというわけではなく、話してみたいのだ。


なぜわざわざ表現を変えているか、僕にも分からない。

この前話した時は、僕たちの他にも何人かいたので、二人きりで話したいから、話してみたいと表現しているのだろうか。


いや違う。

そういえばまた別のタイミングに少しだけ、喋ったことがあった。

共通で勉強している資格の話で、特に面白みもない。

まあ、その時は流石に変な表情はしていなかったはずだ。


ならば何だ。

僕が話してみたいと思う理由……。


実は僕はベッドの中なのだが、今晩はその女性や僕の心理について考えっぱなしだ。


わざわざ未経験に塗り替える理由、って。


数十秒ほど考えて、ようやく一つ、答えを見つける。

僕の気になっている人が、複数人いるせいだ。


思えば昔からそうだった。

僕には、目についた人を観察する癖があった。

それがちょっと、今もなお悪い方向に作用しているのだ。


目についたというか、無視できなくなったとでも言おうか。

その人の話題だったり、単純に存在を感じることで、僕はその人に興味を示してしまうのだ。


だから、僕の気になる人は、本当に様々な人になってしまう。

慣れ親しんだ仲の人から、名前も知らない人まで。

顔が可愛い人がよく目についた気がする。

あまり面食いの自覚はないけれど。


自ずと僕の行動パターンも様々だ。

自ら話しかけに行ったり、相手の出方を伺い続け、ちょっとだけ気を引こうと独り言を呟いたり。

そんなんだから、コミュニティが崩壊すると、二度と会うことはない。


そういう存在が、僕の気になる人だったのだ。


そして今回は、気になっている女性が一人じゃなかったがために起こったと言える。

きっとどこかに、話したことのない気になっている女性がいるのだ。


そう知覚して、僕は安心する。

おそらくこれは、恋ではないからだ。


僕は女性に恋をしたことがある。

気になっている女性、というやつの、一段上の存在だ。


僕は小学生の時、何年生からか覚えていないが、ずっと思い続けた人がいた。

その時は明確に、話すのが億劫だったし、いざ話すとなると、恥ずかしかった。

胸がドキドキしたし、この気持ちを伝えようと思った。

呼び出して、二人きりにする。

たった一人の女性に好きだというために。


気になっている女性には、そういう気は起きない。

そもそも複数人いるわけで、同時に何方向も向くのは、恋とは呼べないはずだ。


僕は安堵した。

自分が実は面食いで、実は女性にコロッと傾くやつじゃないと、思えたからだった。


ならば、なぜあの人と話すと笑顔になってしまうのだろう。

僕はお笑いで笑うタイプだが、そういう人柄や笑ってもいいという雰囲気が、僕を安心させるのかもしれない。


でもとにかく、会いたいな。

何人でもいいから、目の前に、気になっている人が現れてほしいな。

【あとがき】

何気にはじめて恋愛について書きましたね。


面白かったら、絵文字を押していただけるとありがたいです。

感想やブックマーク、下の星もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ