↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
7/42

03 ウイスキー街道廃醸造工場救出作戦02

辰達が作戦に出る30分ほど前―――

整備ドックに停車中のガンバス車内で辰とルイが慌ただしく作戦準備をしていた、とそこに。

「そうやったルイ、ちょっとストームズさんのとこに後で行ってきてくれへん?」

「はぁ、レイんところにか?嫌なんだよなぁいつイヤミったらしくて」

ただでさえ整備長にも顔を合わせないといけないのに、そのうえ自分の苦手な人間とこに

顔を出せと言われルイは途端に機嫌を悪くした。

だが辰はそんなルイを予見していたようで。

「別に相手が白人やろうが関係ないぜ、お前が気にするから相手も調子に乗るんだ、だから―――」

「俺ら貧乏人に国籍も人種も関係なしって言うんだろ?そういうこと言えんのは純日本人だからだよ」

「おまえなぁ」

辰はやれやれといった様子で呆れた。ルイは宙を暫く見つめた後、観念した様子で。

「ええわ、まぁ行ってなんか取ってくればいいんだろ?はぁぁしゃーないか」

「スマンな、まぁこういうのも大人の社会では必要なもんだ」

辰は相変わらずニヤニヤしていた。

「おっさんがよっ」

「ストームズさんには連絡行ってるからな、頼むぜ」

はぁぁ、とルイは「大きくため息をついた。


そんなやり取りがあり、辰たちが作戦任務に立った後、

ルイは先ほど整備長にしこたま怒りを受けながら取り急ぎ車体の修理説明をし、

命からがら抜け出してレイの居るところまで急いだ。

ドアの前で少し立ち止まる。

白兵武器・弾薬管理室及び整備室。

大きな両開きのドアの上にはそのプレートが掲げられていた。

嫌々ながらドアノブに手をかけ、押し込んだ。すると。

「おおっ!?」

勢いよくドアが引っ張られバランスを崩し、そのまま前のめりに倒れこんでしまった。

顔を上げると、しゃがみこんで歯をむき出し笑っていたレイがいた。

「おぃールイ。気を付けろよ、馬鹿じゃないの?」

「おまえ、来るのわかってて待ち構えてたろ?しばくぞコノヤローがょ」

「偶然だろ、おこんなや。そんなんやったら渡すもんも渡さんぞ」

レイは立ち上がり背を向けた奥のデスクに向かった。

細身で長身、流暢な日本語+方便付、おまけにハンサムなナイスガイである。

入った倉庫のような部屋には大から小まで様々な武器が棚に大量に並んでいた。

奥では数名の男女が忙しく作業をしている。

ルイは体を起こし、胡坐をかいて言った。

「なぁ、なんでいっつもちょっかい出すの、なんか恨みでもある訳?」

「えぇ、だって楽しいだろ。歳も近いんだし、もっと仲良くしようぜ」

レイはシルバーに輝く拳銃を拭きながら、辰に負けないほどのイヤミったらしい笑顔を浮かべた。

「仕事じゃなかったら即ぶちのめすんだけどなぁ」

「まあ、そう言うな。日本じゃ数少ない”外国人”だろ俺たち」

それを聞いたルイは胸に手を当てながら言った。

「いいか?俺は、ハーフなの!お前とはちがうっちゅーに」

「まぁ、今じゃ住民票すら確認取れないからね、それでいいんじゃない」

「あんなぁ―――」

と、立ち上がって迫ってくるルイにレイはキーホルダーのような電子部品を肩越しにピュッっと投げつけた。

「うぉっと。なんじゃこら」

キャッチしたルイはキーホルダーを掲げ、天井のLEDを背に覗き込んだ。

「AIのアップデートパッチだ。お国のお偉いさんのプレゼントだ」

「なんでこんな回りくどいことを、ネット経由でいいのに」

「なんでもネットに頼るんじゃない。それはAIのバックアップを同時進行するんだ、終わったら絶対返却しろよ」

「へいへい」

ルイはそう言うとデスク近くにあったティーポットを手に取り、コップに入れ始めた。

どす黒い液体。

「ちっまた、合成コーヒーか。気分が悪くなる」

「飲める俺達はまだ幸せもんだ。あ、そうだ」

レイはふと思い出したかのように手を叩いた、スツールを回しルイのほうを向く。

「お前聞いたか、あの救援通信の話」

「救援通信?俺達、ガンツアーとイエローサインが当たった作戦任務のことか」

コーヒーをすすりながらルイが言った。

「えぇ、あれお前らが当たったの?相変わらずガンツアーは貧乏くじだな」

レイは呆気にとられていた、だがすぐ真顔になる。

「なら聞け。冗談抜きだ、いいかあの救援通信は―――」

「知ってるよ、賊の可能性が高いんだろ?オッサンも同じこと言ってたよ、

賊ならぶちのめして金目のモン奪って帰ってやろうって」

ルイはレイの話を遮り言った。だが、そのルイの予見は大きく外れる。

「なにいってんだお前、いいかあの通信は本部直通周波数の通信だったんだぞ」

「えっ」

ルイが顔を上げ目を見開いた。

「本部直通は一般には公開されていないし、ピンポイントでたまたま当たることもまず無い、専用通信だからな。

さっきここに来た整備員が縄文寺のオバハンと役員が話しているのをチョイ聞いたもんで」

レイは真剣な眼差しでルイに言った。

「マジか?じゃあもしかして」

「”大陸”からきたスパイの可能性が高いよな当然。あいつらは自衛隊だけでなく自警団の情報も欲しがっている。

行ったら最後、阿熊より質の悪い奴らが出てくるぜ」

ルイはカップを机に投げ捨て即座に部屋を出て駆け出した。カップは勢いのあまり机から転げ落ち砕け散った。

「おぃぃーカップ代弁償しろー!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。