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火の魔女リアナ  作者: かつおのかたたたき
7/7

7 誕生災害

ゼルダの伝説ティアーズオブザキングダムにハマりすぎて投稿遅れました。

トーレルーフ欲しい。



邪狩者キニギトの先代が「断罪の星」を制作している時、何度か爆発事故が起こっていたという話を思い出した。


話を聞いた当時はこれだけ膨大な術式と精密さが必要な魔術なのだから、爆発事故が起きるのは必然なのだろうと思っていましたが。

脆弱なところを突かれて術式が暴発しても逃げられる安全装置を設定するために、わざと爆発させていたのかもしれませんね。


ニバリーは爆発中心地の家だった瓦礫の上で力無く座っていた。



ーーーなぜ爆発は起きたのか。


まず、リアナは水の槍を大量に用意した。

水の槍を数本ニバリーへと向かわせることによって、ニバリーの注意を水の槍に向けさせる。

ニバリーが水の槍の攻撃を躱している間に着々と水の塊を増やしていき、一定数水の塊を出現させたところで、リアナは雷魔法を使い、水の塊全てに雷を通した。

そうすることで水の総量は減り、可燃性のある物質が発生する。

つまり水に電気を通して酸素と水素に分解する、電気分解である。

そして、その分解した物質を風魔法で制御し、一箇所にまとめて火魔法を放つ。

「断罪の星」の行き着く場であるガス型惑星の表面で放たれた火は酸素や水素に引火し、さらにそれが惑星のガスにも引火する。

そして惑星の一部が爆発した。


まさか、あれだけの魔法を瞬時に切り替えることができるなんて。予想できませんでしたね……。

液体を自由に操る水魔法。

気体を自由に操る風魔法。

温度を自由に操る火魔法。

氷魔法と風魔法の混合魔法である雷魔法。

氷魔法は火魔法の行使能力が高い証拠です。この調子だと他の魔法が使えても不思議ではありませんね。

考えが甘かったがゆえ、この災害を巻き起こしてしまった。


爆発の後、爆発で飛ばされた竜子が術式に影響を及ぼし、術式同士の繋がりが弱い所から弾けて、空間を突破していく。

最終的には術式を発動させた所を中心として最初の爆発と術式を破壊した際の爆発が共鳴してさらに大きな爆発が起きた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



後に言い伝えられていく「誕生災害」である。

この災害によって都市タリアは壊滅し、同時に火の魔女の存在が確認された。

被災者は火の魔女についてこう述べている。

「豪炎に包まれ、真紅の髪は逆立ち、黒く輝く金瞳は目があっただけでも気を失ってしまうほどに力強い。だけれど、その佇まいは母親のような優しさを感じた」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「リアは心を閉ざし切ってしまった様だ。だが、おかげでもう少し動ける」


リアナは爆心地上空で災害の被害状況と非災害地域の状況を確認する。

土魔法と火魔法で生成したレンズを都市の各地にばら撒き、最後の一つを自分の目に当てる。

ばら撒かれたレンズは都市の状況を読み取って、竜子に書き込む。

竜子はリアナの持つレンズまで運ばれ、書き込まれた情報を元に、光魔法で映像を映し出す。


咄嗟に作ってみたが、案外簡単なものだな。

望遠魔術の応用といったところであろうか。

望遠魔術は巨大なレンズや鏡を多数用意する必要があったから場所や環境による制限が多かったのだ。

それに比べてこの魔術は小さなレンズを最低二つ用意するだけで良い。力も無駄に使わず便利な魔術である。


「さて、使えそうな者は……」


黒焦げになって座りながら気を失っている男、城で慌てふためく女、爆発が起きた方向に向かって走る男。それくらいだろうか。


「そこだ」


街の一角を指すように手を上げる。

背後の火の鳥はその指示に従って街の一角へと墜ちてゆく。

そして走る男の周りが火の壁で覆われる。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「なんだこれえ」


ドゥインは緑髪の頭を右手で掻く。

行手を阻まむ火の壁。

火と言って想像がつくのは赤髪のりっちゃんだろうか。

龍との契約者であるりっちゃんならこの都市の災害を引き起こしていてもおかしくない。

でも、龍のことは何も知らなかったはず。

知らないのに、ここで暴れるのか?

いや、知った上での隔離か?


ドゥインの前に火の鳥が現れる。


「何考えてんだ」


「ーーーー」


火の鳥は何も答えず、ドゥインから目線を外す。

そして火の鳥は姿を変える。


「りっちゃんか」


「ーーーー」


「何も知らないんじゃなかったのか?」


「お前の知っているリアナと我は別人だ。そしてお前には我の計画に協力してもらう」


ドゥインの胸に火の剣が突き刺さる。


「ぁ゛……なに、かんがぇ…てんだぁ…」


全身から力が抜けていく。

火魔法だけじゃない。支配するための魔法も使っているようだ。

体の主導権がだんだんと奪われていく。

熱い。

その感覚もだんだんと薄れる。


「契約だ。お前の知っているリアナを守護せよ。我からは力を授けよう」


何を言ってんだ。

俺の主人はゼファーさんって決めてんだよ。


「はい。リアナの守護をお約束します」


だめだ、体の支配権がもう完全に奪われた。

意識ももう持たない。

ゼファーさんすいません。

助けてください。


「あたいと契約しておけってあんだけ言ってたのにねぇ」


ゼファーさんの声が聞こえる……

気がする。

……もうだめだ。

…………。





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