表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
火の魔女リアナ  作者: かつおのかたたたき
5/7

5 断罪の星

構成とか考えずに突っ走ってる感じある。読み返そっと。





「ようこそお嬢様。いや、はじめまして、強欲の龍ウイヴルの第1子であるリアナ・ラドラお姉様。私はあなたの弟にあたるニバリー・ラドラと申します」



まただ。

また、頭がパンクしちゃいそうな情報量。

強欲の龍ウイヴル。ドゥインさんが言っていた龍神のことかな。

第一子。私がその龍神の子供?お父さんかお母さんが龍神?

リアナ・ラドラ。私の名前はリアナ・リンマー……

そして、ニバリー・ラドラ。この人ドゥインさんくらいの年齢に見えるのに、私の弟ってどういうことだろう。たしかに、赤い前髪は私の髪と同じ色だけど………

でも、顔はお父さんともお母さんとも私とも違う。こんなに釣り目で狐みたいな顔してないもん。

やっぱりよくわからない。


「おや?人違いでしたかね。赤髪に金瞳であるので、てっきり契約者かと思ったのですが」


契約……

さっきドゥインさんが言ってたやつだ。

確か龍と契約した者は魔法の力が強くなって、目の色が変わるって。

よく見たらこの男の人の右目も金色だけど。


「その様子じゃ契約の内容など覚えていないようですね」


あれ、顔に出てたかな。

まあいいや、契約の内容は覚えてないんだよなあ。

生まれつき赤髪金瞳だったもんなあ。

あ、でも獣大陸に来た時の記憶が思い出せなかったんだ。その時に契約していた?

いや、契約した時に瞳の色が変わるなら、これは関係ないのかな?


「少しでも情報が欲しかったのですが……まあいいでしょう。どちらにせよ貴女を消さなければならないのは事実ですから」


「ま―――まってください。リアを…私を消さなきゃいけないってどういうことですか」


「―――いいでしょう。説明します」


リアは死んでしまうのでしょうか。

もしかしたら今まで呪いで人を殺してきたからなのでしょうか。


「そうですね、端的にお伝えすると貴女は8つある原初の世界を滅ぼさんとする邪龍である強欲の龍ウイヴルの意志を継ぐ者なのです。そしてウイヴルの意志を継ぐ者を討伐するのが私の使命なのです」


原初の世界。邪龍。討伐。

全然わからない。

リアは悪い龍と契約しているってこと?

お腹いっぱいご飯を食べてのんびり暮らしたいだけなのに、リアが世界を滅ぼす?


「―――これでもわかりませんか。これ以上時間をかけるのは危険なので次の質問で話を終わりにしましょう」


「間接的なものでもいい、貴女はこれまで人を何人殺しましたか?」


視界が赤に染まる。

悲鳴が聞こえる。

助けを求める声、死を恐れる声、泣き叫ぶ声。

そして命乞いを嘲笑うかのような笑い声が悲鳴と混ざる。

無数にある血の笑顔が語りかけてくる。




―――コロセ、ソイツヲコロセ―――




悲鳴のような甲高い笑い声が増える。




―――コロセ、コロセ、ジュウリンセヨ、セカイヲハメツニミチビケ、コロセ、コロシテコロシテコロシツヅケロ、ワレノタメニコロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、チカラヲサズケヨウ、ケイヤクダ、コロセ、ハカイシロ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、シハスクイダ、コロセ、メノマエノオトコヲスクエ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、ソイツノタマシイハオイシソウダ、コロセ、コロセ、タベロ、コロセ、ホショクシロ、タマシイヲ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセコロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、キャハハハハハハハハハ!、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、キャハハハハハハハハハ!、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、キャハハハハハハハハハ!、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、キャハハハハハハハハハ!、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、キャハハハハハハハハハ!、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、コロセ。キャハハハハハハハハハ!




「自覚がお有りの様で」


釣り目の男の言葉はリアナに届かない。

リアナは金瞳の目を見開き眼球を小刻みに振るわせていた。

脚から力が抜け、崩れて膝をつく。

震えながらも耳を塞ぐも悲鳴のような笑い声は聞こえ続ける。

目を塞いでもこちらを見ている血の笑顔は消えない。

呪いから逃れることはできない。

頭を抱えながら蹲る。


「あぁ゛………うゔ……………」


悲鳴のような笑い声は収まることがなく、呪いの恐怖に耐えられずに力無く叫ぶ。



「断罪の時間です」


天網恢々の男がそう言うと部屋の景色が変わる。

あたり一面茶色の海雲。

空は満天の星と大きな白茶の虹が占領している。

リアナは雲の上で蹲った体勢のまま。

釣り目の男は右手を掲げるとその手の中に一本のナイフが現れる。

そのまま右手を振りかぶり、目に見えない速さでナイフが項垂れているリアナへと投げ出される。




ナイフはリアナに当たらなかった。

釣り目の男、ニバリーの視界から少女は消えた。




「―――本性を現してしまった様ですね」


気配を感じて振り返ると、

そこには鮮やかな赤い髪を逆立てている少女が冷たい表情のまま、黒く輝く金瞳でこちらを睨んでいた。



「我はリアナ・ラドラ。主の魂を弄ぶ者を討ち取らせていただこう」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ