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16.屋敷内の敵

ウェディングドレスは『フローラの店』にお願いすることになった。フローラさんはアンドリューの結婚報告に涙を浮かべて喜んでいた。


「実は…」

フローラがアンディの恋人かもと思っていた話をすると、アンディに苦笑いされた。

「母が生前懇意にしていたんだ。俺が子供の頃に既に店の主人だったから、40歳…はいってそうだ」

「ええ〜!てっきり20代かと思ってました」

「俺には頭の上がらない姉みたいなものだ、でも妬いてくれたなら嬉しいな」

アンディに見つめられて思わず目をそらす。


それからテッドベルの家族への贈り物を選び、レストランで食事をした。なんだか幸せすぎて、ちょっと落ち着かない気分だった。


   ◇ ◇ ◇


王都での用を済ませるとアンディはまた領地に戻る。私はテッドベルの帰りにバーフォード領も案内してもらう予定だ。

「外出の時は必ずメイドとフットマンを連れていくようにね」

私用の馬車も用意されている。最近まで1人でふらふら歩いていたのに、上等な服を着てお付きを連れて出歩くのは恥ずかしいので、ほとんど邸内で過ごしていた。


書庫にこもっているとノックの音が、ドアを開けると愛人宅から引き上げてきたメイドが立っていた。

「ええと、あなたはマチルダだったわね、何かしら」

「奥様、アンはこちらに来ておりますか?」

「いいえ、来てないけど」

「朝からアンの姿が見えないのです」

そういえば今日はアンに会っていない。嫌な予感がする。

「アンの部屋は?」

「ノックしたけど返事がありませんでした」

「メリーを呼んでくれる」

「今、使いに出てます」

「分かったわ、私はアンの部屋に行くから、レイモンドに知らせて、来てもらって」

「かしこまりました」


アンの部屋のドアを叩く。

「アン、私よ入っていい?」

返事はない、鍵はかかってなかった、中に入るとアンの姿はなかった。何か手紙でも残されていないだろうか。部屋の奥に進むと、いきなり後ろから羽交いじめにされ口を布で塞がれる。


「レイモンドは来ないか」

「大丈夫、奥様のお出かけにあたしとアンとあんたでついて行くって伝えたから」


屋敷の中でも油断してはいけなかった…後悔しながら私は意識を失った。

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