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~ 甦る下総の武将編 ~

     序章 ~目覚めた荒ぶるモノ~


夕暮れの校舎裏で1人の男子がブツブツと言いながら歩いていた。

 「俺はこの高校の生徒会長だぞ、なのに・・・」

初秋の夕暮れは早いので既に外は薄暗くなって来ている。

この男子、名は平野 将臣(ひらの まさおみ)と言い容姿端麗スポーツ万能、絵に描いた様な美男子で

漫画の主人公にでも成りそうなキャラである。

 「なのにあの女め~・・・」

少し前の光景を思い出す、

 「貴方とお付き合いは致しません」

余程悔しかったのであろう、

 「生徒会副会長のくせに俺の誘いを断るなんて・・・」

両方の拳をグッと握りしめワナワナと体を震わせ

地面に向って言い放った。

「今に見ていろ、恥を掻かせた(かか)屈辱思い知らせてやる!」


薄暗くなった校舎裏の林の中から、

そんなブツブツ言っている平野の様子を窺って(うかが)いる影があった。


 「ふっ、いつもの俺らしくないな・・・」

落ち着きを取り戻そうと襟元に指をかけて緩めようとした時、

背後の気配に気づき振り向いたその眼には巨大な影が映っていた。

 「うわっ!!」

平野は一瞬にして影に飲み込まれた。







 

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