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見た目だけ擬人化するとこうなる(猫→外面のみ擬人化)

作者: HEN

 何時ものように仕事から帰って家の玄関を開けると、


「――は?」


 そこには、全裸待機する奇妙なイケメンがいました。





 我が家には長年飼っている黒猫がいます。

 名前は見た目の毛並みから付けた為に、なんの捻りも無く『クロ』と決まった雄猫です。可愛いです。

 人間で言うのなら、軽く老人の域に入っていますが、未だに現役で我が家のアイドルってくらいには可愛いのです。

 そんな、まさしく『可愛いは正義!』な彼ですが、私が帰宅してくるのに気付くと、玄関前で何時も待ち伏せしてお出迎えします。

 やっぱり可愛いです。

 そして、


「ただいまー。」


 今日もそうなるはずだったのですが。


「――は?え?誰?ええ?」


 玄関を開いて見えたのは、何時もの黒猫じゃなくて。

 どこからどう見ても、全裸で待機している黒髪のイケメンでした。

 何故にイケメン。そして、何故に裸なんだ。


 時が止まる事、しばし。


「うえええええええええええ!?」


 思わず上げた大声に、その人物はびっくりした様子で飛び跳ねて、金色の目をまん丸に見開いていました。







(何これ何これ何これ何これ!?)


 慌てふためく間に件の人物は逃亡。

 しかし、何故か四足でワタワタとした様子で逃げていきました。

 その姿に思わず茫然自失。

 そして、生えているものに気付いて、更に呆然。

 ぶら下がっているモノも見えて、呆然としつつも目を逸らします。

 ご立派でした、ええ。


「あれって――尻尾?」


 ただ、そのイケメンの尾てい骨辺りから伸びた、黒くしなやかな一本の棒に気付いて、目を瞬きました。

 股間の棒じゃなくて、お尻から生えた棒の方です。

 股間の棒は立派――ゲフンゲフン、さっきも言いましたね。

 それよりも、お尻に生えてる方です。

 刺さってるわけじゃないので、そこは注意。どこにとは言いませんが。


 というか、さっきのあれ、どう見ても尻尾でしたね?


 そして、その下にぶら下がっているものの逞しい事、逞しい事。

 馬並ですか?

 馬並みですね?

 別に拝みませんし羨んだりもしませんので、せめてパンツを履いてて下さい、切実に。

 見ず知らずの人のブツを見たからって、喜べる程私は変態じゃ無いんです。

 だからって「キャー」なんて可愛いらしい悲鳴上げられる程も、若くは無いんです。どうか察して下さい。

 しっかし、


「今のって、見事に生えてたような……?」 


 こう、取って付けたような尻尾じゃなかったんですよねぇ、先程のって……。

 パッと見た感じですが『特殊メイクもかくや!』って感じの『違和感どこに消えましたか?』な状態で、まさに『自然!』って感じだったんですよ。

 ――ええと、一体、どこのドッキリですか?これは。


「奴か。奴のせいなのか。」


 家にドッキリ企画を持ち込むとか、唯一血が繋がっている弟しかありえない。

 その弟は後ででもきっちりと締め上げるとして、とりあえずは、あのイケメンさんにご退場を願いましょう、そうしましょう。

 股間のアレは素晴らしく立派でしたが、嬉しくもないですしね。

 というか、いらん。

 次こそは我が家のアイドル、クロっちにお出迎えしてもらいたいのですからっ。





「――ぐえっ。」


 家の中を捜索してしばらく。

 イケメンを見つけたのは、まさかの自室のベッドの上でした。

 それはもう、


(精神的にショックが大きすぎてて辛い絵面。こんなの、勘弁して下さいよ!)


 と叫びたくなる絵面です。

 だって、ダメージが大きいんです。

 大きすぎるんですよ、これって!


 なんで貴方は全裸で箱座りしてるんですかねぇ!?

 それをするのは猫でしょう、ねぇ!?

 一体、何を考えてるの!?

 まさか、そういう指示でも出されたんですか!?

 やめて下さい、私が死んでしまいます。


(隠しカメラとか――は無さそうなんだけどなぁ。)


 見えないところでなら、何してもオーケーとかそういう判断なんですかね?

 もしもそうなら、いくらモテない行き遅れが相手だからって、酷くありませんか?ねぇ?

 そのベッド、今夜も私が寝る場所なんですよ?

 なのに、全裸でブツが布団カバーについちゃってるんですよ!?


 ――やだもう辛い。


「すみませんが、降りて下さい。いくら番組だからって、これは無いです。」


 そう、意を決して話しかけると、


「にゃあ。」


 ――まさかの聞き慣れた声が、イケメンの口から聞こえてきたのでした。






 ベッドの上で寒そうに縮こまり、無理矢理箱座りしてるようなイケメンさん。

 しかし、意を決して話しかけてみれば、返ってきたのは「にゃあ」という鳴き声。

 演じきってるって?

 ――いえ、違いそうです。

 そもそも、そういう問題じゃない気がしてきました。

 その高い声は、どう考えても男性に出せる音域じゃありません。

 女でも高い方です。

 ボーイソプラノとかそんなレベルじゃないのです。

 そして何より、聞き覚えのある鳴き声。

 我が家のクロっちじゃないですか、この声は!?


 考えること、しばし。


「ク、クロ?」

「にゃ~。」


 意を決して恐る恐るとその名を呼んでみれば、パッと振り向いて寄ってくる、黒い生き物。

 ただし、イケメンです。

 どっからどう見ても、尻尾を生やした全裸のイケメンさんです。

 それが四足で若干プルプルしながら寄ってくるんです。

 何これ。


「うわぁ。」


 絵面がっ、絵面がぁっ!

 いーやー!可愛さが損なわれてるううううう!


「にゃうう。」

「なんでこんな事に……。」


 思わず遠い目になった私に、件のイケメン改め我が家のアイドルは、何事もないかのようにして、擦り寄ってきたのでした、まる。






「冷たっ。」


 そっと触れてみれば、やけに冷たい身体。

 季節は冬に差し掛かっているし、そんな中を全裸待機していれば、当然寒いし冷えるでしょう。

 飼い猫がイケメンと化している現実はこの際置いとくとして、とりあえずは風邪を引かないように、羽織っていたコートをかけてやりましょう。

 その途端、人間では有り得ない音色が響いてきて、私は再び遠い目になっていました。

 何これ、ありえない。


「どういう肉体構造になってるんですか、これ……。」


 当人(?)は猫だった頃と見た目以外は何も変わらずに、当たり前のように喉を鳴らしている。

 そのゴロゴロと鳴る音に、下手に世間に知られると面倒な事が転がり込んできそうで、私は思わず頭を抱えました。


「ただのドッキリだと思ったのに!なんでうちでファンタジーな現象が起きてるのー!?」


 というか、私の癒やしを返して下さい!切実に!

 うちの猫を擬人化させた奴、出てこいー!訴えてやるわー!


 そんな風に思っても何も変わらず、


「うわーんっ!」


 この日から、私と擬人化した飼い猫との奇妙な暮らしが始まったのでした。





◇猫のご飯まっしぐら


 諦めきれずに、我が家のクロっちに成りすましている可能性を考え、あの子が好きだった餌を与えてみます。

 勿論、与えるのは、某CMで有名だったちょっとお高いキャットフード。

 クロっちの大好物なんですよね、これ。

 この次に好きなのが鰹節です。それはもう目の色変えるくらいには大好き。


「クロー、ご飯だよー。」

「にゃああっ。」


 そんなキャットフードを手にしつつ、呼びかけた私の声に即座に反応。

 何時ものクロっちと同じに見えます。イケメンだけど。

 ただ、髪の毛に埋もれていたのか、頭部にピンッと二つの耳が立ったのに気付いて、また目が遠くなりました。


「尻尾だけじゃなかったのね……。」


 ええ、耳です。

 どっからどう見ても猫耳なんです。

 三角形のあれですよ!

 真っ直ぐにそのお耳が立って、尻尾までピンッとしてるし、それはもうご機嫌な証でした。

 ――この際、見なかった事にしておきたい。

 現実逃避くらいは、許されるよね……多分。


「ほーらほら、こっちこっちー。」

「にゃー!にゃあんっ、にゃうわぁん!」


 そんな私の後をご機嫌で着いてくるイケメンさん。

 尚、四足のまま誘導されて来て、餌置き場までやって来ました。

 良く良く考えてみると、シュール過ぎる。そして、辛い。

 それでも意を決して入れ物に餌を入れてやれば、途端にがっついて食べ始めます。

 躊躇いとか微塵も無くて、頭から突っ込んで食べてます。

 ただ、若干餌入れに頭が入り切らず、どうやら苦戦しているご様子。

 尻尾の先がユーラユラ、揺れています。


「マジですか……。」


 流石にキャットフードまでイケメンに食べさせるようなドッキリ企画は、ありませんよね?

 誰か無いって断言して下さい、お願いします。

 じゃなかったら泣く!いろんな意味で辛い!


(心が折れそうだわ……。)


 それでも、食べるのに夢中な間に、横髪をかき分けて耳を探してみます。

 ですが、頭頂部付近の猫耳以外には、傷跡すら見当たりません。

 尻尾も軽く引っ張ってみるものの、こちらも全く取れる様子も無し。

 それどころか、凄く滑らかに動いてます。

 引っ張られてご機嫌斜めなんですね、分かります。


「これ、本物なんですか。」

「にゃー。」


 パッタパタと床を叩いて抗議してくる我が家のアイドル、ガチの猫耳イケメン野郎に退化しやがりました。


 ああ、辛いわ……。





◇猫は毛繕いを始めました


 犬も猫も、自分で毛繕いをします。

 特に猫はご飯を食べた後とか、何か気になる事があると、すごい毛繕いをするんですよね。

 で、擬人化して猫ほどの柔らかさを持たない体で、それをやろうとするとどうなるかというと、


「にゃ~。」


 届かないところを舐めようとしては、一回転したりして転がるようです。

 必死に支えようとした腕が、フローリングの床をツルリと滑る事もある。

 だから、しょっちゅう転がっては、見たくも無いモノが見える。

 何時もは微笑ましかった絵面が、とてもとてもきついです……。


「にゃ~、にゃー、にゃあ~ん。」


 鳴きながら、コロコロ、コロリン。

 何度も舐めようとしては失敗し、それでも鳴き声をあげ、そして転がり続ける我が家のアイドル、クロっち。

 ただ、その見た目は残念イケメンです。

 何気に見えちゃいけないモノがしょっちゅう丸見えになりますが、ここはもう素知らぬ振りをしておきます。

 きっとそれが、本人(?)の為ですからっ。

 そして、何よりも私の為!

 心の平穏の為にも見ない、見ないんです!


「んにゃああっ。」


 そんな私の葛藤もなんのその。

 諦めきれないのか、必死に舐めようとしては転がるクロっちがその後もしばらく居ました。


 一体、どこを舐めようとしてたのかだって?


 ――多分、タマタマとかお尻の辺りでしょうね、きっと……。

 前かがみになってましたし、背中丸めてやってたのでその辺りなのは確実。

 もしも出来ていたら、絵面は大惨事通り越した事でしょう、ええ。


 擬人化した状態のまま舐めれずにいる事に、とても感謝した瞬間でした……。





◇猫はおトイレをするようです


 人型にはなっても、完全に人間になったわけじゃない我が家の元アイドル。

 癒やし要素も消えてしまい、個人的には観察する感じになりつつありますが、そこはそれ。

 可愛かった頃は過ぎ去り、今では完全にギャグ方面へと突っ走りつつあります。

 昔は良かったんだというのは、老人以外でも思う事なんですね、ええ、きっと。


「――結局トイレはそこなのね。」


 そんなクロっち、見た目は人間になっても、トイレはいつもの場所です。

 広めの入れ物に入れてある猫砂を手で掻いて、場所を整えて踏ん張ります。

 流石にそれを見てはいられないので、退散です。

 逃亡です。

 そうして、気付きました。

 家には他に誰もいないという事に――。


「あれを掃除するのって私!?」


 衝撃の事実!

 我が家の癒やしがイケメンに退化した事よりも、こっちの方が余程ショックですよ!?

 弟は大学卒業と同時に他県に就職していないので、出したブツの掃除は今まで通りではあるものの、私になるなんて何て事――っ。


「オウ、ジーザス……。」


 思わずガックリと項垂れた私でした。




◇猫は膝で丸くなりたいようです


 飼い猫が飼い主の膝の上に乗ってきて、そのまま寝ちゃう――なんてシーン。

 あれ、やられると嬉しいですが、同時に膝が痺れてきて辛かったりもします。

 つまり、嬉し辛し。

 では、我が家の擬人化猫となったクロッチだとどうなるか。


「んうう?んなうう?にゃああ?」


 絶 賛 混 乱 中 で す 。


 そもそも貴方、私より大きいですよね?

 乗り切れるわけがありませんよね?

 気付いて無いんですか?


「にゃあああっ。」


 あ、はい。気付いてないんですね、分かりました。

 猫だった頃と同じ感覚でいらっしゃいますか、そうですかそうですか。

 でもね?


「いや、無理だから。無理ったら無ー理ー。」


 それでも乗ろうと必死にグルグルするイケメンに、私はギブアップを告げます。

 見た目の大きさはともかくとして、思ったよりも軽いというか――ほとんど感じない?ってくらいには軽いクロっち。

 なんでしょうね、見た目イケメンで体重は猫って感じな気がします。何これ。


「まさにファンタジーです。」


 えっと、重力とかいろいろと無視されてる気がしますよ、どうなってるの一体……。

 うちの子の今後を考えると、頭が痛いです。





◇猫は衣類をお気に召さないようです


 擬人化して毛皮が無くなった分、寒さに弱くなったわけで。

 そんなクロっちの為に、亡き父の服を引っ張り出してきました。

 それを着せると、しばらくしてから嫌がりだして、床の上を何度も転がります。

 しまいには口で咥えて引っ張る引っ張る。

 おかげで、ついでにお洒落に!なんて考えたのが完全に裏目に出てしまいました。

 与えた服はヨダレでヨレヨレ、あちこちは引っ張られてボロボロです。


「これ、もう上だけでいいかな……。」


 シャツとか駄目ですね、ボタンとか引き千切っちゃいましたよ。

 誤飲はしてないからセーフですが、衣類がアウトー!になりました、くすん。

 そんな無残な状態の衣類を片付けて、何の変哲もないトレーナーを着せます。

 問答無用です、拒否権なんて無いんです。

 他に貴方が着れる服なんて無いんですもの!しょうがない!


「うなーっ。」

「駄目。冷えてるんだから、最低限これだけでも着なさい。」


 お腹周りには腹巻きを装備させて、明日以降オムツでも着けてやるべきかで悩みます。

 でも、


(確か、介護用って蒸れたりするんでしたっけ?)


 痒くなったら辛いでしょうし、何よりも長時間のオムツ装着は危険でしょう。

 オムツを履かないとズボンとかも履けないわけですが――まぁ、仕方無いですね。


「お金かかりますけど、暖房を入れますか。」


 トイレと餌も暖房がある部屋へと移して、そこで私の居ない間は過ごしてもらう事にしましょう。

 家猫で、ただでさえ狭かった活動範囲が更に狭まりますが――寒い間だけだし、我慢してもらうしかない状況ですから、最早諦める事にします。

 下手に誰かに見られても危険ですからね。

 何よりも、風邪を引かれては困りますもの。

 現状ではどこにも見せられませんから、戻るかは不明ですが、不便を強いる事になりそうです。


「まぁ、マッドなサイエンティストが見たら、解剖させろって押しかけてきそうですしねぇ。誘拐とかもありえますから、このまま我慢してもらいましょう。」


 何せ、猫なのにイケメンになってますから。

 しかも、猫耳尻尾付きのイケメンさんです。

 一部の方には需要がありまくりそうです。

 そんな方々が押し寄せて来たら――怖いです。


 故に、悪いのはそんな姿に擬人化したのが悪いのであって、私は悪くないんですよ。きっとね!

 




◇猫の擬人化は解けないようです


 翌日起きて、


「ひあっ!?」


 悲鳴を上げたものの、布団の中に潜り込んでいる『ソレ』が昨夜見たものだと気付いて、胸をなでおろしました。

 起き抜けに見るのはビックリしますね、ええ。

 何せ『ソレ』は、見た目だけなら完全にイケメンなんですもの。

 しかし、中身は猫。

 何度も言いますが、猫なんです。

 我が家の可愛いアイドルだったクロっちなんですよ、中身。

 まぁ、今は残念イケメンに成り下がってますけどね、絵面的に……。


「んぁ~。」


 そうして、何時の間にか潜り込んできた彼は、人のベッドの中で伸びをしました。

 いやいや、それはやめて下さいな。

 飼い主をベッドから追い出すとは何事ですか。

 貴方それでも飼い猫ですか?

 寒く――は無いですが、酷い飼い猫ですね、ちょっと!?


「布団がずり落ちちゃうからやめなさい――って、こらぁ!」


 小さい猫の身体だったらまだしも、今は私よりもデカイんです。

 一人用のベッドに潜り込んでくるだけでも、結構いっぱいっぱいになります。

 そこで伸びなんてしたら――ああああっ。


「落ちたあああっ。」


 起きて早々に、布団を蹴り落とされて、悲鳴を上げる私がいました。






◇猫の事で弟を呼び出してみる


 朝に酷い目に遭ったものの、出社して帰宅。

 未だにクロっちが残念イケメンのままなのを確認して、携帯で弟に電話します。


「はい?もしもし?」


 すぐに応答した彼に向けて、


「明日何時からでもいいから家に来る事。拒否権無し。」

「は?え?ちょ!?」


 要件をさっさと告げると、即座に切りました。

 ダラダラと電話するとか、電話料金が勿体無いって話です。

 切り詰められるところは切り詰めておいて、その分をクロっちに美味しいものを食べさせる方が、よっぽど良いでしょう。

 え?

 ――飼い猫よりも弟の扱いの方が下だって?

 むしろ酷いくらい?

 いえいえ、大丈夫です。ご心配には及びませんとも。

 我が家のアイドルの事を知れば、彼だって文句は言わないはずです、きっと。


 だって、擬人化なんてファンタジーが起きちゃってるんですからね。


 その対応を私一人でしている現状には、むしろ察してくれるはずです!

 主に、クロっちの股間でぶら下がってるあのご立派なもののせいで。




◇猫と弟を対面させてみる


 翌日、


「――うわぁ、マジかぁ。」


 昼過ぎにやって来た弟とクロっちを引き合わせて、反応を見ます。

 その反応から――別に、私がおかしくなったってわけじゃなさそうですね。

 ちょっと一安心です。


「これ、どうにかならない?」


 私の問いに、


「なるわけないだろ、姉ちゃん馬鹿なの?」


 まさかの馬鹿発言が返ってきました。

 にっこりと微笑みつつ、昼に使ったフライパンと父の遺品を引き摺って来ます。


「ねぇ、このフライパンで叩かれるのと、お父さんのゴルフクラブで叩かれるのと、どっちが良い?」


 と訪ねました。

 これに、


「やめろよ!?マジでそれ死ねるからな!?」


 何故だか弟から正論が返ってきました。

 生意気ですね。どこで知恵を付けてきたんでしょう?


 しかし――確かに、死ねるのは問題ですか。

 多少頭のネジが緩んでるのを治すのには使えないのが残念です。ええ。


「――チッ。」

「今、舌打ちした!?ねぇ、舌打ちした!?」


 騒ぐ弟ですが、無視します。

 大事なのはクロっちです。

 大変なのもクロっちなんです。

 そして私も大変なんですよ!今は!

 故に、弟の優先順位は現状一番低いと言えるでしょう。

 なので彼の言い分は無視です。全力無視。

 意見を押し通したくばクロっちの為に何かせよ。


「いいから、何とかする方法を考えてよ。このままだと風邪引くし、暖房代でおやつも買ってあげれなくなるじゃん。」


 この扱くまっとうな意見。

 ですが、


「重要なのそこ!?そこが重要なとこなの!?」

「他に何が?」


 弟からは何故か疑問の声が上がってきました。

 いやですねー、大事なのは、クロっちの体調とご飯とおやつでしょうに。

 この子は一体何を言ってるんでしょうか?

 やっぱり、頭のネジ緩みきってます?

 フライパンで叩く?


「うわ、ガチかよ――。」


 何故だかドン引きしてますが、知ったことじゃありません。

 重要なのは、弟じゃないんですからね、ええ。

 クロッチです。何がなんでも、クロッチが重要なんです。


「いいから、何とかする方法を考えなさいよ。私だって考えてるんだからね?」

「ア、ハイ。」


 よし。言質は取りましたし、これで一安心ですね、きっと――。





◇閑話 弟目線からみた姉


 うちの姉ちゃんはガチでヤバイ。

 どうヤバイかっていうと、優先順位が血縁とか友達とかそういうのじゃなくて、自分が気に入った存在を自分自身よりも上にしちゃうヤバイ人なんだ。

 最近だと、自分の食費とかまで切り詰めてるらしくて、唯一可愛がっている黒猫を溺愛しているって専らの噂だ。

 それはもう、目に入れても痛くないってくらいの可愛がりようなんだよ、実際。

 周りがドン引きするくらいにな。当人気付いてないけど。


 反面、自分を磨くとか、そんなのは一切やらない。

 見た目悪く無いのに、男作るくらいなら黒猫と一緒に居る方が遥かに有意義だって言い切るくらいには、男っ気も無い。

 それで浮いた金なんかは、全部つぎ込んでるんじゃないかってくらいには一匹の黒猫を可愛がってる。

 だから、溺愛してるって噂は事実だ。


 そんな姉ちゃんだけど、少なくとも、小さい頃はそんな感じは無かったと思う。


 どこでおかしくなったかって言えば、多分、最初は交通事故で頭を打った辺りからだろう、きっと。

 何せ、退院して少ししたら、


「この子可愛いから飼うね。面倒は私が見るから、手を出さないで。」


 そう言って、一匹の汚い子猫を連れてきたんだ。

 ある意味優しくて、ある意味残酷な発言だ。

 実際、両親も俺も手出しさせてくれなかったんだから。

 それでも、子猫の頃ならさぞかし可愛いかったろうって思うじゃん?

 でもさ、正直なところ「どこが?」ってくらいには汚くて、ガリガリ過ぎて、可愛さの欠片も無かったんだよ、その子猫。

 ただ目だけが爛々としてた印象。

 餌を貰ってもレトルトの袋に噛み付いたりして、生き残る事に必死って感じだった。

 唸るし引っ掻くしで、正直可愛さってものは全く無い――そんな子猫だった。


 でも、それが今溺愛している黒猫なんだよな。


 元々が野良だったみたいで、お腹に寄生虫はいるわ、ガリガリに痩せてて死にかけてるわで、とにかく酷い有様だったし、匂いだって酷かったんだ。

 毛もところどころでは剥げてて、親なんて汚いから捨ててこいって言ったくらいだ。

 俺も、もう寿命は長くは無いと思ってしまったから、自然に任せた方が良いんじゃないかって思ったよ。


 何より懐かないし、寄生虫関係は怖い。


 人間にだって感染するんだよ、あれって。

 最悪それで死ねるからな。

 寄生虫関連は特効薬も何もなく、命を失うケースも少なくない。

 それでも、


「なら、私もこの家出る。二度と帰ってこないから。」


 そう言って、姉貴は黒猫抱えて家出しやがった。

 その後、流石に帰ってこない姉貴に両親が折れて、名実ともに黒猫は家の一員になったという経緯がある。

 黒猫の名前は、その頃にはクロって付けられてたが、そのまんますぎて、姉貴のネーミングってどうよ?と思った。

 ただ――まぁ姉ちゃんが拾ってきて付けてやったんだからと、特に文句は言わなかったけど。


 何せ、家出している二ヶ月の間に、ネットで調べ上げた情報を元に虫下しから何から世話してやってたんだよ。


 家に戻って来た時には、寄生虫関連の問題も解消されていたし、見た目も綺麗になって子猫らしい丸みが出来ていた。

 生き残るのは無理だろうって思ったけど、姉ちゃんは諦めずに面倒を見ていたらしい。

 そしてそれは、全部、自分の小遣いとか貯金から出してた。

 全部、姉ちゃん一人で成した事だけど、本当に可愛いって思ってたんだろう。

 そんな姉ちゃんに対して、誰も文句は言えないし、その後の面倒も一人で見てたから、両親も折れて家で飼い始めたんだよな。

 そんな中、友達の家にすら泊まっていなかった事を知った俺は、ある時、尋ねた事がある。


「なんで、誰の家にも泊まらなかったの?」


 と。

 これに姉ちゃんは事もなげに言いやがった。


「だって、お腹に虫がいる子は、下手に他の人には触らせられないでしょ?とくにちっちゃい子は触りたがって駄目だし。」


 うん、一応は考えてはいる。

 いるんだが、その考えに人の感情とかそういうのを加えないのが、姉ちゃんが姉ちゃんたる所以だとも思った。


 つまりは、おかしいんだってな!


 大事に思える黒猫への気遣いは出来ても、両親や弟の俺への気遣いまでは出来ないのが姉ちゃんなんだ。

 当然、友人達にも同様に気遣いは出来ない。

 クラスでも浮いてたけど、立ち回りは上手いので、いじめっ子達には盛大な仕返しで逆に泣かせていたくらいだ。

 最早敵無しである。


 そんな姉ちゃんに、まったく音沙汰無く二月も家出されれば、流石に両親だって焦る。

 学校からは何があったんだって電話が来るし、児童相談所なんかからも人が押しかけてくるしな。

 交通事故で頭打ってヤバくなってたし、普段から気にされまくってもいたんだろう、多分、きっとだけど。


 そんな中で、最後に出てきたのは警察だった。


 ――まぁ、これはある意味当然だとは思うんだ。

 両親は驚き過ぎて、固まってしまっていたが、なるようにしてなった結果だと、あの時は思った。

 何せ、当時姉貴は中学三年だったからさ。受験真っ只中だったんだよ。

 それも悪かったんだろう、きっと。

 何か親が強要してグレたんじゃないかって、散々叩かれたらしい。

 で、その結果、黒猫を飼う事へ折れたわけだ。


 それからしばらくして、両親は交通事故で揃って他界。

 俺は大学進学と同時にバイトの都合もあって寮生活。

 家には姉ちゃんと黒猫だけが残った。


 そんな姉ちゃんから、ある日一本の電話が掛かってきたんだけど、これがちょっと理解出来ない。

 電話代が勿体無いと、最近では金の亡者かってくらいには勿体無いを連呼してたのに、珍しいんだよ。

 電話代出すくらいなら、猫に何か食わせるって豪語するような人間だったし。

 特に、両親が亡くなってからはそれが顕著だ。

 頭のおかしさには拍車がかかってたように思えたしな。

 そう思ってたんだが、


「――明日何時からでもいいから家に来る事。拒否権無し。」

「は?え?ちょ!?」


 言うだけ言っておいて、即座にガチャ切りしやがったんだよ、あの女……。

 思わず、携帯片手に俺、呆然とする。


 ――どう考えても、弟に対する態度じゃ無ぇよなぁ?これって。


 で、翌日になって実家に戻って見たら、見知らぬイケメンが下半身丸出しでうろついてたんだ。

 それにショックで固まる俺に、姉貴はそれを「クロっち」と言い張る。

 そして「クロっち」の「クロ」の部分に反応してか、やけに甲高い声で「にゃあ」と言ってみせるイケメン。

 何このカオス。

 姉ちゃん、彼氏に一体何のプレイさせてんの!?

 そんなイケメンに向けて、レトルトの猫餌をちらつかせる姉ちゃん。

 いやいややめろよ。そこまでなりきりプレイさせるんじゃねぇっての!


 だから、ついにここまでおかしくなったと思ったのは、何も悪く無いと思うんだ、きっと。


 だけど、そこにかかった姉ちゃんの言葉は、ある意味平常運転過ぎた。

 その様子に、俺は呆れを通り越して返したけど、条件反射良くないって後から反省した。

 だって、


「これ、どうにかならない?」

「なるわけないだろ、姉ちゃん馬鹿なの?」


 って返した時の笑顔が半端なく怖かったから。

 でもさ、そう言うしかないだろ?普通はさ。


 誰が猫になりきった男とのプレイに口を挟めるかっていうんだよ!?


 そう思うのに、それに対する姉ちゃんの反応は過激だった。

 過激すぎてドン引きした。

 一体どこの世界に姉弟喧嘩で鈍器持ち出す家庭があるんだよ!?


「ねぇ、フライパンで叩かれるのと、お父さんのゴルフクラブで叩かれるのと、どっちが良い?」


 いやもうそれ死ねるからな!?

 なんで殺されるのが前提になってんの!?

 頭おかしいだろ、なぁ!?


「やめろよ!?マジでそれ死ねるからな!?」

「――チッ。」


 これに、ねえちゃんは舌打ちで返してきて、マジで俺の立場が低いんだというのを、再認識させられた瞬間だった……。


 


◇とあるお宅の猫(擬人化)


「なぁにぃ、これぇ?」

「猫です。人の姿になっちゃった、飼い猫です。」

「ええー?うっそぉ!?マッジでー!?マジで言ってるー?」

「マジで言ってますよ。」


 白い髪に青い目の美少年と、戯れるようにして苦笑いを浮かべる一人の女性が、TVへと映り込んだ。

 美少年の頭部には、三角の猫耳がある代わりに、本来あるべき場所には何も無い。

 その美少年が、右に左にと振られる猫じゃらしへと向けて、必死に手を叩き込んでいる。

 叩き込み方はグーパン。丁度、人が猫の真似をしているかのようだ。

 それを見る取材陣は、ただ呆気に取られた様子で撮影をしていて、スタジオの方は大混乱していた。

 何せ、


「いや、マジでこれ、猫なの?マジ?マジモン?本物?」

「はい、大マジです。本物の猫です。うちの飼い猫で、シロちゃんです。」

「うーわー、ヤバイはこれ。尻尾取れないし!」

「いや、あの、引っ張るのはちょっと……。」


 なんて、騒ぎが現場で繰り広げられているからだ。

 尻尾を掴まれれば「ぎにゃっ!?」と悲鳴を上げて飛び退く白い美少年。

 それに飼い主(?)が頭を撫でてやれば、気持ちよさそうに目を細めて擦り寄る。

 どう見ても猫の仕草そのものだった。

 そのまま、飼い主の手が自然に動いていって喉を掻きだせば、途端にゴロゴロという音が、マイク越しにお茶の間まで届いてスタジオは更に混乱を極めた。


 奇想天外な出来事だった。


 それが放送されたのは、黒猫を飼っていた女性の家で、飼い猫だった黒猫が擬人化してしまってから、丁度一週間程経ってからの事。

 映るのは、人間にしてはおかしい、へんてこな猫耳尻尾の美少年。

 女性ですら脇の下に手を入れると持ち上げられてしまう程、その体重は軽すぎてどこかおかしかった。

 喉を掻けばゴロゴロと鳴る音色に、頭部とお尻にある耳と尻尾が自在に動き回る。

 反面、あるはずで無い耳は、まるで出来の良いポリゴンでも見ているかのように、錯覚さえ覚えさせて困惑を極めさせる。

 まさしく異常な生物だ。


「こんな事、起こるわけがないでしょう?」

「いえいえ、現実に存在してますし。そこは認めましょうよ。」

「まさか――きっと、人工的にそう見えるようにしているんですよ。ね、現場の方。そうでしょう?」

「いやいや、あれは画像を加工するにしてもおかしいものがありますよ。ほら、きちんとこちらの指示に従って動けていますし。」

「それは、最初から出す指示は決めていたんでしょう?やらせにしてもこれは酷いもんだ。」

「指示は――特に決めていないそうですね。試しに、否定的な意見を言われた方、何か言ってみたらどうでしょう?」

「茶番だ。茶番すぎる。なんですかこの番組は、馬鹿にしてるんですか。」

「ですから、指示をですね――。」


 問題を引き起こしたとも言える人物は、まるで自身が猫であるのを疑いもしない様子で、四足で動き回っていて自由気ままだ。

 美少年ながらも、その姿はどこかシュール。

 そして、そこはかとなく残念感が漂ってしまっていた。

 残念美少年の生放送である。

 これに、


「あっはは!マジで猫じゃん。なにこれ、どうなってんの!?超うっけるんですけど!」

「「さぁ?」」


 爆笑する女芸人の言葉に対し、飼い主らしき女性と、同棲中の男性が首を傾げた。

 そんな彼等を他所にして、この現象は徐々に世界中へと広まっていっていくのである――。




◇最終話 猫はTVが気になるようです


「にゃ~、にゃうーん。」


 お茶の間に、女芸人の笑い声が流れます。

 それとは別に、時折映るTVの一部に反応しまくる我が家の猫、クロっち。


「にゃああ、んにゃああ。」


 TVでそれが映る度に、あっちへウロウロ、こっちへウロウロ。

 反応しているのが何かなと思って見ていると、白髪の美少年ならぬ、元白猫へでした。

 彼の目にどう映ってるかは知らないですが、普段からご近所猫さんが見える度に反応しまくってましたし、多分お友達になりたいとかそんなところなんでしょう、きっと。

 その様子を眺めつつ、


「平和だなぁ……。」


 私は手元の白湯を一啜りして、ほっと息を吐き出します。

 一時は、我が家のアイドルがイケメン化して慌てましたが、結局は、クロっちはクロっちのままなんだなと再認識して一安心です。

 見た目は残念イケメンですが、内面は今も昔も変わらず可愛いままですしね。

 擦り寄ってくる時の毛並みが減ったのは辛いですが、そこはハゲてしまったんだと思えば哀れみにこそ感じはすれ、貶す事は出来ません。

 デカイ図体だけはちょっと邪魔ですが――その分、足にすり寄る面積なんかは増えて悪くありませんしね。

 これはこれで良いでしょう、多分、きっと。

 ただ、抱っこが流石にちょっと微妙過ぎる。

 上半身は手触りの良い着ぐるみにしてみたら、多少マシになりましたが、やっぱりデカすぎて抱き枕化してます。

 最早、抱っこというよりも、同じ布団に連れ込んで正真正銘の抱き枕代わりですね、ええ。

 感覚的には、黒猫から黒豹にランクアップでしょうか?

 うん、そう思えば――悪くはありませんね?

 多分、きっとですが。


「それにしても、こういうの、世界的に増えてるんだなぁ。」


 しみじみと呟きながら、ちょっと現実逃避。

 クロっちの頭を撫でつつ、特集でやっている擬人化猫の番組を眺め続けます。

 幸い、猫という特質故か、追い出されたりするような不幸は余り無いようでした。

 警察を呼ばれて、警察がその対応に困ったなんてエピソードばかりでしたね。

 大半は家族の下に帰れていますし、氷山の一角だとは思いますが、現状はそれで問題もないようです。

 むしろ、自慢するご家庭が多いみたいで、つぶやきが画面の下でポコポコと流れていました。面白い。


「まぁ、犬と違って、猫は飼うだけでもお金とかお世話とか大変ですしねぇ。愛玩用が多いですし、犬のように何度も追い返すなんて事はありませんか。」


 結局のところ、なるようにしてなった結果の気がしますね、これは。

 大体、見た目が変わっても、その言動には変わりが無いんですもの。

 絵面はともかくとして、中身は可愛いままですし、声だって変わりません。

 となれば、後は飼い主が気付くかどうかでしょう、きっと。


「うちの子程、可愛いっていいますしねー。猫愛があれば、最初の遭遇からの行動で分かるでしょう、きっと。」


 少なくとも、私はこの子の鳴き声で気付けましたし。

 自慢しちゃうくらい可愛がってる方なら、見ただけでも最早分かるかもしれません。

 その点、私はまだまだ愛情が足りませんね、きっと。


「今日のおやつはちょっと奮発してあげましょうかー。TVで大興奮してますし、きっと、お腹空きますよねー。」


 おやつは量を増やすか、質を取るかですが、今日は量に決まりですね。

 その後も、ダラダラとTV番組をぼんやりと眺めて、視界の隅でウロウロする我が家のクロっちで癒やされ続ける私でした。

 特にオチも無く書きなぐってみた作品。犬バージョンとかいろいろ考えられそうです。インコにしたら大変&エロ方面でヤバそうだ。飼い主に惚れちゃうらしいので。

 リアルにファンタジーを投入すると、「ありえねぇ!」と否定する派と「どうしてこうなった?」と検証する派と「おもしれぇからうちにも起こらないかな?」と期待するのと「ありえないという方がありえない」と噛み付く人なんかが出てくるんでしょうねきっと。

 つまり、起こるのはカオスです。

 え?違う?

 いえいえ、猫の普段の行動を打ち込んで擬人化しちゃったらこんな展開になると思うんだ、うん。つまり、カオスですよ。ほら、間違ってない。

 擬人化の多くって、中身まで人化しちゃうじゃないですか?あれって、猫好きからしたら解せないかったんですよ。

 だって、元のほうが可愛いじゃん?面白いじゃん?それなのに、なんで人にしちゃうのさ?エロにするわけでもないのに。←

 ネタはうちの飼い猫が良くお股舐めようとしては失敗して、転がりまくってたところから発生しました。あまりにも残念過ぎて、ネタに使ったら「わぁキモーイ」な事請け合いな作品に。

 なんでそこ書くの!?って、なりそうですが、思いついちゃったからには仕方ない。合間見てちょこちょこ書いてたら、最後までいっちゃったっていう。故に上げてみた。

 大丈夫、違う家で飼ってる猫の方はリアルに「おおーい」と人や猫を呼びますから、あれに比べたら可愛いネタですよ、きっと。しかも呼んでおいて近付くと「フーッ」って飼い主に威嚇するっていう。お前、本当に飼い猫か?って疑問になるくらいの野生児に育ってます。

 それに比べたら、縦にも横にも大きくなり過ぎて7kg突破しちゃったネタ元の子なんて可愛いはずなんです!未だに舐めるの失敗して転がりますけどね、ええ。おバカ可愛い。

 元ネタからもそこはかとなく漂う残念臭……あれ、イケメン関係無かった?

 うん、気にしたら負けだ(現実逃避しておこう)。


 2020/02/29 加筆修正。

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― 新着の感想 ―
[良い点] イケメンが全裸待機とか、知り合いの皆様がまっしぐらなオープニング! [気になる点] 勿論、最終盤まで頑なに半裸待機な事( )でしょうか? [一言] 初めまして、kisaragi様のリストか…
[良い点] あらすじだけで笑いました。本編読んでもっと笑いました。 大きなオチがついている感じではないですが、気にするところが微妙(たまに大きく)ズレてるのが、クスリと笑いを誘いますね。 ほのぼのして…
[一言] 言いたいことは一区切りしました(`・ ω・´)ゞビシッ!!
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