再会
米4
「きゃーー!!!」
青空の下。響き渡る俺の声。
胸を隠すように自分を抱き、しゃがみこんだ姿勢で叫んでいる。俺、裸ん坊。
なんだ。なんでだ。なんで裸?
でもってここどこだよ!!草むらっつーか草原?的な所にいきなり出てきて風が涼しいなーとか思って両手を広げて見たら、俺、裸。
そりゃビックリしてしゃがむよね!!
、、、、どうしよう。いや、、、まてよ?見渡す限りの草、草、草。大草原に俺一人。何を恥ずかしがることがあるかっ!
よーし大丈夫!!いたとしてもなんかこう、動物的な奴だろう!頑張れ俺!勇気を出すんだ!
「よ、、、っこいしょ!!あ、よっこいしょって言っちゃった!」
まあいいや。細かいことは気にしない。大人だもん!!なんだ。立ち上がってみたら特に恥ずかしさとか感じないや。さすが自然は偉大だぜ!!
「、、、、、!!」
ん?
「、、、、、、す!」
んん?
「こっちこっち!わーすーれーもーのー!」
なんか上から声が、、、
見上げると、空から青い何かが。青い髪の人が。右手に鎌、左手に俺の服を持った幼女が
ーーードムン!!!!
「ええっ!?」
ものすごい音と土煙を上げて幼女が着地した。と言うよりも落ちた。頭から。
「なんで!?そこはこう、、ふわっと着地するところじゃないのか!?生きてる!?」
もうもうと上がる土煙をかき分けながら幼女の落ちたらしき場所へと駆け寄る。ホント大丈夫か?
「この辺だと思うけど、、、」
土煙が薄くなり、視界が良くなってくると、地面に穴が空いていた。人の形に。まあなんだあの、「出口」の表示みたいな感じできれいに人の形に空いていた。
「なんか大丈夫な気がしないでもない!」
恐る恐る穴に近づいていくと、ぬっ。と、服を握った左手が出てきた。よし生きてる。
「忘れ物ですぅー」
「いやいいから!怪我なはい!?」
左手を地面にかけて、幼女が顔を出した。
「はいー。ちょっと着地の事は考えてませんでした。」
「考えようぜ!?」
「いやー失敗しました。よっ。」
幼女は穴から飛び出し、青い光を纏いながらふわりと降り立った。いやふわりが遅ぇよ。
「忘れ物を届けに来ましたよー。」
そう言って幼女は俺の服を差し出す。
土煙は完全に晴れて、幼女に怪我1つないのがわかる。ふう。驚くわ。いろんな意味で。
「怪我が無さそうでよかったよ。あ、服をありがとう」
そう言って俺は服を受け取ろうと近づき、右手を差し出す。
しかし幼女は下を向いてしまった。
「どうしたの?やっぱりどこか怪我した?」
俺は焦ってさらに近づく。幼女は今度はあさっての方を向いてしまった。どうした。
「本当に大丈夫か?怪我してるんじゃないか?なんか顔も赤く見えるぞ?」
幼女は困ったような、苛ついているような顔で返事をした。
「いいから早くこれ来てください。」
あーそうだ。俺は今、裸だったわ。俺は幼女に言った。いや、自分に向かってかもしれない。
「きゃー!!ヘンタイ!!」
「こっちの台詞です!!」
俺は今日、人として1つ何かを失ったかもしれない。