1章 3話
おっちゃんの家に泊めてもらうことになったリュウキは後日、酒場に行き情報収集をしおうとするが背後から謎の人物と遭遇する。
おっちゃんに勧められ家に泊まらせともらった俺は、これからのことを考えながら眠りについた。
翌朝
おっちゃんの家で朝を迎えた俺はおっちゃんの奥さんの作った朝ご飯を食べながら、おっちゃんとどうやってサクラの情報を集めるか話していた。
「あ、そういえば、今日から3日間南の方の酒場に情報屋がくるんだった。そいつに聞いてみたらどうだ?」
「そうなのか?情報屋か、、、金がないな。情報屋ってのは金をとるんだよな?おっちゃん」
当たり前のようなことをおっちゃんに問うと、
「いや、あいつは確か若者からは金はとらねぇ主義だったはずだ。」
「金をとらないのか⁉」
てっきり金をとるものだと思っていた俺はすごく驚いた。
「ああ、なんでも若者が好きなもの好きだっていう噂で逆に俺みたいな歳が行ったやつには厳しく当たって金を多く取るって噂だ。」
「そうなのか。変な奴だな。」
「どうせ、旅にでもなるんだ。一緒に旅をする仲間でも作っとくんだな」
「そうだな、うんわかった。そうするよ」
そもことを聞いた俺は、朝飯を食べてすぐに、その情報屋がいる、南の酒場に足を運ばせた。
酒場にて
酒場についた俺は、情報屋のやつを探していた。
「お、あいつかな?」
いかにもそうな感じの男がいたので近付こうとしたとき、背後から
「おい、そいつは違うわよ」
と、後ろ首をつかまれ店の外へそのまま連れていかれた。
「おい!離せよ!」
後ろ首をつかまれて急に外へ連れ出されたので、驚き怒鳴ってしまった。
「なによ、せっかく助けてあげたのに」
長身でスタイルのいいいかにもお姉さんという人物が俺を助けてあげたと言う。
「助けてあげた?何をだよ。俺は忙しいんだ。情報屋からある情報を聞かないといけないからな」
「じゃあ、あの男が偽物で私が本物の情報屋だったらどうする?」
その女が、嘘をついているとは思わなかったので、少し話を聞くことにした。
「それが本当なら、あの男は何なんだ?」
真っ先に疑問に思ったことを自分が情報屋だという女に聞いた。
「あの男は情報屋だけど、先払いで高い金を請求して、まったくあてにならない情報を売るクズ野郎よ。」
俺はそんな男からあてにもならない情報を買おうとしてたのか。
「そうだったのか、すまないそんなことも知らずいきなり怒鳴ってしっまって」
「別にいいわよ、そんなこと」
情報屋の女はあっさりと許してくれた。
「そんなことより、あんた、情報屋なんだろ?教えてほしい情報があるんだ」
俺はサクラがアーティにさらわれたことを話した。
「そんなことがあったの、かわいそうに、ちょっと待っててね、役に立ちそうな情報を探すから」
そういいながら、彼女は分厚い手帳のようなものを見始めた。
「ああ、ありがとう。感謝する」
熱心にサクラのことについての情報を探す姿に俺は静かに礼を言った。
「あったわ。北の方でアーティとは別の何かに連れていかれるのを見たという情報が2か月半も前に入ってきているわね。騎士団が全滅させられた生物と似ていたらしい」
「よりによってアーティと違うやつにかよ、そういえば騎士団は何体の生物にやられたんだ?」
謎の生物の強さをある程度把握するために騎士団が何対にやられたのかを聞いた。
「1体よ」
「なんだと⁉」
彼女の言った言葉に驚きを隠せなかった。
(1体だと?騎士団といっても、怪物のアーティを倒せるほどの強さのはずだ。そんな簡単にやられるはずがない。そうなるとその謎の生物はかなり強いことになる。)
「この街は大きな壁があって騎士団が市民を守っているといっても一度街を出て森に出るとアーティに襲われる可能性はそう低くないわ。さらに1体で騎士団を全滅にした謎の怪物も最近でできているしね、そのサクラちゃんの生存は保証できないわね」
その事実を聞いた俺は、膝から崩れ落ちた。
「サクラが死んでるかもしれないだと?そんなはずはない、あいつがそんな簡単に死ぬはずがないんだ」
俺の絶望したような顔を見て彼女は
「元気を出して、サクラちゃんが死んだって決まったわけではないのよ、今から助けに行っても間に合うかもしれないじゃない」
彼女は俺を元気付けるために気をかけてくれた。
「そうだな。まだ生きているよな。」
俺は自分にサクラは生きていると言い聞かせた。
「すまない、一度泊めてもらっているところに帰るよ」
情報をくれた、彼女に礼を告げようとしたその時、
「ごめんね、この街に来てからまだ宿取ってないの。私を泊めててもらえるか聞いてもらってもいい?」
「え、あ、ああいいよ」
おっちゃん宅にて
「っていうことがあってさ、この人ちょっと泊めてあげられないかな?」
俺は、おっちゃんに今日あったことを話し、彼女を泊めてあげられないかと、聞いていた。
「無理にとは言わないんです。いつもは収入があるんですが、今日はたまたま収入がなかったもので」
彼女は後頭部を掻きながら「エヘヘ」と笑った。
「まぁ、あんたみたいな稼ぎかたしてたらそら収入もなくなるだろ、若者から少しでも金とればそれですむだろうに」
「それについてはいろいろと理由がありまして、できないんです」
彼女は何か難しそうな顔をしてそう言った。
「まぁ、あまり深くは聞かねえが、、、今日だけだぞ?」
「いいんですか?ありがとうございます!」
彼女は子供のように喜んでいた。
「ところで、あんた名前は?」
おっちゃんが情報屋の彼女にそう問いかけた。
「あ、申し遅れました。私の名前は『アスカ』といいます。」
(そういえばまだ名前聞いていなかったな。サクラのことで頭がいっぱいだったから忘れてた。アスカさんっていうのか)
「アスカちゃんっていうのか可愛い名前してるな!」
おっちゃんがそう言うが俺もそう思うので特に何も言わない。
「そ、そうですか?ありがとうございます」
赤面しながらアスカさんが礼を言うがその姿もまた可愛らしいので頬が緩みそうになるのを必死に我慢する。
「そろそろ晩飯の時間だな。飯にするが、アスカちゃんは嫌いなものとかあるか?」
「いえ、私は特に食べられないものはないので気にしないでください」
「じゃあ晩飯作るからちょっと待っててくれや」
「リュウキさんちょっといいですか?」
「なんですか?」
「ちょっと気になることがありまして」
「どうしましたか?」
俺は少し険しそうな顔をするアスカさんに違和感を覚えながら、話を聞くことにした。
「実は、さっき話しそびれた重要な話がありまして、さっき北の方で目撃情報があったって話したでしょ?目撃情報があった北の町のもっと北で大きな城が3日前に発見されてるの」
「城?それがどうサクラのことと関係が、ってまさか!」
俺の中に嫌な予感が走った。
俺の予想が当たってるとすれば、サクラは
「その大きな城には例の謎の生物が出入りしているという情報もあるわ」
まさか流石にないとは思っていたが、本当にあるとは思いもしなかった。
「サクラはその中に?」
「ええ、そう考えるのが妥当でしょうね」
俺はこれから騎士団を1体で全滅に追いやるような怪物の集まる根城に行くのかと思うと、背筋がゾッとした。
「おーい、飯!できたぞ!」
「わかった、今行く」
俺はそう言ってその場を後にし、晩飯を食べながら、おっちゃんに今していた話をした。
異世界モノクローム 1章 3話を読んでいただきありがとうございます。
今回は主人公リュウキが、情報屋のアスカと出会っておっちゃんの家にて終わりとなってしまいました。
次回は晩御飯を食べ終わった3人が、これからのことについて話し合うところから始めるつもりです。
次回も、読んでいただけると嬉しいです。
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