表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

1


 放課後に校内を散歩していた。ユリとケイタは仲のいい同級生だった。友達以上恋人未満といった感じだった。

 グラウンドに部活動の声が響き渡る。音楽室から吹奏楽部の演奏が聞こえる。遠くでカラスが鳴いている。


「この後カフェで勉強でもしない?」


 ユリはそう言ってケイタを誘う。


「別にいいよ。受験まじかだもんな」


 二人はそう言って学内から郊外へ向かう。

 バスの中で彼ら二人とおばあさんと他の学生が無言で乗っていた。

 静かに住宅を越えて駅前で停車する。


「またあのカフェか。ファミレスの方がよくない?」


「どっちでもいい」


 ユリはそう言ってケイタについていく。物静かなユリと真面目なケイタだった。

 奇妙にも二人は同じクラスがずっと続いていた。

 夕暮れの空がきれいなグラデーションを彩っていた。

 ファミレスの中は少し騒がしかった。

 二人は四人掛けの席に座りコーラを注文した。


「隣の席のカワイ君。国立うけるんだって」


「すげえなあいつ。俺なんかどこも受かんなそう」


 コーラがやってきて二人で飲む。

 炭酸がはじける。


「受験むずい」


 ユリはノートを広げて不平を言う。


「俺なんかどこも受かんねえんだって。数学なんかまるっきりわからん」


 ケイタはバスケ部を引退し今はユリやほかの友達と一緒に勉強していることが多かった。

 ファミレスの中は彼らと同じ高校の生徒もいて笑い声が聞こえた。

 二人は夜になるまでファミレスで勉強していた。


「そろそろ家かえろ」


 ユリとケイタは割り勘して店を出た。

 外は秋の冷たい風が吹いていて昼間よりずっと涼しい。

 きらきらと銀色の星が空に輝いていた。

 どこか大気は心地がよかった。

 変な雰囲気のまま二人は郊外の駅の電車に乗る。

 車内はすいていた。サラリーマンの姿もあった。電車はがたごと先へ進んでいく。


「じゃあね」


 駅につくとユリは電車を降りた。


「また明日な」

 

 ケイタは手を振った。

 電車の扉が閉まる。手はわずかに汗ばんでいた。

 家の最寄り駅でケイタも電車を降りた。

 携帯電話には友達からメッセージが届いていた。

 駅を通り過ぎて家の続く道を歩く。

 時折風に乗って枯れ葉が舞う。

 すっかり木は葉を失っていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ