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成長と学園は天国?

ちょっぴり成長。

それから三年。

エルトーデ王立学園に入るために俺は頑張った。前世以上に頑張った。

何をって、難関校だから受験勉強を…とかではない。俺が自由に動けるよう土台作りをするのを、だ。

学園は貴族・平民などの身分は関係ないとされている。俺の護衛も最小限になるらしい。ならば学園に入ればある程度の自由が保証される。入学を勧めたサウス司祭は流石としか言いようがない。


まず、俺の「病弱キャラ」は、そのまま続行することにした。

午前中を座学に費やすと、午後は熱を出し倒れる。んで、貰った指輪で髪と目の色を変え、平民の服装になり、ベッドに細工して空間魔法で王都の外に出る。

王都周辺は定期的に騎士隊が見回って、危険な魔物はある程度討伐されている為、魔法や武技の訓練にもってこいなのだ。

なぜ「病弱キャラ」を続けるかって、もちろん王位継承権を一兄様に押し付けるためだ。勇者の補佐になるという、自分の高確率死亡フラグを折るためには強くならなきゃで、目立つと次の王にとか推すバカ貴族が出てくるかもで、面倒くさいからね。

子供だから筋肉もまだ目立たないし、インナーマッスルを鍛えて細マッチョ・着痩せ系でいこうと思う。


心配していた空間魔法は、イメージで何とかした。

某アニメの未来から来た水色ロボットが出すアイテムのイメージで、空間異動も異次元収納も出来るようになった。日本のアニメの価値って半端ない。ちなみに結界は使徒とか出てくるアニメでいけた。

機会があれば詳しく学園で学ぼうと思う。城には無い本も有るらしいからね。

鑑定魔法も使い方が広がってきた。これはかなり役立つ。実験する度にホクホクだ。


学園は十二歳から入学する子が多い。俺は知識の神に加護されてるから、十歳で入学の許可が下りた。

本当はもっと早く入学したかったが、父様と母様が駄々をこねたのだ。大人の駄々っ子ほどタチの悪いものはないと痛感した。まだ俺子供なのに……。


セシリアはサウス司祭の血を色濃く引いているため、俺と同い年にして一緒に入学する事になった。

位の高い貴族はメイドやバトラーを連れて学園に入ることもあるというが、俺は一人の方が楽だと思っていたのに、過保護な夫婦に必ず二名を世話係として付けるよう言われてしまった。

思わぬ両親からの愛情に困っていたら、天の助けサウス司祭から娘のセシリアと、宰相の末息子で十二歳になるギュンター・オーガスを紹介された。

冷静沈着、頭脳明晰などの四文字熟語が似合う彼は、青い髪を綺麗に整えてて、銀縁の片眼鏡をかけていた。いかにも『執事』という感じで、十二歳とは思えない大人っぽい少年だ。言わずもがなイケメン……この世界イケメン多くない?


そんな彼には言わなきゃいけないのは『クラウス病弱キャラ作戦』だ。

これから少なくとも学園を卒業するまで一緒にいるのだから、俺の自由を確保するのに彼の協力は必要不可欠。サウス司祭の紹介だし、鑑定魔法でも白(味方)と出ているし。

思い切って話したら「面白そうですね」って呟いていたけど……大丈夫だよね?

ギュンターは俺への紹介の後に受験をしたんだけど、元々学園に入る予定じゃなかったらしい。

なのに、ほとんど勉強せずに合格してしまった。ギュンターすげぇな。


「クラウス様にお仕えする事こそ、この身の誉れです」

と言って無駄に忠臣っぷりを発揮し、父様と母様を感動させていた。

いや、お前さっき俺に「クラウス様の側にいると面白そうですね」って言ってたじゃん。猫かぶりか?




そんな努力の甲斐もあり、俺は十歳にしてエルトーデ王立学園に入学する事となった。

背も伸びたし、顔も大人っぽくなった……と思いたい。

変装して城から出ると、女の子と間違えられることはしょっちゅうだったが、さすがにそれは脱却できたと思う。

たぶん。

きっと。


……。






お読みいただき、ありがとうございます!

次回は入学式です。

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