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魔法の勉強をします。

魔法って何ですかね?

魔法。魔力を操って求める現象を起こすこと。

それはクラウスの経験と知識の神の加護により、魔力操作はビックリするくらい簡単にできた。

手に温かいものを意識すると、温かくなる。そのまま火をイメージすると火の玉が出てくる……という感じだ。(もちろん書庫では試していない)

基本的に呪文とかそういうのは無いけど、言葉を出すことによって威力が変化したりもする。呪文も馬鹿にできないね。

無詠唱でも魔法は行使出来るけど、威力が弱かったりもするから、奇襲以外なら呪文があった方が良いかもしれない。


浅い知識だけど、人間は身体中に血液が巡っていると同時に、気も巡らせていると考える。

体に意識を向けると、体を巡る気が感じられる。その巡りに乗せて魔力を流せば、体を強化したり傷を治したり、さらに毒を体から排出したりもできる。

自分自身ならどうにかなるけど、他人の魔力操作はうまくいかない。だから神官にしか使えない、怪我や病気などを治せる神聖魔法の存在がある。


それはともかく。


属性魔法はイメージしやすいから楽々出来るようになったは良いが、イメージし難い空間魔法と鑑定魔法ってどうすれば出来るんだよって話。


「ううーん…空間…空間…イメージ…」


唸っても分からないものは分からない。空間をどうすりゃいいんだ?

数冊魔法の本を見つけて読んでみるが、めぼしい情報は得られない。

空間魔法は使い手がほとんどいないようだった。空間を遮断すると言えば、東国の魔法ではない術…日本でいう陰陽道みたいなものだろうか、結界を作る札のようなものがあるそうだが、空間魔法とは違うような気がする。参った。


「おや、書庫に珍しいお客様がおるのう?」


ん?なんか見るからに魔法使いって感じの爺さんが…ヤバい、黙って入ったから怒られる!?


「…あ、あの、すみません…勝手に本を…」


「ほっほっほ、知識を得んと望む者に扉は開かれるべきじゃ。叱らんよ」


白髪に白く長い髭を震わせ、愉快そうに笑う爺さん。

良かった…怒られなかった…。ホッとする俺に爺さんは更に言葉を重ねる。


「だがのう、そろそろ儂じゃない者に叱られるのう。ほっほっほ」


え…?


「クラウス王子!!ここにいらっしゃいます!!」


あ、メイド長のマリエ…


「クラウス王子!!」「王子殿下!!」


あ、近衛騎士の方々まで…


「まだ安静にしていないといけませんと、あれほど言いましたのに!!」


マリエ怖い…めっちゃ顔怖い…

謝ろう。涙目で謝ろう。


「ごめんなさいマリエ、心配かけてごめんなさい」


とにかく謝りまくって許してもらう。

本気で怖くて涙目付きで謝ったら、途中から近衛騎士の方々が味方になってくれた。

マリエが渋々許してくれて、王子スマイルでありがとうって言ったら皆の顔が赤くなった。

セシリアも赤くなってたし、この王子スマイルは謎だな。勝手に出ちゃうんだけどね。


部屋に戻されると、テーブルに数冊本が置いてあった。

「空間と魔法のつながり」

「魔力を形にする」

「エルトーデ王国・王都を歩く」

「ステータス攻略本」

なんか不思議なチョイスだな。誰が置いたんだろう…辞書とか観光の本まであるし。

思い浮かぶ白髭の爺さんの顔。

何となくこれらを読んだ方が良い気がする。

絶対安静を言い渡された俺は、置いてあった本を読むことにした。

動けない今は知識を詰め込むしかない。




『洗礼の儀』は、明日に迫っていた。

恐ろしいくらいに神の加護がついた俺のステータス。公開させないようにする方法は見つからないままだ。

公開されたら大騒ぎになるだろうな。誰かに相談…部屋を出れないのはキツイな。

最悪、城を出なきゃいけないかもな。早く空間魔法を使えるようになろう。


書庫には行けないが、あれ以来毎日部屋に色々な本が置かれていた。多分書庫で会った爺さんの仕業だと思う。

あの爺さん、何者なんだろう…本はありがたく読ませてもらうけど。

部屋にいる限りマリエが怒ることはなく、ある意味平和な日々を過ごしている。もう元気なのに動けないのはストレスが溜まる。

病弱だったし、しょうがないかな…。

知識の神の加護が大活躍だ。速読できるし全て記憶する事が出来る。

頭にパソコンがある感じで、頭の中で検索できる。辞書とか読むとすごい。どんどん記憶される。


王様と王妃様、父様と母様は忙しいだろうに毎日来てくれる。

俺だけ部屋で食事だから、寂しいだろうと来てくれる。

これほど愛されているのに『洗礼の儀』でどうなるのか…考えると怖くなってきた。

このまま明日を迎えるのが不安で…

俺は眠れぬまま朝を迎えた。





お読みいただき、ありがとうございます!

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