表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/39

新学期です。

不定期ですみません!

新学期、邪竜を討伐したオルは、国から表彰される事となった。

男爵の位を貰い、オルフェウス・ガードナーとして、正式に俺の護衛となったのだ。

そこに父様と母様の息子可愛さな何かがあった事は、想像に難くない。


「貴族なんて面倒くせぇ」


「しょうがないでしょ、これなら僕と一緒にいる理由がつけやすくなる」


冒険者ランクも国内初のSSランクとなり、普通の冒険者のように依頼をこなす必要がなくなった為、国の有事でしか動かない存在となったオルは、教室でウダウダ俺に愚痴を言っている。

ちなみに今の国の有事は、俺の護衛をする事だ。過保護だ。


「冒険者として動けねーなら、お前の護衛が終わったら傭兵にでもなろうかな」


「とりあえず、騎士団の兵力を底上げしてからにしてよ」


「お前のその病弱キャラっていつまでやるの?」


「王位継承権を破棄するまでかな」


「……大変だな、お前」


ちなみに、今までの会話は空間魔法で音を漏らさないようにしている。周りからは机でウダウダするオルと、隣で苦笑いしている俺しか見えないだろう。


「クラウス様、北の竜の長が王都に来るそうです。国王様と謁見する際に、クラウス様とオル様も登城するようにと。謁見は一週間後です」


「うが、面倒くせぇ!」


「オルフェウス殿には、私から貴族の何たるかを叩き込みましょう。貴殿の恥はクラウス様の恥となる事をお忘れなく」


「うぐ…しょうがねぇ、頼むわ」


短い黒髪をガシガシかきながらも素直なオルに、俺はびっくりして見つめる。


「なんだよ、俺だってクラウスの事を考えてんだよ。……仲間だろが」


少し赤くなって語尾が小さくなっていくオルに、俺は嬉しくなってにやけてしまう。ヤバい、こういうのって嬉しい。


「ありがとう、オル、ギュンター」


にやけながらも礼を言うと、二人とも顔を真っ赤にしている。

俺の影で栗色が「これが沙耶ちゃんの言ってた『尊い』なのね……」と呟いてるが、マジなんなの、怖いよ。









一週間後、俺たちは王城に来ていた。


父様と母様は、夏休みに帰って来なかった俺に、いたくご立腹だった。

だけど、城に戻らなかったのは理由がある。二姉様がいたからだ。

二姉様は俺を敵視していて、それは年々強くなっているようだ。学校は別だし休みに俺は帰らないから小康状態ではあるが、ギュンター曰く「逸脱した嫌がらせ」を計画していたりしてるらしい。内容は聞いていないけど、地味に怖い。

俺は勇者と魔王を倒すためにこの世界にいるし、何より今はマイコがいるから絶対に生き残らないとダメだ。

そんな二姉様と今日は会わざるを得ない。


(大丈夫、今の俺には皆がいる)


気合を入れた俺は謁見の間に向かった。




「父様、母様、兄様達、姉様、お久しぶりです」


「久しぶりだなクラウス、少し顔色が良くなってきたな」

「学校を楽しんでいるようで何よりだ」


金髪金眼の一兄様ミヒャエルと、青髪金眼の二兄様クリストハルトだ。


「……」


一姉様は他国に嫁いだからここには居ないが、橙髪碧眼の二姉様シャルロッテは無言で俺を睨みつけている。いかにも我儘お嬢様という外見の為、俺を睨む姿も堂に行ったものだ。やれやれ。


「おかえりクラウス、そして護衛の任務ご苦労だオルフェウス」


「ただいま戻りました」

「恐縮です」


オルは無難に返答していた。偉いぞ。

父様と正妃の母様、第二妃も玉座に並んで座っている。

母様は涙目だ。うん。なかなか帰れなくてごめん。


「では子達よ、それぞれの母の元に。北の竜の長を謁見の間に迎える」


俺たちは両側に分かれて座る。二姉様は相変わらず無言だ。ここまで嫌われてしまうものなのだろうか。俺はひっそりため息をつく。


呼び出しとともにフードをかぶった三人の男性が玉座近くまで進む。

真ん中の男性は立ったまま、両脇の男性は片膝をついた。

三人は一斉にフードを外す。赤、白、青で、真ん中の白が長っぽい。

青い竜人が朗々と口上を行う。


「この度、我ら竜族は、そちらの第三王子クラウス様にお会いしたく参った次第」


…………へ!?




お読みいただき、ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ